ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • / ISBN・EAN: 9784048704694

感想・レビュー・書評

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  • すらすら読めてあっという間の読了でした。
    表紙の美人さんに釣られて手に取りましたが、内容も面白かったです。

    「本」をめぐる謎、ではなくその本を所有していた人たちの謎を解いていく。
    その謎と「本」が良い具合にリンクしていて、紹介されているわけではないのになぜか読んでみたくなります。
    また、体質のせいで本が読めない五浦さんと、本好きで話したくてたまらない栞子さんの、持ちつ持たれつな関係が良いですね。きゅんとします。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「持ちつ持たれつな関係」
      絶妙ですよね。
      皆さん思っているでしょうけど、ラストは読書苦手と人苦手が解消してメデタシの筈←先走り過ぎ?
      「持ちつ持たれつな関係」
      絶妙ですよね。
      皆さん思っているでしょうけど、ラストは読書苦手と人苦手が解消してメデタシの筈←先走り過ぎ?
      2013/04/08
    • きょうさん
      >nyancomaruさん
      こういう「持ちつ持たれつ」な関係がイイんでしょうね。
      大輔さんの読書苦手も徐々に解消しつつありますし
      もしかする...
      >nyancomaruさん
      こういう「持ちつ持たれつ」な関係がイイんでしょうね。
      大輔さんの読書苦手も徐々に解消しつつありますし
      もしかするとそういう終わり方、、、?
      また母親との関係も最後はどうなるのか気になるところであります。
      2013/04/10
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「また母親との関係も」
      あっ未だ4巻読んでなかった(代りにコミックを読んで、う~ん。とってます)。。。
      「また母親との関係も」
      あっ未だ4巻読んでなかった(代りにコミックを読んで、う~ん。とってます)。。。
      2013/04/17
  • ラノベ+コージー・ミステリー風のノリということもあり、まったく手に取る心境になかったのですが、あるラジオ番組で著者の話を聞いて俄然興味が沸き読んでみる。

    面白いではないですか!

    キャラクターは予想通り単純で、マンガのようですが、栞子さん、いい!美人だけどシャイな本の虫。山のような古本に囲まれて、覆いかぶさるようにして、メガネのおくの目を爛々と輝かせてページをめくる姿のギャップも良い。

    出てくる古本も、読んでみたくなります。

    早速続きを買ってしまった。

  •  鎌倉のひなびた(?)古書店・ビブリア古書堂を舞台にした、古書にまつわる短編ミステリ集。北村薫の「円紫師匠シリーズ」や米澤軽穂の「古典部シリーズ」のような、"人の死なないミステリ"で、読み口あっさりで楽しめました。

     章のタイトルが古書情報(著者名『書名』(出版社名)と文献紹介のルール通りで、大学のゼミのレジュメ制作を思い出しました(笑))で、それらの本のあらすじ・内容をうまく利用したお話に仕上がっています。少し前に田中啓文の「笑酔亭梅寿謎解噺シリーズ」を読んではいましたが、上方落語のネタを下敷きにしてトサカ頭の主人公と豪放磊落な師匠・梅寿のムチャクチャな登場人物たちのミステリだったので、受ける印象は180度違いました。(誤解の無いように申し添えておくと、どちらの作品もそれぞれ十分面白いです)

     幼い頃に祖母との間であった"ある出来事"をきっかけに、活字が読めなくなった主人公・大輔。そんな彼が、亡き祖母の蔵書を処分する際に、岩波新書版の夏目漱石全集に夏目漱石のサインがあることを発見。その真贋を確かめるためビブリア古書堂を訪れるところから話が展開しはじめます。献呈署名や古書店の値札に秘められた違和感から、祖母が残した謎に迫っていく第一話。オチが全然見えなかったので吸い込まれるように読みました。
     続く第二話は小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』と知らない本。50がらみのオッサンと女子校生の間に起きたメルヘンみたいなミステリです。せどりについては何となく知っていましたが、本書に出てくるのは古式ゆかしい(?)せどり屋さんで、私がブックオフで見かけたのは、105円コーナーを流しつつ気になった本があれば片っ端からスマホでAmazonの値をチェックする、そういう人でした。かくいう私も大学時代、恩師の教科書がブックオフで投げ売られているのを見つけ、専門書を高く買ってくれる古書店に持ち込んで利ざやを稼ぎ、帰りに友人とうどん食うて帰ったことがあるので偉そうなことは言えませんが…
     ヴィグノグラードフ クジミン『論理学入門』も青木文庫も私は存じませんでした。本の内容(論理学)の使い方はちょっと物足りないかも、ですが、古書の知識も「へぇ~」でしたし、何よりええ話だったのでオールオッケーです。
     そして最後が太宰治の『晩年』。袋とじの元祖みたいな本(こう言うと稀覯本の値打ちも台無しですが…)と、大輔自身にも関わる謎、そして身に迫る危険、とスリリングな展開でした。

