- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062747592
感想・レビュー・書評
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畑村洋太郎さんというのは、東大の工学者さんで「失敗学」というやわらか一般向けの「考え方」を提示。そこから一般受けもして、その結果?、311福島原発事故の政府事故調委員長も担当した人。その人の、いちばん売れたのであろう一冊。
過去のいろいろな失敗、それも飛行機事故や鉄道事故などスキャンダラスなものを、専門的では無い、とても人間くさい失敗として位置づけて教訓を引き出す、というお話なのだけど、なかなか読ませるしおもしろかった。
(読み終わってから相当に経過してから書いているので、記憶が間違っているかも知れません)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
105円購入2012-03-13
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著者は東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会の委員長。
以下備忘録
・設計における失敗原因の分類
?無知
?不注意
?手順の不順守
?誤判断
?調査・検討の不足
?制約条件の変化
?企画不良
?価値観不良
?組織運営不良
?未知
・失敗情報は
伝わりにくく、時間が経つと減衰する
隠れたがる
単純化したがる
変わりたがる
神話化しやすい
・すべての技術、組織は、萌芽期・発展期・成熟期・減衰期を経てダメになる。
・局所最適と全体最悪 -
時間があれば
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『数に強くなる』を読み終えて、ふとカゴを見たら畑村洋太郎さんの本がこんな所に!
と、偶然に驚いた次第。
失敗学の「すすめ」というタイトルに、なんだか前向きさを感じて、良い。
失敗の質や、失敗を起こさないための方策が、結構具体的に述べられている。
でも、やはり失敗を隠さないということを繰り返し書いてある所は、日本のお国柄だなぁ。
「である」と「する」こと論ではないが、上に立つ者の在り方って大きいように思う。
更に、この本が出版された時よりもずっとネットありきの社会になり、失敗への匿名攻撃や、それこそ謝罪会見、倒産までの追及姿勢など、より隠したくなるような状況になっている。
これは最早、失敗の有無ではなくて、寛容性の問題だとは思うけど……。
勿論、リスクを考えて、炎上しないような危機管理対策を練ってはいるのだろうが、失敗はつきもの、という視点、必要では。
同じことの繰り返しをしていると、危険は分かっていながら緩慢になってしまう。
この部分は身につまされるわー。
いつも新たな気持ちで、って人間だから、同じようにはいかんよね。。。
学ぶこともあったけど、一番は失敗に対して前向きに捉えようと思えたのが良かった。 -
図解はよくわからん。三陸海岸の津波のはなしにどきっとする。
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上司に勧められて読んだ。
工学に関する内容が多く、身近に感じることができた。失敗から学ぶということは、当たり前のように言われているが、具体的に記されている点や、聞き手に興味をもたせる話し方など参考になった。 -
前半はそれなりに楽しく読めたが、後半はやや惰性的な内容だった。
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失敗を負と捉えるのではなく、原因や背景を探って次なる失敗を防ぐ資産と考える。前半は著者の経験や過去の事故を例にした話、後半はその知見を組織でどう活かすかの提言。客観記述よりも当事者の感想や主観が出ている記録のほうが人の記憶に残りやすい、活かされやすいというのは面白かった。「失敗してもいい、その代わり隠さない」という思想をどう広めるか。元が2000年の本で、2011年を知っている身としては原子力発電や津波の例が出ているのはちょっと複雑。危機を予言しているよう。
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丁寧だけど口説い。図説する割には大して複雑な情報でもなかったり、同じことを何度も何度も繰り返したり。機械学的アプローチや物理学的アプローチも食傷で途中から飽きる。失敗から何を学ぶのか、どのような失敗が次につながるのか、すごく大切なテーマだとは思うし、それについて考えることは有益なのだろうけど、一つの学問分野として失敗学と仰々しく御題目をつけるなら、もう少し幅広い考察が必要かと。失敗に対する分析のアプローチのベクトルが基本ずっと一緒だったような印象を受けた。