新装版 星降り山荘の殺人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 216
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062937016

感想・レビュー・書評

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  • ここで言う「本格」とはクイーン流のパズラーのことでしょう。ただそう考えると、犯人を絞り込むロジックはかなり不出来です。ことにヤカンの警報装置の糸をつなぎ直した理由に説得力はあまり感じられない。ミステリサークルの謎解きも無理がありすぎて買えません。









    けれど、ほんとうのネタバレをしてしまうと、これパズラーじゃなくて叙述トリックなんですね。で仕掛けがフェアプレイを装ったト書き(?)の中にある。これうまいな、そう来たかと思いました。だからこのトリック自体がアンフェアだ、という意見には与しません。全然フェアだと思います。けれどもこの本のホントの仕掛けは「本格」とか「とことんフェアにこだわった」とか言う惹句にあるわけで、叙述ものだと知ってたからまるで騙されなかった、とネットで書いてる人を見かけましたが、迂生もその情報が入ってたら、かなりの効率で見抜けた自信があります。そうでなくとも「フェアプレイ」が強調されてなければ、そこそこ見抜けたでしょう。ですからトリックそのものはフェアだと思いますが、その使い方は感心しません。フェアにやると言う宣言で、騙してるわけですから。正直「卑劣」と形容したくなります。お遊びとは言え、(お遊びだからこそ?)こういうのは好きになれないです。

  • 【始】
    まず本編の主人公が登場する

    【終】
    あたかも、暮れ遅れた星の瞬きのように、光の流れは仄かだった。

    ほぼネタバレされたまま読んだけど、それでも面白かった。設定はベタな山荘モノだけど、ユーモアのあるキャラクターと空気感のおかげで一味違ったミステリーというものを楽しめる。
    その空気感をフリにした叙述も見事。少しだけ切なさがあるのが良い。

  • 【経年劣化していないことは保証します。
    (中略)今読んでも面白い。
    そう信じております。】
    帯にあった作家の言葉に痺れた。
    
    ずっと気になっていたけど
    いやー、早く読めばよかった。
    雪に囲まれるこの季節に読みたくて
    12月に買ったんだけど
    雪がしんしんと降るその音や
    強い風が吹き荒れ
    視界が真っ白になる様が目の前に広がる。
    年末の静かな深夜あたりに読めば
    最高だったろーな。
    
    胡散臭い濃いキャラの面子が集まったところで
    山荘に閉じ込められ…
    ありがちなクローズドサークルなのに
    どんどん引き込まれて一気に読んじゃった。
    各章のはじめに、作者による注釈つき。
    よし、このあたりから来るぞ…
    構えて読んだはずなのに
    伏線が全くわからなかった。
    読書ノートに感想を書いていたときに
    遅ればせながら、らしきものを発見…
    犯人がわかったうえで、少ししたら読み返したい。
    きっともっとあるはず…
    
    初版が1999年。
    これだけ年月が経っているなんて。
    ページをめくる手が止まらない面白さ。
    こんなに夢中になって読める作品をありがとう!
    出会えて読んでよかった…!
    前の作品であればあるほど
    本の深みを改めて知るなー。

  • どんでん返し系のミステリーで一番面白いみたいなレビュー見て読んだ

    ハードル上げすぎたのか意外と普通だなという感想

    クローズドサークルなので読者としては全員に対して一度は疑いをかけるのでどんでん返しではあったけど予想の範疇(宇宙人が犯人だったら大爆笑で星5だったかもしれない)
    解答編のミステリーサークルの件があまりにもこじつけだったので犯人が自分の中で確定した

    気になるのはヤカンの防犯装置について
    あれは解答にあった通りでたまたま作動しなかったということでいいのか
    またその後に糸を結び直したのはやはり腑に落ちない
    解答でも言っていたが結び直せる人物は限られているのになぜわざわざ結び直して容疑者を絞ったのか
    作動しなかったことを強調する意図があったとしても結び直さない方が得は多かったと思う

    またこけしを凶器に選んだことに対しても疑問が生じる
    こけしを使う利点はなんだったのか?
    突発的に殺したのでなく利点として考えられるのも左側コテージ組を容疑者から外すだけだと思うのに何故?

  • クローズドサークルでの犯人当てミステリー
    全ての情報が開示されていて、ちゃんと読めば犯人が分かるようなフェアな構成
    騙されるものかと注意深く読み込んで、結果見事に騙された
    叙述的なトリックとはまた違ったやられた感が気持ちのいい作品

  • 【ネタバレあり】



    この自粛期間中に、叙述ミステリのおすすめで名前がよく挙げられてるけど読んだことないツートップ「葉桜の季節に君を想うということ」と、この「星降り山荘の殺人」を両方読了しました。
    雪の山荘での連続殺人。何度読んでもときめくクローズドサークルもの。
    星園さんは実写化したらデ●ーンフジオカかな!!とか思いながら読んでいたので、最後の豹変っぷりには心底がっかりした。せめて醜態をさらさず最後までスマートでいてほしかった。
    確かに騙された…けど、もう一度読み返そうという気にはならなかった。

  • 探偵役は犯人ではない。との始めの断りは何だったんだ?
    どんでん返しを期待したのに…

    • soneckさん
      その探偵役はそっちじゃなくて…
      その探偵役はそっちじゃなくて…
      2020/07/14
  • 鴛ミスで、有栖川先生が推薦していたので。凄く、正統派で堪能できるミステリーだった。考えながら読み進めるのに心地のよいスピード感で右往左往楽しかった。結構、振り回された!

  • 名作と誉れ高い作品。今読むと少し懐かしい感じがした。
    大ネタについては、冒頭から予測がついてしまった。だがこういう作品をある程度フェアに書こうとすると、読者に勘づかれやすくなってしまうのは仕方がないことなのかもしれない。個人的には星園氏のキャラが良かったと思うので、同キャラで他のシリーズも読んでみたかった…。

  • 昔風で懐かしい感じ。
    最後に出てきた件、結局宙ぶらりんだが
    なんなのか。

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著者プロフィール

一九六二年静岡県生まれ。日本大学藝術学部卒。九三年「競作 五十円玉二十枚の謎」に応募し、若竹賞を受賞、九四年『日曜の夜は出たくない』で本格的に作家デビュー。二〇〇一年『壺中の天国』で第一回本格ミステリ大賞を受賞。著書に『星降り山荘の殺人』『片桐大三郎とXYZの悲劇』『皇帝と拳銃と』『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』『月下美人を待つ庭で猫丸先輩の妄言』などがある。

「2021年 『作家の人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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