- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062930840
感想・レビュー・書評
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館シリーズ九作目。今回の舞台は奇面館。<もう一人の自分>をさがす当主による奇妙な集まり。参加者は館に伝わる"鍵のかかる仮面"で顔を隠さねばならない。関係者の大半が仮面を被らされ、素顔が見えない中、季節外れの大雪で孤立する奇面館で勃発する血みどろの惨劇。
ここに来て、クローズドサークル。これぞ、本格ミステリ。原点回帰したようなシチュエーションに気分が上がります。
上巻では奇妙な状況の説明と殺人事件。仮面で顔を隠された登場人物たち。疑心暗鬼。深まる謎。この後、どうなっちゃうんだろ〜ってところで下巻へ。
状況は一変。下巻では怒涛の推理パート。徐々に追い詰められる(?)犯人。そして訪れる衝撃の結末。満点とはいきませんが、満足度は高めです。エピローグには作者側の苦労が披露されるがとても興味深く、そしてその遊び心がまた愛おしい。
最後に。
本作の内容からは逸れますが、館シリーズもこれで九作目です。本作の刊行から10年の時が経ち、シリーズ最終作品である十作目に期待が高まりまくってます。みなさんも最終作品が発刊される前に、館シリーズの予習をしてみてはいかがでしょうか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
謎解きはちょっと入り組んで、何回か読み返してしまった。皆仮面をつけていて仮面の下の顔が分からない、という。しかしつけていなかったとしても、その人の過去とか何を考えているのか、なんてのは分からないのかも。
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奇面館で起きた惨劇。しかも招待客が仮面を被らされて素顔が見えない異様な状況。その混乱の中、鹿谷門実が不可思議な事件の真相を暴いていく。しかし、その仮面の下の真実はさらに奇妙なものだった。
雪山の山荘という古典的なロケーションで、鹿谷が大活躍するストーリーは軽やかでワクワクさせられた。館の不気味な要素はありつつも、ロジックを追うミステリに寄せている雰囲気。鹿谷の思考を追う瞳子の視点が自分にはしっくりきた。いろいろ違和感はあったけど、完全に騙されてしまったなあ。仮面とか切断とか、それを深読みし過ぎて合理的な解釈を読み落としてしまった感じ。先入観を打ち破る難しさと、その盲点を突いてくれる気持ちよさがあった。それにしても、真相を知った上で読み直すともはやギャグでは?というセリフもあって面白い。
こういうトリックをギリギリのラインで書くのが作家の技術なんだよね。まさに仮面を被ったままで物語を綴っていくようなものだと思う。まあ、そこ大切なのになんで語ってくれないんだよーと思わないでもない(笑) -
今回の作品は探偵役の鹿谷の視点なので比較的読みやすい。シリーズで1番ミステリの醍醐味が感じられる作品な気がする。爽快感があってとても素敵。
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ハラハラ感はさほどない。人が次々には死なず、鹿谷のひたすら推理劇で上下巻。存分にミステリを堪能できた。瞳子の何か言おうか言わまいか的なじらしがほどよかった!毎度エピローグを楽しみにしてるけど、今回は特に返しが無かったのがほんの少し残念。
夜な夜な連チャンで読んでると夢見がめちゃくちゃ悪い。だけど、やめられない!次は時計館へ -
はずれない仮面って息苦しい。。と、ずっと思いながら読んでいました。ニックネームの登場人物が覚えられそうになかったのでメモしながら読みましたが、最後の方でいろいろ崩壊しました。まあそれが醍醐味ですね。
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仮面を被せた理由、手指を切った理由
色々考えさられた結果1番単純な理由だったけど納得
そして集められた人の共通点を知ってビックリ -
最初簡単に思いつくストーリーからはだいぶ遠いところに真相があった…。
丁度現実で似たような(?)事件があったタイミングで読んでたから怖かった…笑
色々暗黒館からの流れを匂わせつつだったけど、あんまり関係なかった?
もしかしたら関係あったのかも??
最後もあと2展開くらいしそうだったけどそこで終わるかーーーって感じであれはあれで良い。
瞳子ちゃん好き。
チョイ役にはもったいないので再登場期待!