ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)

著者 :
制作 : 越島 はぐ 
  • アスキーメディアワークス
3.78
  • (1768)
  • (3699)
  • (2757)
  • (381)
  • (50)
本棚登録 : 20720
レビュー : 3133
  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048704694

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ずいぶん以前から話題になっていたようだけれど、ようやく読了。正直なところ、マンガの原作かな?と思わせる表紙のせいだったのか、今まで手に取ることもなかった。
    なんとなく見始めたドラマの方が先行する結果となり、それが思いの外おもしろくて、図書館で借りてきたというわけ。
    私の周りの読書仲間さんは、キャストがかなり納得いかない様子で、「とにかく読んでみて!」とのことだった。

    北鎌倉で古本屋「ビブリア古書堂」を営む栞子さん。
    人見知りが激しく、人と親しくなるにはだい分時間がかかりそうだが、本のこととなると人が変わったように生き生きと語りだす。
    事件現場に駆けつける訳でなく、状況や経緯を聴くことで解決への糸口を見つけ、絡まっていた糸をほぐすように、事の次第を明らかにしていく。
    最初に事件を持ち込んだ大輔くんも栞子さんの店で働くようになり、大輔くんが仕入れた情報をもとに栞子さんが本にまつわる事件を解決する。


    おもしろかった。
    もっと早く読めばよかったなと少しばかり、損した気分。
    坂木司さんや近藤史恵さんのライトミステリーを彷彿させる。
    栞子さんの本に対する愛情が読書好きにはたまらない。
    その上、舞台は北鎌倉。
    かなり私のツボをついてきますね。


    4つの短編からなるが、2つ目の中年のホームレス・志田さんと高校生の奈緒のくだりはとてもいい。志田さんが『落穂ひろい』から引用する、

    「なにかの役に立つといふことを抜きにして僕たちがお互ひに必要とし合ふ間柄になれたなら、どんなにいいことだらう」(P154)

    は、素直になれず、とがった奈緒が本当は繊細な心を持て余し、自分でもどうふるまったらよいか分からず虚勢を張っているのを緩め、溶かしていくきっかけとなっている。
    この先もこの2人が登場してくれたら、いいな。


    また、4つ目の話の中で、栞子さんと理解しあえると感じ始めていた大輔くんがふとしたことから、信じることに疑問を感じ離れそうになるけれど、私には栞子さんが大輔くんを信じているからこそのふるまいなんじゃない?、と感じてた。
    そう、大輔くんに伝えたかったけれど、ムリなわけで・・。
    やきもきしているうちに、結局また2人はもとの状態に戻ってきていて、何やかやと心配したのに・・とまた、おせっかいな気持ちになっていました。
    あちこちに見守りたい関係があって、この先も大変気になります!

  • 幼少期に祖母の本棚に近づき、打たれた経験から、本を読めなくなった大輔。ひょんなことから、黒髪ロングの眼鏡美女 栞子が店長を務めるビブリア古書堂で働くことになり…

    夏目漱石「それから」や太宰治「晩年」、小山清「落穂拾ひ」…。栞子の並外れた推理力により解明される謎の数々。

    「自信モテ生キヨ 生キトシ生クルモノ
    スベテ コレ 罪ノ子ナレバ」
    太宰のこの言葉をどう解釈するか。

    国文学専攻のくせに純文学嫌いなのだが(エリートのぼっちゃんたちが周りをさんざん振り回した挙句自殺したり、当時の作家の生き方が気に入らない)、少しは読み返そうかな。

  • 予約数3桁だったけど、蔵書が多くてわりとすぐ順番が来ました。
    うんうん。
    本がテーマだったり、日常の謎だったり、人情系ミステリーだったり、
    最近よく見かけるなーって感じですが
    栞子さんのキャラがかわゆくて、古書っていうのが渋くていい。
    そして、こういう本に共通する感想として、
    ミステリーとしてはまぁまぁだけど、本にまつわるエピソードや人間ドラマが
    くすっとしたりほろりとしたりでおもしろい。