     あとがきに、本書のモデルになった鎌倉の古書店はなく、想像を膨らませて書いたとありました。
     そう言えば、予備校の先生が「私は鎌倉出身ですが、鎌倉が嫌いです。あんな図書館も本屋もろくに無いところ…」と授業中にボヤいていたことを覚えています。私自身は鎌倉に行ったことが無いので、先生の言う「本が無い」というレベルがどの程度のものなのかはわかりませんが、何となく「こんなところで古書店やってても、まぁお客さんは来ないだろうなぁ~」とか勝手なことを思いながら読んでいました。まぁ、今はネット販売があるから、モノさえちゃんとしたものが仕入れられるのなら、そういう立地条件もある程度は緩和される方向にあるのかもしれませんが。

     栞子さんについては、美人だしスレンダーだし巨乳だしで外見的には言うこと無しですが、実際に会うと、あの『おおきく振りかぶって』の三橋君レベルのきょどりっぷり*にイラッとくるだろうなぁ…(じゃあドラマで栞子さんを演じてるあの人が良いかと言われると、それはまた別の話…)。
     それに、ここだけの話ですが、私の周囲を思い返したとき、本の話や蘊蓄になるとスイッチが入って堰を切ったように語り出す女性って、どちらかというとビジュアル的には栞子さんの対極にいるような方しか思い浮かびません。信長・秀吉・家康が名古屋から美人を連れ出したせいで…という俗説がありますが、もしかすると源頼朝が幕府を開いたときにヲタ系美女を鎌倉にかき集めたというような事実があるのでしょうか。…今度網野善彦先生の著作を読み返してみます。

    *きょどる…挙動不審っぷりを全開にすること。具体的には目を泳がせながら故・大平正芳首相のような「あー、うー、うー」と言うとそれらしくなる。一部の若者が用いる造語と思われる。

     えらい方向に話がずれていきましたが、軽く読めて楽しめるオススメミステリです。

  • けっこう長いこと積んであったんだけど
    取り敢えずドラマが始まる前に、と思って急いで読んでみた。

    先ずは栞子さんの洞察力の深さに感服。
    というか本に関してだけの桁外れの洞察力発動は天才といえるレベルだろう。
    『ガラスの仮面』でいう北島マヤ的な(笑)。
    そして本のために人を殺めかねない執着心を持った人間がいることに
    恐ろしさと薄ら寒さを感じた。

    話の中に絡んでくる本のチョイスを見る限り
    相当な本好きの作者なんだろうと思う。
    本好きは往々にして
    本を読まない(読めない)人の気持ちが理解しにくい場合が多いが
    この話の中では偏執的といえる本好きが登場する一方で
    本を読めない人の心情もきちんと汲み取られてるところに好感を持てた。

    この本がヒットしたことで、もっと本読みの人口が増えてくれたらいいな、と思う。
    そしたらブクログのレビューも更に書き甲斐があるってもので。

  • 本好きな人にはたまらない本だと思う。
    コミュ障だが本の事が絡むと頭がよく回る美女栞子と主人公が本絡みの事件を解決していく話。読んだことの無い本の話が何冊も出てきて、その本についても読んでみたいと購読欲を誘ってくる。
    どのエピソードも素敵だったが、中でも坂口夫妻絡みの話がとても温かく、終わり方も素敵だった。
    とてもいい話なのだが、小菅が初めて病室に来た時の傲岸不遜ぶりは、彼女は振られた直後であったし、小菅の強気な性格描写のためには必要だったのかもしれないが、いくら何でも失礼極まりなく、その後のエピソードを見てもその第一印象を拭うことは出来なかった。彼女は性格がそこまで悪くは無い子なので、盗んだことを開き直るようなタイプではないと思うのだが・
    あと中身には関係ないが、栞子は基本的にメガネをかけているのに、1巻を含め私が知っているビブリア古書堂の表紙は全て眼鏡を外した横顔が描かれている。眼鏡をかけて真剣に、楽しそうに本を読む彼女のイラストが見たいと思ってしまった。

