痾 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062639705

感想・レビュー・書評

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  • 「夏と冬」続編です。
    これを読めば、「夏と冬」がさらに楽しめる。
    「夏と冬」で投げられてた伏線のいくつかは、ある程度明らかにしてくれてます。「夏と冬」読んだなら必ず読むべき書です。

    とはいえ、『痾』は「夏と冬」とはかなり切り離されている物語でもあります。
    何せ、烏有は和音島の記憶をなくしているので。
    より日常的であり、よりロジカルな作品となっています。

    また、麻耶ファンからしたら、オールスター感謝祭ばりに豪華な人物達が出ています。
    木更津と香月とメルカトルと美袋(名前だけ笑)と烏有と桐璃なんて。。。
    会話だけでおもしろいに決まってます。

    「夏と冬」の後日談であり、「翼ある闇」の前日談として、「番外編」感はありますが、とても楽しめた作品でした。

    烏有と桐璃と木更津と香月の続編を、読みたいです。

  • 終盤の烏有の救われなさに絶句。タイトルの意味を知って見事にはまってるなと恐ろしくなった。法月さんの解説が非常に解りやすくて面白かった。

  • この人の作品は色々期待しないように読んでいるのに、ついつい引っ張られて結局壁に投げるも、また拾って来て読んでしまうなあ。

  • 十年ぶりに再読。

    前作「夏と冬の奏鳴曲」の後日談となる作品。
    この作品と夏冬の矛盾から、真実が見えるかも…?

    メルカトルシリーズの三作目、烏有さんが主人公の二作目ですが、
    シリーズ探偵のメルカトル鮎がこれまでになくよくしゃべるというか、烏有の物語にかなり深くかかわってくるので、その内面に関しても少しだけ理解が深まります。
    能を見に行く場面などは、この作品だけでなく、麻耶雄嵩の小説全般をより楽しむための手助けともなりそうです。

  • 和音島から帰ってきた烏有は記憶喪失者となり、放火魔になった。
    衝動に任せて燃やした神社から出てくる身に覚えのない死体。届く脅迫状。フラッシュバックする和音島での出来事。
    自分の無力を嘆き傷付き続ける烏有は何者にも成れないままか。

  • 『夏と冬の奏鳴曲』の続編と位置づけられている本作ですが、それを補完する内容ではありません。
    まあ、そこが麻耶雄嵩らしいのですが…

    インパクトは前二作ほどではないにしても、テンポよく進むのでとても読みやすいです。
    ただ、烏有が犯行に至る経緯が弱い、というか現実味があまり感じられないのが難点か…

    本作は『夏と冬の奏鳴曲』の回答編ではないにしても読むことで見え易くなる部分もあるので、夏冬を読んだのなら読むべきかと

  • ミステリとしてはどうかと思うが、幻想文学として読んでしまえば、この鬱陶しさは少しクセになる。
    ただ新本格ミステリの意味がわからない。

  • 夏と冬の~の続編ということで、読んでみる。
    続編、、、?
    まぁ、登場人物の名前とか、設定は確かに。
    でも内容は全然続編じゃないような。
    なんか、ぼんやりしてる、という印象。
    そこがいい・・・のかな?

  • 「夏と冬のソナタ」の続編らしいのだが、図書館にないので未読。
    こじれた病気のことを痾というらしい。へーへーへー
    バナナの皮で滑って部分的に記憶喪失に陥った鳥有(うゆう)。21歳大学中退の会社員。なぜか鳥有は神社に放火しはじめる。彼がしてるのは放火だけなのだが、何故か死体があり、放火殺人事件となる。
    自分の彼女だといいはる女子高生の桐璃(とうり)と、なんとなくつきあい。しかし、画学生のわぴ子にも毎週会い。
    変な名前多い。 覚えやすいけどね。
    木更津やメルカトルも登場。 銘探偵メルカトルは鳥有を自分の後継者にしたいと思っていたようだ。その才能があると。
    メルカトルのワトソン役の美袋くん?の名前だけ出てくる。
    こういうすりこみ、サブリミナルだっけ。トリックはそんな感じ。
    時系列的には、この事件の後に「翼ある闇」。で、ちょいとネタバレされちゃう。
    あんまり、後味よくないね。それが特徴なのかな。
    猫好きは読まない方がいいかも。 たいもん、蹴ったりはられたりだから。

  • 猫の虐待、ダメ、絶対!!事件の根幹となる謎とその真相にどうも納得がいかなかった。ネタ的には「バナナの皮」「その夜、"桐璃"と寝た」「もう慣れたのだ」「結婚しました」など迷言の多い一冊。烏有さんのその後が知りたいあなたに。とにかく猫の虐待ダメ絶対!!

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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