    登場人物もひとくせふたくせあるし、鎌倉の町や古書堂も独特の雰囲気があり
    個人的には、やっぱり連ドラ見なくてよかったな、と思いました。(笑)
    わたしのイメージで読めてよかったです。

  • すらすら読めてあっという間の読了でした。
    表紙の美人さんに釣られて手に取りましたが、内容も面白かったです。

    「本」をめぐる謎、ではなくその本を所有していた人たちの謎を解いていく。
    その謎と「本」が良い具合にリンクしていて、紹介されているわけではないのになぜか読んでみたくなります。
    また、体質のせいで本が読めない五浦さんと、本好きで話したくてたまらない栞子さんの、持ちつ持たれつな関係が良いですね。きゅんとします。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「持ちつ持たれつな関係」
      絶妙ですよね。
      皆さん思っているでしょうけど、ラストは読書苦手と人苦手が解消してメデタシの筈←先走り過ぎ?
      「持ちつ持たれつな関係」
      絶妙ですよね。
      皆さん思っているでしょうけど、ラストは読書苦手と人苦手が解消してメデタシの筈←先走り過ぎ?
      2013/04/08
    • きょうさん
      >nyancomaruさん
      こういう「持ちつ持たれつ」な関係がイイんでしょうね。
      大輔さんの読書苦手も徐々に解消しつつありますし
      もしかする...
      >nyancomaruさん
      こういう「持ちつ持たれつ」な関係がイイんでしょうね。
      大輔さんの読書苦手も徐々に解消しつつありますし
      もしかするとそういう終わり方、、、?
      また母親との関係も最後はどうなるのか気になるところであります。
      2013/04/10
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「また母親との関係も」
      あっ未だ4巻読んでなかった(代りにコミックを読んで、う~ん。とってます)。。。
      「また母親との関係も」
      あっ未だ4巻読んでなかった(代りにコミックを読んで、う~ん。とってます)。。。
      2013/04/17
  •  鎌倉のひなびた(?)古書店・ビブリア古書堂を舞台にした、古書にまつわる短編ミステリ集。北村薫の「円紫師匠シリーズ」や米澤軽穂の「古典部シリーズ」のような、"人の死なないミステリ"で、読み口あっさりで楽しめました。

     章のタイトルが古書情報(著者名『書名』(出版社名)と文献紹介のルール通りで、大学のゼミのレジュメ制作を思い出しました(笑))で、それらの本のあらすじ・内容をうまく利用したお話に仕上がっています。少し前に田中啓文の「笑酔亭梅寿謎解噺シリーズ」を読んではいましたが、上方落語のネタを下敷きにしてトサカ頭の主人公と豪放磊落な師匠・梅寿のムチャクチャな登場人物たちのミステリだったので、受ける印象は180度違いました。(誤解の無いように申し添えておくと、どちらの作品もそれぞれ十分面白いです)

     幼い頃に祖母との間であった"ある出来事"をきっかけに、活字が読めなくなった主人公・大輔。そんな彼が、亡き祖母の蔵書を処分する際に、岩波新書版の夏目漱石全集に夏目漱石のサインがあることを発見。その真贋を確かめるためビブリア古書堂を訪れるところから話が展開しはじめます。献呈署名や古書店の値札に秘められた違和感から、祖母が残した謎に迫っていく第一話。オチが全然見えなかったので吸い込まれるように読みました。
     続く第二話は小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』と知らない本。50がらみのオッサンと女子校生の間に起きたメルヘンみたいなミステリです。せどりについては何となく知っていましたが、本書に出てくるのは古式ゆかしい(?)せどり屋さんで、私がブックオフで見かけたのは、105円コーナーを流しつつ気になった本があれば片っ端からスマホでAmazonの値をチェックする、そういう人でした。かくいう私も大学時代、恩師の教科書がブックオフで投げ売られているのを見つけ、専門書を高く買ってくれる古書店に持ち込んで利ざやを稼ぎ、帰りに友人とうどん食うて帰ったことがあるので偉そうなことは言えませんが…
     ヴィグノグラードフ クジミン『論理学入門』も青木文庫も私は存じませんでした。本の内容(論理学)の使い方はちょっと物足りないかも、ですが、古書の知識も「へぇ~」でしたし、何よりええ話だったのでオールオッケーです。
     そして最後が太宰治の『晩年』。袋とじの元祖みたいな本(こう言うと稀覯本の値打ちも台無しですが…)と、大輔自身にも関わる謎、そして身に迫る危険、とスリリングな展開でした。