  • ★4.0
    普段は極端に人見知りが激しいものの、慈しむように本を扱い、本に関しては饒舌な栞子さんが魅力的。そして、「人の手から手へ渡った本そのものに物語があると思う」という栞子さんの考え方が印象的で、ついつい手元の本が辿った歴史に思いを馳せてしまう。推理小説としては可愛さ半分ヘビーさ半分といった感じだけれど、登場人物が個性的でとても楽しかった。ただ、「第四話 太宰治『晩年』」の種明かしは、五浦さんに分かったくらいなので彼も気付いているのでは?と冷や冷やする。それにしても、読みたい本がまた増えてしまった…!

  • 鎌倉の古書堂での本にまつわるミステリーなんて
    大好きが詰まりすぎてて、設定だけでもうっとりだったけど
    夏目漱石や太宰治など、物語、作家、そして本自体への
    愛情の詰まったお話ですごくおもしろく、また新しい興味も
    湧いてくるステキな1冊でした[*Ü*]

    「最後から二番目の恋」に出てくるのも鎌倉だったので
    あの雰囲気に想いを馳せながら、自分の空想の鎌倉を
    ゆらゆらと漂うように物語の風景が浮かびつつ
    その情景と細かく書かれた季節ごとの描写に
    実際の季節を置いて、ココロの中でいろんな季節を
    巡っては、時には懐かしい自分の中の思い出の風景や
    情景と重なって、ノスタルジックで楽しい時間を過ごせました。


    ビブリア古書堂に生まれたふんわりとした輪のそれぞれの行先と
    これからどんな本にまつわるお話が出てくるのか、続きが楽しみ!

    • kwosaさん
      山本 あやさん

      はじめまして。
      遅ればせながら、たくさんの花丸をありがとうございます。

      「鎌倉の古書堂」本当に魅力的ですよね。
      「最後か...
      山本 あやさん

      はじめまして。
      遅ればせながら、たくさんの花丸をありがとうございます。

      「鎌倉の古書堂」本当に魅力的ですよね。
      「最後から二番目の恋」も大好きなドラマでした。

      山本 あやさんをフォローさせてください。
      もしよろしければ、これからも仲良くしてください。
      2013/01/23
    • 山本 あやさん
      [♥óܫò]∠♡kwosaさん

      kwosaさん、はじめまして[*Ü*]

      鎌倉が舞台ってほんとにステキで、文章で読んで想像してるだけでも
      ...
      [♥óܫò]∠♡kwosaさん

      kwosaさん、はじめまして[*Ü*]

      鎌倉が舞台ってほんとにステキで、文章で読んで想像してるだけでも
      ほんとにうっとりですよね~。

      遊びに来てくださって、コメントやフォローまでしてくださり
      ほんとうにありがとうございます[*Ü*]
      こちらこそ、これからよろしくお願いします♡
      2013/01/23
  • 色々古書にかかわる謎を店主が解き明かす物語。

    本を読みたくても読めないのは辛いですよね…。
    栞子さん頭良すぎです笑 コミュ障だけど。

  • 連作短編になっていて、読みやすい。
    この本に出てくる古書が、読みたくなった。

    • なめこさん
      はじめまして、突然のコメントすみません。。
      私も巻を追うごとに
      作中に出てくる本
      読みたくなりましたよ!

      まだ今の巻まで追いついてないです...
      はじめまして、突然のコメントすみません。。
      私も巻を追うごとに
      作中に出てくる本
      読みたくなりましたよ!

      まだ今の巻まで追いついてないですが
      2人の関係も気になるところです!読むのが楽しみです!
      2024/02/01
  • 5巻まであるけど、他の本が忙しく、1巻しか読めていない…。でも面白い。

    推理小説?ミステリ?
    苦手でもこれはゆるやかで好き。

著者プロフィール

『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズが累計700万部を超えるベストセラーとなる。同シリーズで、文庫作品初の『本屋大賞』候補、『本の雑誌』が選ぶ「この40年の書籍 第1位」に選ばれるなど、幅広い層からの支持を集める。

「2022年 『ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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