失敗学のすすめ (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062747592

感想・レビュー・書評

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  • 平成史ブックガイドから。当時は斬新で、未知の学問領域だったかもしれないけど、今となっては、当たり前の論考と思えてしまう。そういう意味では、途中で止めても良かったけど、最近積読がちょっと多いかな、と思って最後まで読了。これを時間の無駄遣いという、のか?さておき、では本書の存在意義がもはやないのかというと決してそうではなく、未だに失敗の隠蔽体質はそこかしこに蔓延しているし、何よりも、範となるべき国のトップが、率先して隠蔽に勤しんでいるんだから、その闇は限りなく深いと考えざるを得ない。読むべき人が読まず、知るべき人が知らない学問、ってことになるのかな。

  • 娘がどこかで一文を読んだらしい。
    「お母さんも読んでみたら〜」
    娘に本を勧められたことが嬉しすぎる。

    “失敗”を“失敗学”として考えることは、わたしの中に今までなかったなぁ。

    「小さな失敗を不用意に避けることは、将来起こりうる大きな失敗の準備をしていることだ」

    失敗をどう次にいかすか…学問として捉えた1冊。

  • すごく為になるし、面白いのでおすすめ
    理系・工学部系の人でないと読みにくいかも

  • 勝間さん推薦
    失敗との上手な付き合い方を教えてくれる

  • あまりおもしろくなかった。10年以上も前の本なので事例が古い。読んで「がんばろう」と前向きになれるものではなかった。

  •  失敗するのは誰でもいやなものです。自分の失敗を認めるのは、もっといやですね。しかし、同じ失敗を繰り返さないためにも、そしてもっと大きな失敗や事故を招かないためにも、失敗を共有するような、努力が必要なんですね。

     誰でも、人の成功を真似しようとします。そして、失敗は真似しないように気を付けます。でも、それだけでは足りないようです。なぜそんな失敗が起きたのか、どうすればその失敗を防ぐことができたのか、そこを明らかにして、共有することが大切です。言葉にすると当たり前のようですが、失敗をした本人が恥ずかしいという気持ちを持つと、これが意外に難しいのです。

     著者は、失敗は成長すると言います。P.87「新聞沙汰になるような事故やトラブルが、“ある日突然降って湧いたように現れた”などということは、そもそもありえません。(中略)むしろ“いままでよく事件・事故が起こらなかった”という率直な思いにぶつかるはずです。」日頃経験している小さな失敗をおろそかにしていると、いつか、大きな事故やトラブルに成長してしまうというわけです。そうならないためにも、失敗から学ぶ必要があります。

     失敗から学ぶための、いろいろな具体例が紹介されています。私が気になったのは、失敗を知識化するための六項目による記述のところです。失敗を記録するというのは、どうしても面倒な割には役に立たないという先入観がありますが、ここでは、著者流の効果的な記録方法を紹介しています。また、後半の方で、単に事例をたくさん集めるのではなく、典型的な例に集約してまとめる大切さにも触れられています。

     まだ読み終わったばかりで、頭の中がもやもやしていますが、久しぶりに仕事に生かせそうだなあと感じています。

  • 失敗と創造性:新しいものを創り上げるには、有意義な失敗を経験しなければならない。アイデアの種が結びついて出来上がる「いも設計」をブラッシュアップし、実用可能なものに仕上げるには、試行錯誤が必要である=>プロトタイプ思考
    アイデアの種を的確に結びつけるためには、失敗に基づく体験的知識が必要である=>思考のけもの道

    小さな失敗を経験し、大きな失敗が起こる前に「ガス抜き」をする。他人がした失敗から学ぶためには、あたかも自分がその失敗を起こしたかのようにシミュレーションを行うことが効率的である=>仮想失敗体験

    大きな失敗を起こさない組織作り:見えにくい失敗を顕在化させるシステムの有効性
    万が一失敗が発生したときの損失に、その発生確率を乗じて「潜在失敗」として数値化する。これにより、「失敗対策をしないと損」という意識を植え付ける。

    プロセスの全体を理解することの重要性:業務が細分化された組織では、失敗の予兆が潜在化しやすい。また、全体を理解している「ベテラン」は、メインルート以外のサブルートを熟知しているため、失敗が生じたときにも機転を利かすことができる=>Redundancyの確保

    システムの全体像を知らない者が、必要に迫られてシステムの一部を最適化しようとすると、システム全体のバランスが崩れてしまう=>局所最適・全体最悪

  • 失敗から学べ
    本当の知識は整理されていない。細部に神が宿る。
    体験がたくさん集まって太い流れになれば強いが、量が細ってくると、危ういものになる

  • 失敗は成功の母を科学するのが「失敗学」

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/detail?rgtn=B12789

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著者プロフィール

1941年東京生まれ。東京大学工学部機械工学科修士課程修了。東京大学名誉教授。工学博士。専門は失敗学、創造的設計論、知能化加工学、ナノ・マイクロ加工学。2001年より畑村創造工学研究所を主 宰。2002年にNPO法人「失敗学会」を、2007年に「危険学プロジェクト」を立ち上げる。著書に『図解 使える失敗学』(KADOKAWA)、『失敗学のすすめ』『創造学のすすめ』(講談社)『技術の創造と設計』(岩波書店)、『続・実際の設計』(日刊工業新聞社)『3現で学んだ危険学』(畑村創造工学研究所)など。

「2022年 『やらかした時にどうするか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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