- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062937016
感想・レビュー・書評
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【各章冒頭の注釈が丁寧かつ挑戦的に、そしてあくまでフェアに読者を欺く】
雪に鎖された山荘が舞台のクローズドサークル。そんな中で起こる連続殺人事件。華麗な推理が繰り出され解決かと思った矢先に大どんでん返しが!?
読者への挑戦状がついた本格ミステリー。
クローズドサークル、ホームズ&ワトソン役の登場人物。明らかになるトリック……
挑戦状を受けて立ったものの騙された。
古い作品だが古さを感じさせない文章で、読みやすい。
犯人の動機を深掘りして欲しかったので☆4だが、一緒に推理しながら読む楽しさを味わえる1冊。
こんな人におすすめ.ᐟ.ᐟ
・読者への挑戦状付きの作品が好きなひと
・本格ミステリーが好きなひと
・クローズドサークルものが好きなひと
・どんでん返しものが好きなひと詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
丁寧に状況が書かれていて、一体誰が犯人なのか注意深く意識しながら読んでいました。Theミステリーという感じがして私は好き。
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各章の冒頭に作者からのヒントが書かれているため、それを元に自力で犯人を絞り込んでやろうという気にはなるのだけれど。
深い雪に閉ざされた山荘で、2つの殺人事件が起きる。外からの侵入者は状況的に考えられないから、犯人は間違いなくここに滞在している人の中にいるはず。
最初に「主人公は犯人ではない」と作者が言い切っているので、語り手且つ主人公である杉下和夫は除外するでしょ。それから「ここで探偵役が登場し、探偵も犯人ではない」と述べられているのだから…という感じで、時々挟まれる図などを見ながら、じっくり推理しながら読んだ(つもり)。
この話は情報不足により動機から犯人を推測することは出来ないので、アリバイのあるなしで犯人じゃない人を消去していくしかないのだけれど、曖昧な部分があるためにこれがなかなか難しい。
しかも、そもそも最初からわたしは作者に騙されていたのだ。
そっか、そういうことだったのか。もしかしたら作者の狙いは、アレにあったのかと読み終わって振り返ったときに感じた。
全体的にちょっとコミカルで軽い感じの文章で読みやすかった。考えれば考えるほどよく出来ているなと思わせるし、ドンとくる衝撃とか驚愕の真実とかはないものの、あとあとから考えるとやられた感がじわじわとくるタイプの本格的な推理小説だと思う。
もともとは1996年に発表されたものを、2017年に新装版として再度出版された。
古くささは否めないが、それは仕方のないこと。だって今はもう2022年なんだもの。
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「…うん、たしかにその通り。」と唸らずにはいられない。
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各章の最初に作者からのヒントが提示されるがそれでも読者の予想を裏切る解決となる。コミカルな描写ですべてのキャラクターが立っていて読んでいて楽しい。ハッピーエンドとなり読後感も良い。
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お見事!!
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久しぶりに読んだ本格ミステリ。金田一少年とコナンで育った私は、吹雪に閉ざされた山荘っていろんな意味でニヤニヤしてしまう。
おいおい、とツッコミたくなるキャラ設定やストーリー展開だが、謎解きシーンでは気持ち良く翻弄された。ピッケルのシーンの不自然さには引っかかっていたのに、例によってわからず。ミステリーサークルの謎とか無駄に時間かける感じが、あぁ本格だなぁと実感できる。そもそもこんな犯人限定される状況で殺人計画するなよ、とツッコミたい。
解説の中の「本格とは本来面白くないもので、つまらないのが当たり前」という一文に激しく同意するとともに、面白い本格もつまらない本格もひっくるめて好きだ。 -
事件について、ご丁寧に説明が挟まれる珍しい形式。
「主人公が登場する、この人は犯人では無い」
とか
「探偵役が登場する、この人は犯人では無い」
とか
「重要な伏線が仕掛けられているいるので、見落としなきよう」
とか
章が変わるたびにとにかく親切に説明してくれる。
しかしその説明書き、
決して嘘は言ってないけど…
説明書きの意味がスラスラと理解できていたうちは、既に著者に騙されてたってことかな。 -
騙された〜/(^o^)\
某名探偵のお孫さんが活躍する漫画が大好きなので、吹雪の中のクローズドサークルは特に躊躇すること無く入り込めたけど、なかなか事件解決しないし、回りくどいし、「あ〜小説の方の本格ミステリは苦手かも」と思い始めた時にどんでん返しがやって来ました。
各章ごとに、作者による但し書き「主人公は語り手でありワトソン役」「一夜が明け死体が発見される」等の文言が挟まれてあり、早々にネタバレを食らっているみたいで少しイラッとしたが、これにも仕掛けがあり、やられた…となりました。素直に読んでいれば、ほぼ騙されると思います。
この騙された感覚は悪くないけれど、それまでがいささか退屈だったので自分の中ではもう一歩、と言った感じ