     あとがきに、本書のモデルになった鎌倉の古書店はなく、想像を膨らませて書いたとありました。
     そう言えば、予備校の先生が「私は鎌倉出身ですが、鎌倉が嫌いです。あんな図書館も本屋もろくに無いところ…」と授業中にボヤいていたことを覚えています。私自身は鎌倉に行ったことが無いので、先生の言う「本が無い」というレベルがどの程度のものなのかはわかりませんが、何となく「こんなところで古書店やってても、まぁお客さんは来ないだろうなぁ~」とか勝手なことを思いながら読んでいました。まぁ、今はネット販売があるから、モノさえちゃんとしたものが仕入れられるのなら、そういう立地条件もある程度は緩和される方向にあるのかもしれませんが。

     栞子さんについては、美人だしスレンダーだし巨乳だしで外見的には言うこと無しですが、実際に会うと、あの『おおきく振りかぶって』の三橋君レベルのきょどりっぷり*にイラッとくるだろうなぁ…(じゃあドラマで栞子さんを演じてるあの人が良いかと言われると、それはまた別の話…)。
     それに、ここだけの話ですが、私の周囲を思い返したとき、本の話や蘊蓄になるとスイッチが入って堰を切ったように語り出す女性って、どちらかというとビジュアル的には栞子さんの対極にいるような方しか思い浮かびません。信長・秀吉・家康が名古屋から美人を連れ出したせいで…という俗説がありますが、もしかすると源頼朝が幕府を開いたときにヲタ系美女を鎌倉にかき集めたというような事実があるのでしょうか。…今度網野善彦先生の著作を読み返してみます。

    *きょどる…挙動不審っぷりを全開にすること。具体的には目を泳がせながら故・大平正芳首相のような「あー、うー、うー」と言うとそれらしくなる。一部の若者が用いる造語と思われる。

     えらい方向に話がずれていきましたが、軽く読めて楽しめるオススメミステリです。

  • けっこう長いこと積んであったんだけど
    取り敢えずドラマが始まる前に、と思って急いで読んでみた。

    先ずは栞子さんの洞察力の深さに感服。
    というか本に関してだけの桁外れの洞察力発動は天才といえるレベルだろう。
    『ガラスの仮面』でいう北島マヤ的な(笑)。
    そして本のために人を殺めかねない執着心を持った人間がいることに
    恐ろしさと薄ら寒さを感じた。

    話の中に絡んでくる本のチョイスを見る限り
    相当な本好きの作者なんだろうと思う。
    本好きは往々にして
    本を読まない(読めない)人の気持ちが理解しにくい場合が多いが
    この話の中では偏執的といえる本好きが登場する一方で
    本を読めない人の心情もきちんと汲み取られてるところに好感を持てた。

    この本がヒットしたことで、もっと本読みの人口が増えてくれたらいいな、と思う。
    そしたらブクログのレビューも更に書き甲斐があるってもので。

  • ★4.0
    普段は極端に人見知りが激しいものの、慈しむように本を扱い、本に関しては饒舌な栞子さんが魅力的。そして、「人の手から手へ渡った本そのものに物語があると思う」という栞子さんの考え方が印象的で、ついつい手元の本が辿った歴史に思いを馳せてしまう。推理小説としては可愛さ半分ヘビーさ半分といった感じだけれど、登場人物が個性的でとても楽しかった。ただ、「第四話 太宰治『晩年』」の種明かしは、五浦さんに分かったくらいなので彼も気付いているのでは?と冷や冷やする。それにしても、読みたい本がまた増えてしまった…!

