痾 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 686
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062639705

感想・レビュー・書評

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  • ただただ烏有に引いてた。烏有が部屋に帰るたび、いつかたいもんを殺すんじゃないのかとヒヤヒヤしながら読んでいた。
    木更津と香月が登場したことがとても楽しかった。あとメルカトル鮎も面白い。

  • 夏と冬の奏鳴曲の続編というか後日談というか如月烏有というか、如月烏有の虚無。もう何もかも虚無。彼は、如月烏有として、幸せになんてなれないんじゃないだろうか。そして、夏と冬以上に、理解しようとするな感じろ、という気持ちになる。なんか、なんか、もう、本当に……。
    和音プロジェクトが闇深すぎて、ぞっとする。烏有ととうりの他に、何人のヌルと和音がストックされていたんだろうか……。
    とうりが出てくるたびに、救われなかったもう一人のとうりを思って切なくなってしまうよ。

  • 『翼ある闇』、特に『夏と冬の奏鳴曲』と深い繋がりがある作品。この2作を読まず、単品で読んでもあまり楽しめないだろう。

    本作に用いられているリテラアートによる操りというトリックは、正直特筆すべきものではないように感じる。
    もちろん驚きはするのだが、他の麻耶作品に見られる衝撃的なトリックと比較するとやはり劣る。

    だが、終盤の烏有の周囲の人物が一気に死んでいき、烏有と"桐璃"だけが取り残される展開は、夏冬ほどではないが強烈なカタルシスを感じさせる。
    今後どうなるのかは分からないが、メルカトルに、銘探偵になる存在だと告げられる烏有自身の物語とも言えるだろう。

    何だかんだでやっぱり麻耶作品は好み。
    〜〜〜
    編集長は、『秋と冬の奏鳴曲』のシナリオ(交通事故云々)に当てはまる人を候補(藤岡とか)として何人か選び、その中から最も合致した人物(烏有)を選んだ、っていうことだったのか...

  •  和音島の記憶を失った烏有は、無意識に連続放火事件を起こす。しかし焼跡では必ず他殺死体が発見される。混乱する烏有の元には脅迫状が送られてくる。
     『夏と冬の奏鳴曲』の続編、『翼ある闇』の前日譚となる作品。
     雰囲気でそれもありかと思わされるけれど、トリックというか仕掛けは、不確実すぎて、場当たり的。真犯人にはどっちでもよかったのかもしれないけれども。
     烏有の猫に対する仕打ちやとことん自己中心的な態度を見るにつけ、どんどん好感度が下がって(もともと低かったけど)くる。かなり癖のある作品だ。

  • 度肝を抜かれた「夏と冬の奏鳴曲」の続編。命懸けで桐璃ちゃんを守った烏有さんのお話ね、と読み始めると。

    いきなり記憶喪失かい。しかも烏有氏キャラ変わってないかい?

    桐璃も“桐璃“ってなんか別人っぽく描かれてるし、なんだかなぁ。
    新キャラの名前が「わぴ子」ってのもすげえな。もう脳内できんぎょが泳いでたわ(世代)


    ストーリー展開はまたもやなかなかすごいです。ぽんぽん人が死ぬ。サクッと。麻耶さんらしい(笑)




    以下ネタバレ

    わぴ子が男性やったのはびっくり。騙された。メルカトル鮎が烏有に解かせようとした殺人犯がまさかのわぴ子。伶子はフラグなんだ。結局一度も烏有と会わなかったもんな。
    宗教色強くて、動機も何もあったもんじゃないやん……ってなりつつ、まさかのメルカトル鮎死亡。
    え?メルカトル鮎って「翼ある闇」でも死んだよね?あれ?違う人?銘探偵はみんなメルカトル鮎って名乗るのか?

    最後サクサク人が死んで、結局また烏有と“桐璃”しか残らない……あ、赤児が増えるのか。
    なんかもうすげぇな、としか感想が出ない。


    でも続きが気になるので次も読みます……ある意味ハマってるやん。恐るべしメルカトル鮎。

  • 「夏と冬の奏鳴曲」の続編。
    烏有、お前はいつだって最低だ。

  • メルカトルは烏有に探偵の素質を見抜いた。夏と冬の奏鳴曲を読んだ後、木製の王子を読んだので、いまいちメルカトルと烏有の関係が分からなかったけど、なるほどそこまでメルカトルが目にかけてたとは。

    エピローグがエモいなあ。翼ある闇読み返してみようかな…!

  • 3

  • メルカトルってなに?麻耶雄嵩、やっぱり難しい。

  • 読む順番を間違えました。続編と知らずに読破。

    記憶喪失の主人公は夢遊病のごとく寺社に連続放火を繰り返す。
    しかし焼け跡から身に覚えのない死体が発見され…

    中盤までは謎めいていてかなり惹きつけられたが、後半のカルト的な展開にはややついていけず…
    前作の事件とのギャップ・主人公のキャラ変ぶりも見所なのかもしれないが、
    前作を知らないだけに、主人公と同じく記憶喪失状態になってしまった。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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