- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048700580
作品紹介・あらすじ
全知の天に運命を委ねる占の国ヴィオン。生まれながらにして毒と呪いの言葉を吐き、下町に生きる姫がいた。星と神の巡りにおいて少女は城に呼び戻され、隣国に嫁げと強いられる。『薄汚い占者どもめ。地獄に堕ちろ!』姫君は唯一の武器である声を奪われた。星の石ひとつ抱き、絶望とともに少女は向かう。魔物のはびこる夜の森、そのほど近くの聖剣の国レッドアークに。少女を迎えたのは、夜の王に祝福を受けた、異形の手足を持つ王子だった。第13回電撃小説大賞大賞受賞作『ミミズクと夜の王』の続編、登場。
感想・レビュー・書評
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エルザも好きだけど、この本でディアがますます大好きになった((* ´艸`))
しばらく見ない間に立派になったもんだと、知り合いでもないのにしみじみ思ってしまった
ミミズクでは見られなかった登場人物の一面が見られたのも良かった
鳥籠巫女と聖剣の騎士、どうにか文庫化されないかなぁ… -
占いが全てを決める国に生まれたエルザ。そのせいで下町に捨てられ、1人で生きてきたのに、隣国に嫁ぎ国を守るために毒吐きとしての声を取られてしまう。エルザは、毒吐きと呼ばれるように、毒を吐いてきた。でも、それは強く見せるために毒を吐いているのではなくて、自分を守るために毒を吐いていたんじゃないかと思う。レッドアークに嫁ぎにいき、呪われた王子によって奪われていた声を取り戻し、声という武器を取り戻したことで、エルザは逃げようとした。その時に、オリエッタが「ここ以外に、生きたい場所が、おありなら。ためらってはならないわ」とエルザにいった。この問はエルザにとって居場所を問われる苦しいものだったと思う。それと同時に、下町での苦しい生活が自分にとっては幸せだったのだと気づいたんだと思う。失ってから気づく、まさにその通りで、当たり前に感じているものは当たり前ではなくて普通という自分の中の壁が少し怖くなった。また、エルザは不安になると、星の石を握っていた事から、占いは嫌いと思っていても、唯一自分のもので支えとなる星の石は思っている以上に必要なものだったのだと思う。昔のエルザにも、これからのエルザにも。エルザは嫁いできた時に、下町でのエルザは死んだと言っていたけれど、最後に王子と毒吐き=声という武器によって真の姫となりそこで本当の意味で捨てたのだと思う。自分の嫌いなところは武器となり、当たり前は当たり前では無いという事を改めて思い出させられた本だった。私もこれからどんどん今の私が死んで、新しい私が産まれてくるのだと思う。でも、私はエルザのように殺してしまうのではなく、自分で捨てていくようにしていきたい。
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いつ読んでも勇気をくれる。
みんながそれぞれの幸せを得るために動き、掴む。 -
「ミミズクと夜の王」の続編。クローディアスがどうなったか知れて嬉しかったです。アン・デュークやオリエッタも元気そうで何より。そして、ミミズクに再会できた事が一番の喜びでした。毒吐き姫の本当の力は『言霊』だったのかな。彼女がこれから紡ぐ言葉が幸せであればいい。そしてお姫様と王子様は末長く幸せに暮らすでしょう。素敵なおとぎ話です。
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読んで良かった。起承転結がハッキリしてるし、泣いたー。
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最近の自分と重なって耳が痛くなる毒吐姫…どこまでも純粋に幻想的な世界でも現実はばっこしていて、だれもが不幸で顔を伏せてしまっても良いのだけれど、人々は前をみて生きている
私も毒吐き慎んで、人を思いやる気持ちの準備をせねばな、と -
すごく、すごく、すごく面白かった。
ミミズクも読んだから、その思い入れがあるせいかもしれないけど、
それでもやっぱりとても好きな物語だった。
毒吐き姫は、始終毒を吐いて、周囲に否定や拒絶や呪いを吐き散らしているのに、
それでも嫌いだとは少しも思わなかった。
それを口にする彼女の思いを、著者がすごく丁寧に書いていたからなんだと思う。
むしろ、彼女の無念に、憎悪に、悲しみに、共感せずにいられなかった。
ディアとエルザの心の歩み寄りや、エルザが少しずつ前を向ける様が自分のことみたいに嬉しかった。
最近この本の存在を知ったんだけど、もっとはやく読んでおけばよかった。
昔の友達が幸せになってるって聞いたみたいな、幸せな気持ちになった。