- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062144759
感想・レビュー・書評
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こんなん2007年に出てたんですね…もう夏彦関連膨大すぎて追ってないけどさ…。参加者はあさのあつこ・西尾維新・原田眞人・牧野修・柳家喬太郎・フジワラヨウコウ・松笛あけみ・諸星大二郎とピンナップで石黒亜矢子・小畑健。以下なんとなく馴染みがある人だけ何故か呼び捨てなのはご了承下さい。
石黒さんは日本画妖怪っぽく描かれた京極堂。なんかそれっぽくてイイ(笑)。
小畑の榎木津絵は既に挿画として描かれたものなんだろうか。松笛あけみの漫画といい、エノさんはイラストにするとオッドアイなんですか…?
まさかあの能力がそんな素敵設定になってるなんて思いつかなかった…(薄笑)。
あさのあつこは本編の王道の流れをあさのあつこ風にすっきりさっくりまとめた感じ。なので薀蓄が似合わない(笑)。
西尾維新が案外原作の雰囲気を踏襲していて、且つ読みやすかった。「えっと堂島ってどこに出てきた人だっけ…」とかは思ったけど。
原田さんはアノ『映画・魍魎の匣』の監督だそうです。その映画の経緯みたいなものがメールとかメモとか脚本とかを中心に代理人が記述するというような体なんです。が。ぶっちゃけあの映画どうにも笑うしかなかったので…そして長い……すみません斜め読みっていうかほぼ飛ばしました…。
牧野さんは原作の雰囲気を残しながらも衝撃の設定とラストで面白かった!
喬太郎さんはやはり落語風。落語の語り調って本当にリズミカルだよなぁ。夏彦のリズムの根底は落語な気がするんだけども。そんで落語の導入から本編に入る鮮やかさってゾクゾクする。軽快さと洒落っ気満載です。
フジワラヨウコウって藤木稟の挿絵とかの藤原ヨウコウ氏とは違うんだろうか?これは殴り書き風だし、あっちは精緻すぎるのでよくわかんないんですが。どうなんだろう。
松笛あけみの漫画はしっかり少女漫画なのに、案外京極堂とかエノさんとかが強そう(笑)そして和寅が酷い(笑)。
諸星大二郎は普通に諸星大二郎漫画として面白い。
精神的に完全じゃないと夏彦作品は重すぎて読むの保留にしているんですが、これでちょっとリハビリできた気がする。
特に牧野さんのを読んで、改めて「関くんはどうしようもないダメ人間で鬱で死にたがってるのに読者としてそこまで引き摺られないのは何故か」とか思ったり。
関くんは鬱が本当にデフォルトで、本当に死にたいとか思っているのに、何かぽっかり穴が開いているというか、どこか淡々としてそれが自然だからなのかなと。
自然である、常態である、だから受け手は違和感を覚えない。だからこそそれをズルズル引き摺っていってくれる周りの人間がいる限り救われる。
基本的に「厭な小説」を書かせたら天下一品の夏彦作品だけれども、京極堂シリーズはその関くんへの救いが読者への救いにもなって助かってるんだなぁと。まぁ勝手な解釈なんですが妙に腑に落ちて、夏彦作品また読めそうだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作家が作家をトリビュートするのは難しいと思った一冊。また、切り口を変えたところで読者に受け入れられるとは限らないとも思った。違うフィールドで活躍している方のアプローチの方が面白い。喬太郎さんはさすが。これ生で聞いてみたいなあ。諸星さんの愛嬌ある妖怪たちがすてき。
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京極夏彦のエッセンスを他の作家が使うと
その作家の力量がよく分かりますね。
ただ単に京極風にトライしただけの作品になるか、
違う角度から見るパラレルワールドな京極堂になるか。
その点では
『朦朧記録』牧野修氏
『粗忽の死神』柳家喬太郎氏
この二作が秀逸だったと思います。
『朦朧記録』は原作ファンなら「そんなことしないでー!」って
言うぐらい登場人物を崩壊させています。ギリギリアウトですよコレ。
ここまでやってくれるとむしろ清々しいです。あぁ関君…
『粗忽の死神』の柳家喬太郎氏は噺家なので、
自身の落語畑に京極堂を植えた感じ。
テンポ良しオチ良し。これは原作者も喜びそうだなぁ。
他の作品は…まぁ前者だった、ってことで。残念。
これが畑違いの人達を多く集めたトリビュート本になっていれば、
もっと面白くなったと思います。 -
イラストあり、漫画あり、脚本?ありの京極堂トリビュート。
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作者によって字体まで変えてるのが凄い。トリビュートはタブーにもあっさり触れちゃうんだなぁ。
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諸星大二郎の『百鬼夜行イン』を収録
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西尾維新目的で読む。
意外に諸星がおもしろかった。 -
やっぱり京極堂は本家が良い!映画の出来ていく家庭は中々面白かったけど。
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本家に敵わないのは仕方ないですが、西尾維新、牧野修、柳家亨太郎など未読の作家さんの作品が面白かったです。西尾さんのは、独立した話のようであり完成度も高かったです。