新装版 星降り山荘の殺人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 216
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062937016

感想・レビュー・書評

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  • 所々にこれは伏線っぽいなあと感じつつ、最後はまさかのどんでん返しでした。大好きなクローズドサークルもの。見取り図などある感じも好きでわくわくしながら読み進めました。クローズドサークルの緊迫した空気感が少し薄かったので星4つ。

  • 超王道ミステリー!
    とても読み応えがあって面白かったです!
    絶対ネタバレ厳禁です!


  • 星降り山荘の殺人
    倉知淳
    1997年~98年国内ミステリー賞を総なめにした叙述トリックの傑作を御紹介。王道のクローズドサークルミステリーでありながら、作者が読者に挑戦状をたたきつける形式(作者からの挑戦状と言うジャンル)の作品で、今作品はトリックを当てるというよりは犯人は誰ですか?がメインとなっています。周囲を積雪に囲まれた山荘を舞台としたクローズド・サークルを主眼とした本格派推理小説で、各章の冒頭に、「まず本編の主人公が登場する、当然主人公なので犯人ではない」「本章では探偵役が推理を行うがその推理は正しい」「本章の会食シーンの会話で重要な伏線が張られている」等作者がヒントを出してくれます(私は意外とそれが逆にイラっとする、ヒントいらんと思っちゃう)まさに作者からの挑戦状なのです。

    広告代理店で働く和夫は、芸能専門に転属、「スターウォッチャー」星園詩郎のマネージャー見習いを命じられる。星園は外国人モデル顔負けの容姿で若い女性の人気を博していた。さらに、シャーロック・ホームズのように、ひと目見ただけで和夫の習慣や以前の仕事などを推理して的中させる。キャンプ場のイメージキャラクターを依頼された星園とともに訪れた雪に囲まれた秩父の山荘には星園と和夫のほか、不動産開発会社社長の岩岸とその部下、岩岸の行きつけの店でアルバイトしている2人の女子大生、UFO研究家の嵯峨、若い女性に人気の小説家の草吹あかねとその秘書と一癖も二癖もありそうなメンバーが集まっており、大雪で脱出不可能となった山荘で次々と連続殺人事件が起こります。山荘には9人、読み進めて行くうちに数名が殺されてしかもヒントで「〇〇は犯人ではない」とか言うから容疑者が次々と居なくなって えっ犯人誰もおらんやん?ってなります。しかし兎にも角にもフェアで真っ向勝負な本作、ヒントに嘘は無く犯人は必ずいるのです。注)読者をだます事に重きを置いている為、前半説明や状況把握、人員紹介にページを割いており中々殺人が起きず序盤から中盤に掛けてはかなり退屈(私は何度ウトウトした事か)です。しかし後半怒涛の展開と驚愕の叙述トリックはあなたを必ずうならせる事でしょう。私は作者の思うつぼで完敗でしたが・・・果たしてあなたは作者からの挑戦状に打ち勝つ事が出来るか?

    星降り山荘の殺人
    貴方も雪深い山荘に旅行に行くならご用心

  • 騙されました!!とてもきれいに!おそらく作者の思い通りに。犯人も、えっあの人なのか…と思ってしまっていました(•ᴗ•; )

    おもしろかったです。どこかで見た「スターウォッチャー」が気になって。さらに雪国の話なので、と言われてぜひこの時季にと。

    いろんな作品に騙され続けた2022年、新年は騙されないぞぉって思ったけれど、思い切り騙されて振り回されるのも楽しいのかなぁーと思ったり*ˊᵕˋ*

  • 作者の思うように騙された。読みやすく面白かった。
    ただちょっとずるいかなー。麻子が探偵役なら、ワトソン役は杉下ではなくあかねなんじゃないか。でもワトソン役=語り手とあるので、ワトソン役は杉下。麻子と杉下が一緒に現場も調べないのに探偵役とワトソン役の組み合わせっていうのは、納得いかない。
    あと本筋に関係ないところで嵯峨島のカッコ良さを描くのはアツい。

  • 読んだことのない名作を読もうと思い立って読んでみましたが…
    実現可能性があるのが誰かという事のみでの犯人の絞り込み、結局動機が何だったのかは語られず。これが新本格と言われても、あまり納得できません。叙述トリックも好みのタイプではありませんでした。

  • え?っていう感想。
    名作っぽいと思って読んだので期待が高すぎた。
    実にくだらない内容だと思った。
    杉下が聞いた事件前夜の話し声は聞き間違い…
    そんなウンコみたいな説明に納得出来なかった。
    読者に推理させようと各章丁寧にヒント出してフェア感出しているくせに、登場人物の主観的事実を誤った重要情報とするなんて!
    提示した情報はそのままに堂々とトリック作って欲しかった。

    それ以外の色々な部分もチープすぎた。
    動機も弱いし、登場人物もイマイチ。
    星園の不自然な探偵ぶりが怪しくて途中からこいつ犯人っぽいなと思ってしまったし。

    唯一グッときたのが財野が酔っ払って鬱憤をぶちまけるシーン。そこくらいしか登場人物の人間くささが感じられなかった。

    クローズドサークルもののミステリーだろうけど物語としての魅力がなさすぎた。

  • 途中でおや?と思って、気になった章に戻ると、ああ、そうか、と気がついてしまう構成。気がついてしまうと、最後の大団円は物足りない。

  • 大どんでん返し小説を求めて読みました。結果としては面白いミステリーでした。途中に注釈の様なコメントが入るのですが、それが新鮮であるとともに、しっかりと伏線として機能していた事に気付かされました。
    個人的に十角館の殺人を超える大どんでん返し小説には出会えていませんが、この作品も記憶に残る名作です。

  • 雪山の山荘で見ず知らずの男女9人が集まった。スターウォッチャー、女性作家、UFO研究家と個性的なメンバーだ。そんな中1人が殺された。しかも吹雪によって麓との道は塞がれ、電波もつながらない。そして第二の被害者が・・・。

    本格ミステリらしい、興味の引かれるシチュエーション。特徴的なのは、各章の最初に注釈がついているところ。
    次に起こるシーンが分かるのはありがたいが、、まさかのトリック。
    面白かったです。
    ただ、動機とかちょっと弱い部分は致し方なしですかね。

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著者プロフィール

一九六二年静岡県生まれ。日本大学藝術学部卒。九三年「競作 五十円玉二十枚の謎」に応募し、若竹賞を受賞、九四年『日曜の夜は出たくない』で本格的に作家デビュー。二〇〇一年『壺中の天国』で第一回本格ミステリ大賞を受賞。著書に『星降り山荘の殺人』『片桐大三郎とXYZの悲劇』『皇帝と拳銃と』『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』『月下美人を待つ庭で猫丸先輩の妄言』などがある。

「2021年 『作家の人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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