- Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062202947
作品紹介・あらすじ
宮部みゆき「星に願いを」
飛浩隆「海の指」
木城ゆきと「霧界」
宮内悠介「アニマとエーファ」
円城塔「リアルタイムラジオ」
神林長平「あなたがわからない」
長谷敏司「震える犬」
大森望編集。全編書き下ろし!超豪華執筆陣が集結!!
SFの枠を超えたエンターテイメントアンソロジー。
感想・レビュー・書評
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飛浩隆さん『自生の夢』文庫版を読んで「霧界」も読みたくなり、本書を手に取りました。
どの短編も読みごたえがありました。
神林長平さん「あなたがわからない」、長谷敏司さん「震える犬」が特に好きです。
「震える犬」は、観察対象のチンパンジーと観察者である人類とが、ある状況下で重なっていきます。愛は知性か本能か?ヒトとチンパンジーの境界はどこか?と、読みながらゾクゾクしました。
そして飛浩隆さんの「海の指」は再度読んでも素晴らしかったです・・・。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最近のSFは分かりづらいようだ。
かつて読んだ小松左京氏のような正統的SFが懐かしい。
七人の作家のアンソロジーであるこの本は、途中で読むのをやめようかと思ったくらいだ。
それでも最後の「震える犬」は七作品の中で一番読みやすかった。 -
「きみが死んだら哀しい」とぼくは言う。「自分が死ぬことより、ずっと」
「だから」ときみは応える。「ヒトは花で飾るのよ、死者を」
(P.221) -
5:買ったの去年だけどようやく読めました……。長谷さんのが圧巻だったけど、好きなのはやっぱり円城さんかな。ところで、SF的ガジェットが二十年前のSFより断然「今風」で「ありそう」なのは時代が進んだからだよなあ……。
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宮部みゆきのみ読了。途中ドキドキしたけど収まるところに収まってホッとした。地に足のついた短編SFだった。
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SF。短編集。
飛浩隆「海の指」は既読のためスルー。好きな作品です。
円城塔「リアルタイムラジオ」もスルー。苦手な作家さんなので。
全体的に高水準の、完成度が高い作品揃い。☆3.5。
宮部みゆき「星に願いを」
あまりSFの印象がない作家。しかし上手い。SFホラー的な感じ。
木城ゆきと「霧界」
マンガ。飛浩隆「海の指」原案。「海の指」の設定プラス、小林泰三「海を見る人」の読後感という印象。良い。
宮内悠介「アニマとエーファ」
物語を紡ぐロボット。この設定が好き。
神林長平「あなたがわからない」
意識。共感能力。難しいが、結末の世界が反転する感覚が刺激的。
長谷敏司「震える犬」
中編。AR。チンパンジー。進化。チンパンジーの社会性の変化が非常に興味深い。 -
6編の短編と1編の漫画からなる作品集。
飛浩隆目当てで購入したのだが、他の作者の作品も充分に堪能することが出来た。
短編小説は、宮部みゆき「星に願いを」、飛浩隆「海の指」、宮内悠介「アニマとエーファ」、円城塔「リアルタイムラジオ」、神林長平「あなたがわからない」、長谷敏司「震える犬」、そして木城ゆきと「霧界」は飛浩隆の「海の指」を原作とした漫画となっている。
いつもなら衒学的であまり面白みを感じない(そんなに何冊も読んではいないけれど) 円城塔の作品も面白かったし、飛浩隆も相変わらずグロテスクで壮大なスケールの作品だった。
神林長平の作品は、読み始めは「なんか一番つまらないなぁ」と思えたのに、読み終ると「一番面白かったなぁ」に変わっていた。
実は初めて読む作者だったので、色々と調べてみたら、なんと生まれた月日が一緒だった(彼の方が年上)。
長谷敏司の作品は「五十枚を目安に書いてください」という依頼に対し百八十枚越えの中編となっており、人類の発祥の謎とチンパンジーのフィールドでの実験過程がオーバーラップしていく様は、ベタだと思われる人もいるかも知れないが、僕にはとてもスリリングで妙に納得できる内容でもあった。
宮部みゆきも(彼女の最高傑作ではないとしても)いい意味で安心して読めるし、宮内悠介の、小説を書く人形を軸に人間世界の縮図を描いたような作品もグっとくるものがあった。
木城ゆきとの漫画も、飛浩隆を原作としてはいるが、内容は全くのオリジナルと言っても過言ではないと思う。
いずれの作品もSFというジャンルを意識することなく、面白く読み進めることが出来た。 -
SFアンソロジー。
宮部みゆき『星に願いを』、神林長平『あなたがわからない』、長谷敏司『震える犬』がよかった。
自分には難しすぎる作品もありました。