  • 鎌倉の古書堂での本にまつわるミステリーなんて
    大好きが詰まりすぎてて、設定だけでもうっとりだったけど
    夏目漱石や太宰治など、物語、作家、そして本自体への
    愛情の詰まったお話ですごくおもしろく、また新しい興味も
    湧いてくるステキな1冊でした[*Ü*]

    「最後から二番目の恋」に出てくるのも鎌倉だったので
    あの雰囲気に想いを馳せながら、自分の空想の鎌倉を
    ゆらゆらと漂うように物語の風景が浮かびつつ
    その情景と細かく書かれた季節ごとの描写に
    実際の季節を置いて、ココロの中でいろんな季節を
    巡っては、時には懐かしい自分の中の思い出の風景や
    情景と重なって、ノスタルジックで楽しい時間を過ごせました。


    ビブリア古書堂に生まれたふんわりとした輪のそれぞれの行先と
    これからどんな本にまつわるお話が出てくるのか、続きが楽しみ!

    • kwosaさん
      山本 あやさん

      はじめまして。
      遅ればせながら、たくさんの花丸をありがとうございます。

      「鎌倉の古書堂」本当に魅力的ですよね。
      「最後か...
      山本 あやさん

      はじめまして。
      遅ればせながら、たくさんの花丸をありがとうございます。

      「鎌倉の古書堂」本当に魅力的ですよね。
      「最後から二番目の恋」も大好きなドラマでした。

      山本 あやさんをフォローさせてください。
      もしよろしければ、これからも仲良くしてください。
      2013/01/23
    • 山本 あやさん
      [♥óܫò]∠♡kwosaさん

      kwosaさん、はじめまして[*Ü*]

      鎌倉が舞台ってほんとにステキで、文章で読んで想像してるだけでも
      ...
      [♥óܫò]∠♡kwosaさん

      kwosaさん、はじめまして[*Ü*]

      鎌倉が舞台ってほんとにステキで、文章で読んで想像してるだけでも
      ほんとにうっとりですよね~。

      遊びに来てくださって、コメントやフォローまでしてくださり
      ほんとうにありがとうございます[*Ü*]
      こちらこそ、これからよろしくお願いします♡
      2013/01/23
  • ラノベのわりに、まともな文章を書く。いや、はっきり言おう。いい文章だった。どうせラノベだしな、と思っていたことを反省したい。
    なにより、伏線の書き方が上手い。各話が独立しているように見せかけて、すべてが繋がっている。そして最終的にすべての伏線が回収されている。
    本に対する愛も伝わってくる。栞子さんも大庭葉蔵も人としては間違ったかもしれないけれど、本好きとしては理解できる。本を読まない人には分からない、この、愛。
    作中に出て来る本も読んでみたくなった。

  • 本書はTVで放送されましたし視聴もしているので、復習のつもりで読みました。
     勿論、僕も本が好きなので、古書の薀蓄は楽しめました。
    一応、推理小説の分類なんでしょうかね・・・どちらかと言うと、推理よりも恋愛系の要素が印象的でした。その点が、この小説が人気の要因だと思います。

     楽しく読ませていただきました。引続き、第二巻も読みます。

著者プロフィール

1971年、神奈川県横浜市生まれ。 武蔵大学人文学部社会学科卒業。中古レコード店、古書店勤務を経て、『ダーク・バイオレッツ』で2002年デビュー。2011年に発表した古書ミステリー『ビブリア古書堂の事件手帖』が人気作になる。同作は2012年に本屋大賞にノミネート。2012年、「足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房)」(『ビブリア古書堂の事件手帖2』に収録)で第65回(平成24年度)日本推理作家協会賞短編部門にノミネート。2014年3月14日、『ビブリア古書堂の事件手帖4』(メディアワークス文庫)で第67回(平成26年度)日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門にノミネート。

ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)のその他の作品

三上延の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
有川 浩
米澤 穂信
有川 浩
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする