東京ダモイ

著者 :
  • 講談社
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感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062135603

感想・レビュー・書評

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  • 第52回江戸川乱歩賞受賞作

    戦後すぐのシベリア抑留時代の事件と現代で起きた事件が絡み合う。
    ミステリとしては、ちょっと喰い足りない部分が多いけど
    シベリア時代の話などは、かなり心に残った感じ

  • トリックはどうかと思うが、歴史には考えさせられた

  • 60年前のシベリア抑留と現代のミステリーをうまくかみ合わせてあり、特に抑留部分の描写は秀逸でした。

    ただ、ミステリーという点ではスピード感やドキドキ感、トリックも乏しかった。


    シベリア抑留を扱った小説は少ないので、読む前はかなり期待していたので、落差も少々。

    江戸川乱歩賞受賞作ですが、枚数制限に問題もあるとか??

  • 1947年。ソ連俘虜収容所(ラーゲリ)の一つで中尉の首切り死体が発見される。
    遺体は日本刀のような鋭利な刃物で切断されていたが、武装解除されているためラーゲリ内にそのような刃物があるはずがない。
    やがて謎を残したままそこのラーゲリの一団は帰郷(ダモイ)する。
    それから60年後の平成17年。
    自費出版を手がける薫風堂へ句集を出版したいという依頼があった。
    依頼者は高津耕介。ラーゲリでの生活とそこで読んだ俳句をまとめて出版したいというのだ。
    300万円もの自己資金のある契約をとるために向かわせられたのは、仕事にやりがいを見出せない槙野英治。
    あまり乗り気でなかった牧野だが、原稿を読むうちに高津に興味をひかれてゆく。
    ところが、ロシア人女性の殺人事件がおき、高津が姿を消してしまう。
    一体何が起きたのか?句集に隠された真実とは一体!?

    第52回江戸川乱歩賞受賞作品です。
    同時受賞の『三年坂~』よりも、こちらのほうが面白かったです。

    先の大戦に多少興味を持っているのでラーゲリ内の様子はとても興味深く読みました。
    これだけで十分満足。
    あとは槙野の仕事への姿勢や上司との関係の変化などは楽しめました。
    そして俳句に隠された謎を探る過程も面白かったです。
    残念だったのは60年前の事件の真相が「やっぱりね」だったこと。
    乱歩賞なんだけど、特に殺人事件がなくてもよかったんじゃ?

    なんて思いましたが、最後にわかるある殺人に関しては驚きました。
    あ、ときわ姫さん、遺体の隠蔽に使われた機械わかりましたよ~。
    なるほど!でした。確かに使えますね。。。
    バレた理由にもやられました。ここでこれがでてくるか!
    執念というか、なんとも彼の遺したものらしいと思いました。

    短歌や俳句についての解説を読む度に、日本人、とくに昔の人たちは言葉を大切にしていたのだということを感じます。
    たった17文字に込められた様々な思い。
    それらを感じることのできる感性を大切にしていきたいと思いました。

  • 江戸川乱歩賞(2006/52回)

  • ダモイの意味、シベリアでの現実を知った。ミステリーよりも俳句の良さを感じた。

  • 文書のテンポがよく読みやすい。自費出版原稿によるシベリア勾留体験と、現在の事件が交互に示される。シベリアでの想像を絶する体験記のリアル感とそこに散りばめられた伏線をきちんと納める納得の出来。さずが、江戸川乱歩賞と思ったが、巻末の審査員の評価やamazon等の評価は決して絶賛している人だけではないですね。なんでだろ。途中何回か鳥肌きましたし、ひさしぶりに重めの話を読んだので非常に満足です。

  • 残された俳句から真相を推理……こういうのってものすごく好きだなあ。掛詞の意味を考えたりとか、かなり趣き深い。俳句に隠された真の意味が分かったときには「そうか、そういう意味だったのか!」と叫びたい気分になりました。
    現代の事件のほうはちょっと地味な感もあるけれど、過去の事件の殺人トリックは面白いなあ。実行可能かどうかはともかくとして、絵的には好きですよ。

  • 推理の部分が少し弱いだけ

  • 句集を自費出版したいという老人の原稿から始まるミステリー。シベリア抑留者の壮絶な日々を垣間見る。シベリアでの体験は老人が書いた設定のため、描写が落ち着いていて読みやすかった。悲惨な話から逃げがちな自分にとっては、よき知る機会となった。江戸川乱歩賞受賞作。 2009/1/17 読了。

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著者プロフィール

鏑木 蓮(かぶらき・れん)
1961年京都府生まれ。広告代理店などを経て、92年にコピーライターとして独立する。2004年に短編ミステリー「黒い鶴」で第1回立教・池袋ふくろう文芸賞を、06年に『東京ダモイ』で第52回江戸川乱歩賞を受賞。『時限』『炎罪』と続く「片岡真子」シリーズや『思い出探偵』『ねじれた過去』『沈黙の詩』と続く「京都思い出探偵ファイル」シリーズ、『ながれたりげにながれたり』『山ねこ裁判』と続く「イーハトーブ探偵 賢治の推理手帳」シリーズ、『見えない轍』『見えない階』と続く「診療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ」シリーズの他、『白砂』『残心』『疑薬』『水葬』など著書多数。

「2022年 『見習医ワトソンの追究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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