いたいのいたいの、とんでゆけ (メディアワークス文庫)

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  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048668569

感想・レビュー・書評

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  • 瑞穂を巻き込んだ霧子の復讐は、何か別のカタチにすることはできなかったのかな。衝動的な殺意を持ったことはあるけど、復讐という殺意はちょっと違うものだと思う。執念のある殺意みたい。霧子みたいな酷い虐めにあったことはないからオイラにはわからない。できれば、そうした殺意につながるような恨みは知らないままでいたい。
    霧子の瑞穂との再会は最悪なカタチだったけど、瑞穂と気が付いた段階で復讐じゃない別の過ごし方だって選べたのに、と思う。血生臭い復讐の中での「いたいのいたいの、とんでゆけ」はギャップがあってインパクトがあった。オイラとしては親が子供に言うようにもう少し優しい状況で言ってほしい言葉なので、ラストシーンにホッとした。

  • 展開がバレバレ、とか思ってたら大どんでん返しが。
    キレイで切ないお話でした。

  • こういう締め方好きだ

  • 同作者の別作品がとても好きなのですが...虐待やいじめの描写がつらくて途中読むのをためらいました。
    全体的に薄暗い雰囲気の作品です。

  •  引きこもっていそうな女の子は、もこっちよりもオギーをイメージして読んでしまいます。はい、どうでもいいですね。
     このあいだ「三日間の幸福」読んで、この人の本はこれで二冊目。全然幸せじゃないのにこの二人の組み合わせはいいなぁと思う作風だ。

     
     小学生の卒業前に転校したときから続いた霧子との文通は五年前、瑞穂は返信せずに一方的に終わらせた。
     二十二歳になって今更会いたいと手紙を送って指定場所で待っていても来てくれるはずもない。
     自棄になりウィスキーをひっかけて車に乗り込みアクセルを吹かしたその先で人を轢いてしまった。はずだった。

    「私、死んじゃいました。どうしてくれるんですか?」

     そう言って学生カバンで殴ってきた女の子は傷一つしていなかった。
     彼女は、自分の身に起こる災難を”先送り”にできるという。そして、自分の死を十日後に先送りにしてしまった。

     もう死んでしまったことですし、あなたには私の復讐に付き合ってもらいます。
     自分の人生を台無しにした連中を殺しに行きますという彼女に付き合って、一人ずつ洋バサミで刺し殺していくのを手伝うことになった。

     
     この著者はタイムリミットを使うのがうまい。そして、最後はどうなったかというのを明確に描かないから後に残る。
     
     読みやすいし、この作風は好きだなぁ。この人の本を二作読んで、この作家は来たなぁと久々に思える作品だった。

  • 途中グロ描写があり苦手な人は読むのを躊躇うかも。
    三秋縋さんの作品は何作か読んでいるがやはり怒涛のラスト。
    電車で泣くのを堪えました。

  • 小学生の頃に読んで、いまいち意味がわからなかったんですが、中学生になってこの前改めて読んでみたらとても面白かったです。
    特に最後のほうになっていくにつれて面白くなっていって、読み終わった瞬間「あーすげぇー」みたいな声が出ました。先送りの仕組みを理解するのが当時は難しかったのだと思います。個人的には最後の方の霧子の過去が読んでて苦しかったけど、瑞穂がヒーローみたいな役柄で、読んでて、瑞穂がいてくれてよかったなと思いました。
    僕は三秋さんの作品はほとんど読みましたが、本作品はそのなかでもトップクラスに好きです。なんていうんだろう。描写とか、筆致っていうのかな。そういうのが三秋さんの作品の好きなところで、ストーリーも面白いけど、どっちかっていうと言葉遣いとかそっちの方が好きなのかもしれません。表現が素敵だし、主人公の人柄もすごく好きです。一概にクズともいえないけどいい人とも言い難い感じ?その感じが自分の人柄とも似てて重なっていて魅せられているのかもしれません。
    とても、面白かったです。

  • 終盤の展開はびっくりした。すごい切なかった。
    途中にグロテスクな表現があって、グロいのダメな人は気をつけて

  • びっくりした作品でした。自分は恋する寄生虫からこの作者に興味を感じて読みました。恋する寄生虫も似ているような気もしましたが、精神に与えるダメージというか影響がとても大きかったように思います。もう一度読むにはしんどすぎるけれど新しい価値観を与えてくれた素敵な本でした。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1248176

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著者プロフィール

WEBで小説を発表していた作家

「2015年 『僕が電話をかけていた場所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三秋縋の作品

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