贋作師 (講談社文庫 し 46-1)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062631440

感想・レビュー・書評

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  • この方の作品は何作か積んであり、今作が初の篠田作品。
    絵画の裏方、修復師の女性が主人公の話。
    絵画の知識に乏しく、修復師が何をする人なのかも良く知らなかったけれど、物凄くのめり込んで読んでしまった。
    私は絵心がなく、細かな作業も苦手。
    なので正反対の主人公の行動を読んでいるのが面白かった。

    篠田節子、好きな作家さんになりそうです。

  • やはり濃密な空気の漂う1冊である。絵画修復という職人になったヒロイン。今は亡きはかつての「恋人」の足跡を追って、美術界の大御所の遺作を手掛けるようになる。謎の森に読者は誘われる。

  • 迫力はある。珍しい題材をミステリー仕立てで興味深く読ませてしまう。ただ、人間のドロッとした部分が気味悪い。

  • 上手くねられたプロットが光るミステリー。篠田節子さんは安心感のある作家の一人。

  • 2015.4.2(木)¥180+税。(-2割引き)
    2015.5.14(木)。

  • 個人的に「篠田節子」への期待値は高いので、
    これはスケールが小さいし、悪い意味で通俗~。
    北森鴻と桐野夏生の村野ミロものをごった煮にした印象。
     
    主人公をサポートする彫刻家が狂言回しだし、
    ゲイって設定も「ここ、色恋入りませんから」って
    それぞれの言動や心情の描写でわからせるべきところを設定に説明させて済ませてる感じ・・・

    弟子が画家の妻に病の進行をものとせずのめり込んでいくさまは壮絶で、これを軸にした話にしたほうがずっといい作品になると思う。

  • マエストロ(変身)が、バイオリンの贋作の話だったのに対して、
    贋作師は、巨匠の絵の下請け(代作)の話。

    修復の依頼を受けたのは、代作をしていた人の学生時代の同級生。

    関係者の死の原因調査から、芸術村の壮大な構想の裏側まで、
    推理小説風な恐怖小説。

    社会的な問題に対する姿勢が厳しいところが篠田節子風なのだろうか。
    依頼に忠実な修復師の真摯な態度が篠田節子風なのだろうか。

  • 前作に引き続きこちらも文庫で再読しました。久しぶりなので結構忘れていましたね。でも、印象としては初読の時と変わりはなかったです。
    感想としては、何だか二時間ドラマの原作のようだなと思いました。終盤のアクションシーン(?)の様な場面なんかは、その傾向が特に・・・
    この作品に関しては、ミステリ仕立てのサスペンスよりも、もう少し違った形の方が良かったような、そんな気がしたんですが。

  • 贋作師という「裏方」。
    決して世に出ない「役割」の人間。
    なぜ贋作師としての道を選んだのか?
    「創造性」「芸術性」のなさを自覚する。

    師匠のものを真似て、
    書いたという「方法論。」の踏襲。
    「スライドを絵にしていく手法。」
    本当に魂のある絵になるんだろうか?

    こういうのを贋作というのだろうか?
    しかし、贋作師というのは、著名なヒトの絵を
    描くヒトで、さしずめ「ゴーストライター」
    ということになるんでしょうね。

    「風景画」ということ。
    と、人間の中に深く入っていく画家。
    「宗教画」に到達していく心境が大切。

    「可能性が、どこにでもありそうなんだけど
    全部ふさがれている、何をやったらいいのか
    わからないみたいな状況」篠田節子。

    そんな人間がどのような行動をつくりだしていくのか?
    自分であるということへの自信。

  • 絵画×ミステリーが好きみたい。絵画から謎を読みとり、その絵の背景のジメジメドロドロした感情にぞわぞわ浸るのが心地よかった。後半土曜ワイド劇場?って感じになったのがちょっと残念。ゲイの彫刻家才一さんが魅力的で実写なら誰がいいかなーと想像したりした。

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

篠田節子の作品

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