決戦!関ヶ原

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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062192514

感想・レビュー・書評

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  • 関ヶ原の戦いについては、司馬遼太郎著『関ヶ原』で語りつくされたかと思うが、作家七人による競作ということで、手に取ってみた。
    それぞれが各一人の人物の視点に立ち、関ヶ原を描くユニークな企画で、興味を持って読み進めた。
    伊東潤×徳川家康は、関ヶ原は光秀と家康の合作とみる、異説ともいえるか。
    天野純希×織田有楽斎は、あまり主役とはなりえない有楽斎を取り上げ斬新さがあった。
    矢野隆×島津義弘は、池宮彰一郎著『島津奔る』と同じような視点か。
    冲方丁×小早川秀秋は、とかく優柔不断な日和見主義者とみなされる秀秋を、智謀を備えた先見者に描いており、こういう見方もあるのかと意外感を持った。
    この競作という企画、次は大坂城だそうで、楽しみである。

  • 面白かった。
    武将の位置づけや性格は、それぞれの話で異なってくる。
    作家ごとの解釈の違いが、面白かった。
    武将としての評価はイマイチの、織田有楽斎の身の処し方は、時にユーモラスで楽しい。
    可児才蔵と井伊直政の筋の通し方は、胸を打つ。
    裏切り者として描かれがちな小早川秀秋は、爽やかだった。

  • 関ヶ原の合戦の主要人物を各作家が書く競作。
    一般的な解釈と少し違う解釈がされていて面白い。
    小早川は聡明な人物として、三成はある思惑があって合戦に臨む。
    一つの物語として成立している。
    有楽斎だけが少し異質。
    大阪城も気になる。

  • 図書館より。ようやく。
    知らない作家さんが多いんだが、気になって。
    時間が作れず斜め読みになってしまったのが残念だが、関ヶ原の結末や関係武将の事が色々な方面から知ることが出来て面白かった。

  • 著名な7人の作家によって描かれる7人の武将の関ヶ原の合戦。
    それぞれの武将が自分の家のため、大将のため、大義のため、中には保身のため、たった一日の戦いに挑む。

    裏切り者と誹られる事が多い小早川秀秋も、描かれ方によってこんなに印象が違うのかと思った。
    臨場感抜群の一作

  • 秀吉没後の闇のなか、陰で蠢く策略の戦国の世。決戦の地"関ヶ原"に挑む七人の武将…掲げる個々の"義"が見事に綴られる♪。

  • 面白かった!
    7人の作家が関ヶ原に参戦する武将に成り代わり関ヶ原の戦いを語っている。
    歴史の流れとしてだけ捉えていた関ヶ原に肉付けがされた感じ。
    どの武将にもそれぞれの思いの関ヶ原があったのだろうと想像すると面白い。

  • 面白かったです!特に吉川永青さんの「笹を噛ませよ」が一番面白かったです。決戦!関ヶ原みたいな何人もの作者が共同して作った本は初めて読んだのでこれもまた面白かったです。決戦!関ヶ原2も続けて読みたいです。【小5】

  • ・人を致して 伊東潤
    ・笹を噛ませよ 吉川永青
    ・有楽斎の城 天野純希
    ・無為秀家 上田秀人
    ・丸に十文字 矢野隆
    ・真紅の米 冲方丁
    ・孤狼なり 葉室麟

    関ヶ原をテーマに7人の歴史小説作家によるアンソロジー。
    決戦!関ヶ原2もあります。
    それぞれの作家の色が出ていてどの作品も面白かった。
    特に好きなのは有楽斎の城、孤狼なりも気に入りました。

    歴史小説に興味があり読んだことのない作者がいる場合はお試しで読んでみるのもおすすめです。

    2022/10

  • 決戦!関ケ原。
    天下分け目の関ケ原の戦いを題材に、7名の作家さんが書いています。

    好きな話は織田有楽齋。武人と茶人の狭間で悩んでいた彼が、生き方を決意するまでの話。彼は「へうげもの」の印象が強いです。あちらは、洒落人として生き抜くことを関ケ原時点では決意しているわけですが、こちらはまだその境地に達していないですね。その揺れ具合が印象に残りましたね。

    島津義弘のもいいですねぇ。これは最後の一文。
    『丸に十文字の旗の下に集う侍たちによって徳川幕府が倒されるのは、この戦から二百六十七年後のことである。』が好きですね。
    「ドリフターズ」でも似たような意味合いのシーンがあったと思うなぁ。長年の因縁
    は興趣が尽きないですね。


    漫画の印象に引っ張られ過ぎかな。

著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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