- Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062748704
感想・レビュー・書評
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意味のなさそうなことに意味を与えるのが青春。
乾いた時間をやり過ごすのも人生の大切なアクセントと思わせてくれる。
真実よりもその瞬間に価値があり風のように瞬く間に過ぎ去ってしまう儚いものが、そんな時間が自分にもあった気がする。
鼠と僕と4本指の女のドライな関係。
何となくオシャレでカラッとした一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み終わった後の爽やかさたるや。
一回読んだだけでは内容を咀嚼できなかった気がするが、「この作品は理解するものではなく、感じるものなのだ!」ということであれば、私は十分に青春の1ページを感じられたと思う。
時間をあけて、もう一度読みたい。 -
なんだろうかこの世界観。
なぜかすごく惹かれるものがあってすごく読んでると時間を忘れる、不思議な体験。
これが村上春樹ワールドというものなのだろうか。
翻訳されたかのような文章だと思って読んでいたところ、アメリカ小説に大きな影響を受けたのだということであった。納得である。
それから、あんなに色んな場面で登場したデレク・ハートフィールドは架空の人物らしい…
続編の1973年のピンボール、早く読まなければ。
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海ばかり見てると人に会いたくなるし、人ばかり見てると海を見たくなる。
P.147
あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。
僕たちはそんな風にして生きている。
何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、何も持ってないやつは永遠に何ももてないんじゃないんじゃないかと心配してる。みんな同じさ。だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。振りをするだけでもいい。 -
オシャンティー
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アルコールを飲んでいるような感覚が残る、ノスタルジーに浸る本。
言いたいことははっきりとは伝わらないけど、昔にこういう「喪失感」であったり、感傷に浸る経験が多くある人に、寄り添ってくれるような本。
“僕は・君たちが・好きだ。”
これはこの本を読んで感傷的になっている全ての人に向けられた言葉なのかな、と勝手に受け取った。
私もこの村上春樹の文体が好きです。 -
デレク・ハートフィールドというアメリカの作家、38歳でエンパイアステートビルの屋上から、傘をさして飛び降りてぺちゃんこになって死んだ男だが、ともあれ、彼の作品をまず読んでみればどうだろう。この小説の面白さにたどり着けるかもしれないし、1979年当時、20代の学生だったぼくたちの、静かな熱狂も理解していただけるかもしれない。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201910070000/ -
何回か読んでるけど、いつも内容をすっかり忘れてしまう。それで、短いからとタカをくくって読むと、うわわかんないってなってる。今回も、そう。飲みながら、ポテチ食べながら読んでたら、グッと入り込んでくらくらした。笑
ケネディ、4本指、ラジオ、いくつかの太字など
さまざまな「あれ?」という疑問が頭をかすめながらも
謎だらけをそのまま読み進めてもなんだか面白い。
デビュー作で原点だけど、いろいろ読んでから読むと、
大学時代の彼女の自殺や4本指のモチーフなど、
彼の中で書きたいことはそんなになくて、決まってるのかな・・・と思った。
謎を解くには日にちを推測すると良さそう。
いろんな人の考察ブログを読むのも楽しいです。 -
ピンボールとかこれとか初期の短編とかなんかヒリヒリしてるところがいいし読むたびに形がぐにゃぐにゃ変わって飽きない本