- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062930840
感想・レビュー・書評
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著者のあとがきにあったとおり
気楽に、軽やかに読めた館シリーズ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
仮面を被り素顔を見せない主人が一室で殺害されるが、関係者がそれに気付いた時には、大半の人間にも仮面が被せられ施錠。鍵がなければ脱げない状態になっていた。おまけに外は大雪で外に出ることもできず通信手段もない。
素顔の見えない関係者は「殺されたのは本当に主人なのか」。仮面を被っているのは、本当に事件が発覚する前と同じ人物なのか。それらの話し合いに入ったところで終わった本作「奇面館の殺人」上巻でした。
下巻は、いよいよ解決へ向かって行きます。
下巻に添えられた「あとがき」にもありますが、本作はパズルと言いますか、ロジック部分を丁寧に重ねているという印象がありました。主人の首と指がないことと仮面についてはもちろん、犯人がなぜそのような行動をとったのかということを探偵役は追求していきます。
そういった過程が私は好きなので、自分でもあれこれと考えつつ読み進め、楽しめたわけですが、その分、物語の展開が割と平坦なので人によっては退屈さを感じるかもしれません。
物語の舞台やシチュエーションは、サスペンスにもホラーにもなりそうなものなのに、正直なところそういった雰囲気を感じない。割と軽い雰囲気なんですね。ですので、緊張感を期待するなら物足りないと思います。そういう意味では私も物足りなかったです。
ただ、それでも楽しい作品だと思います。特に推理小説が好きな方にとっては論理を積み重ねる過程で知恵比べのような面白さがあるでしょう。私も読みながら、気になる部分が出て来た時は上巻へ戻りつつ読み進めました。でも、自分が思いつくものは、大抵すぐ先で反証されるんですよね。そんな過程もまた楽しい。
ネタを割ってしまうので、詳細は控えますけど、色々な意味で作中、仮面を被っている理由がありました。とはいえ、これに驚愕するかは人それぞれかな。私は笑ってしまいましたけど。
本作を含めた「館シリーズ」は、全十作となる予定だそうで、残すは後一つということになりました。建築家、中村青司について色々なことが明かされるのかな?探偵役の鹿谷門実はどんな事件、どんな館に出会うのでしょう?発表されるのはきっと随分先となるのでしょうが、今から大変楽しみです。その作品でも幻想小説でなくて、「推理小説」を読ませてほしいですね。 -
文庫版再読。
ミステリとしてのネタは一見シンプルなのに、ある意味異様な作品だなあやっぱり。こういう設定でしかあの特殊なシチュエーションはあり得ないし。
そして「未来の仮面」の妖しい魅力は何度読んでも変わらず。館の仕掛けも素晴らしく、世界観にどっぷり浸る幸せが味わえました。 -
じわりとくる老練なトリック
館シリーズの最新作。同シリーズの中にあっては、かなり地味な印象は受けたものの、回収される伏線の数々や、館の仕掛け、叙述トリックは、明快かつ爽快。著者の力が決して色あせてないことを確信した。最終作となる次回の館シリーズを気長に待つこととしよう。 -
今回は鹿谷さんがゆっくりと丁寧に謎解きしてくれたので、大体はすんなりと理解できたのですが、最後の一番のトリックは、すぐには理解できませんでした。ただ読み進めていくうちにじわじわと理解できて、なんていうか、心地がよかったです。じわじわも良いね。今回も面白かったです!
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面白くもあり、悲しくもあった
現行の館シリーズが終わってしまった
でも達成感もある
最終作品双子館の殺人を楽しみに待つことにする -
ついに明かされるトリック。そして犯人の動機とは、さらに犯人はどうやって犯行を成し遂げたのか、それら全てが明らかになる解決編です。
今回も非常に面白かったです。
しかしこれにて現在刊行中の館を読み終えてしまうことになるので、どこか寂しさすらも覚えました。
寂しさを感じるほどに館は崇高でした。
この奇面館でもそんな素晴らしいトリックや世界観を表していました。
ここまで来たら是非最後までお読みください。 -
上下3.2
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そんなに大勢いるのかよ?ってお話し