プチ・プロフェスール

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048742429

感想・レビュー・書評

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  • 留学するための資金をためるために始めたアルバイトは
    家庭教師『兼』チャイルドシッター。
    科学大好きっ子な少女に付き合わされつつ、今日も今日とて
    妙な事件に首を突っ込む羽目に。

    資金を集め始めた所から、留学先へ行くまでの連続短編。
    その間に、人に関わり、少しずつ変化していく生活。
    一番おや? と思ったのは、運転手、でしょうか?
    いつの間に、というのもありますが、どこでそうなった!? みたいな。
    最後には、どうしてそれほどまでに時間を守るのか、も分かりましたし。
    父親としての行動は、貰った人間としての行動は。
    優しい感情というよりは、柔らかな感情、という気がしました。

    しかしこの話…科学が心底嫌いです、という人には
    ちょっときついかも知れません。
    そうなのか、程度に思って読む分には大丈夫かと。

  • (No.12-17) ミステリです。

    『貧乏大学院生の仁科律に、伝統ある海外の研究所に一年間の留学というチャンスがめぐってきた。しかし寮費などの自己負担金百万円が必要。悩んでいた彼女にアルバイト先の塾の塾長が、生徒の馬渕理緒の親が家庭教師件チャイルドシッターを頼みたいといっていると仲介してくれた。金持ちの馬渕家は高額の料金を提示。律は引き受けることにした。
    仕事で海外に出かけたままの両親と会えないまま、始めた家庭教師。理緒は確かに少し変わった子。律に愛読書「不思議の国のトムキンス」を見せてくれた。それを見た律は懐かしさでいっぱいになる。これ、私も持ってる。
    人付き合いが苦手な律は、物理や化学を仲立ちにして理緒と心を通わせるようになる。
    律に憧れ尊敬する理緒は身の回りで起こった不思議な事件を一緒に解決しようと持ちかけた。』

    連作ミステリですが、全体でひとつの物語になっていました。
    章ごとの謎解きは、「わたしたち、リケジョですから!」と宣言する理緒に引っ張られた律がカガク的に解決するというパターンです。
    私は四番目の謎「虹のソノリティ」が気に入りました。共感覚と視覚が扱われていて、これは私が好きな分野なの。ただ小説なのであまり詳しく説明してなくて、今までそういうことを知らなかった人だと、え~そんなことあるの?で終わっちゃうかも。あるんですよ、ほんとに。

    最後の章でそれまで何か不自然だと感じていたことが、ああだからだったのね~と奇麗にまとまって、とても気持ちよく読み終われました。
    ずっと(一応)科学的な謎解きだったのに最後に科学的じゃないかもしれない話になり、偶然といえばそれで済ますことも出来るけれど、でももしそうじゃなければもっと素敵だなあと思いました。

    前半を読んでいたときは評価は3くらいだなと思っていましたが、ラストでもう一段階アップしました。なかなか面白かったです。

  • たまたま書店で見かけ、楽しそうな表紙と、「理系女子(リケジョ)大学院生とリケジョにあこがれる小学生コンビの連作」という内容に興味をもって、読む。
    高1で理系からは遠く離れたけれど、この連作は楽しく読めた。最終話も良かったが、中学の時少しだけBCLやらアマチュア無線をかじった自分には、ミニFM局やらラジオの制作で基盤のはんだごてなどの話が出てくる第2話も楽しかった。
    シリーズ化しないかなあ。

  • これは良いリケジョ本
    表紙が可愛いのもいいね

  • 発売当時本屋で見かけたものの、「リケジョかあ」と敬遠していました。
    再びめぐり合ったので縁だと思って読むことにしたんですが、最初はちょっと読むのがしんどかったです。
    いきなり「リケジョだよ?!」って当たり前のように言われて何かの話の続きのように始まったので、知らない所ですでに進行していた話なのかと思いました。
    読み進めるにだんだん面白さが増してきて、「科学って面白いな」と思うようになります。
    名称だけは聞きかじったことのあるさまざまな事象が、きちんと説明されていて、しかも小説なので非常にわかりやすく書かれています。

    「お台場アイランドベイビー」とはまた違った趣がありますが、取り扱っている現象が非常に興味深いものが多くて、大変楽しんで読むことができました。

  • 全体的にかわいらしいお話でした。小4メガネっ娘リケジョの女子力がけっこう高くて、このまま大人になって欲しいものです…

  • リケジョにキュンとくる

  • 身の回りで起こる事件を論理物理学を学ぶリケジョ(理系女子)の律(院生)と、律の家庭教師先で律に憧れる小さなリケジョ理緒(小学生)の二人が豊富な知識を使いクリティカルヒントとロジカルシンキングそしてリケジョの好奇心、探求心で次々謎を解いていきます。
    『この世に科学で説明できないものは無い』とすべてにおいて彼女たち二人は科学的接近でほのぼのと事件を解決していく連続小説です♪。
    そしてカガク的な接近は最後に意外な幸せな展開をみせてくれます・・・・読んでいてとても楽しくまた科学のお勉強になる物語でした。是非シリーズ化していただきたい読物です。

    読後感=こういうのをカガク的というんですネ・・・・
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  • 久々に爽やかで面白い推理物でした。 その後の話を続編で是非読んでみたいです。

  • 理系日常系ミステリ。
    私はきっぱりと文系ですが面白かったですよ。
    色々読み飛ばしましたが。

    知らないことを懇切丁寧に解説してくれる本はわりと好きです。
    まあ、読み終わると頭から抜け落ちるんですけどね。
    私が残念です。

    リケジョ(理系女子)という響きにイラッとするのが難点。

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著者プロフィール

1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。19年、『月まで三キロ』で第38回新田次郎文学賞を受賞。20年刊の『八月の銀の雪』が第164回直木三十五賞候補、第34回山本周五郎賞候補となり、2021年本屋大賞で6位に入賞する。近著に『オオルリ流星群』がある。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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