- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062990417
感想・レビュー・書評
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シリーズ2作目です。
前作では、あえてタイトルを伏字(○○)にして、
タイトル当てといぅ趣向を凝らしていましたが…、
本作では、タイトルの「虹」になぞらえて、
7つ(七色)のエピソードを、
それぞれ、まったく違ぅテイストで紡いでおり、
作者さんの趣向を楽しみことができましたが…、
前作では、種明かしが潔いまでのご都合主義で、
本作では、むちゃくちゃなエピローグでして…、
個人的には、せっかくのユーモアミステリーが、
本作でも、最後に台無しにされたよぅな気分も…。
それが早坂吝!、と言われたらそれまでですが…、
前作に引き続き、その点がマイナス★1つです…。
評価は、ベース★4つ-★1つで…、★★★☆☆。 -
エロコメディアスな本格ぶっ飛びミステリ。とがっているので人にオススメしにくいが、読んだ後で語りたくなる作品。認めたくないけど、語らずにはいられないこの感じ、メフィスト。
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前作での驚愕に比すると短篇集故衝撃度は落ちるけれども、ミステリ部分は恐ろしくしっかりと作ってあり作者の力量を感じさせる。そしてその才能を全力で下品な方向に向けている。あっぱれ。これはなんと呼べば良いのか。バカミス?いや、至って下品なのだけれども、ミステリとしては骨組みが余りにしっかりしすぎていてそう呼ぶのは相応しくない。下ネタミステリ略してシモミスと呼べば良いのだろうか。
いずれにせよ「史上最もHな探偵」(by帯。買いづらい)上木らいちの再登場に期待がかかる。 -
2015/02/11読了
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前作の探偵、上木らいちを掘り下げる一冊。それぞれの短編に仕掛けが巡らされて、散りばめられ伏線が最後に一気に収束する。もともと構想があったのか、捻り出したのか知りませんが、最終章の畳み掛けは圧巻。今後の更なる活躍を期待してあえての星4つで。
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前作「◯◯◯◯◯◯◯◯殺人事件」で鮮烈デビューし、真価の問われることとなった受賞第1作は短編集です。
前作の売り(?)でもあった下ネタが全編に渡って推理の手がかりになっており、どうやら早坂吝はこの道で行くようです。
各短編の内容はどうかと言うと、おっぱいコピーの謎、ラブホで起きた殺人、密室で殺された変態教祖、倒述形式で語られるストーカーの顛末、ヤリチン野郎の悲劇、とエロ方向に偏っていながらもバラエティに富んだ短編集となっています。
中でも変態教祖の事件を扱った「青は海とマニキュアの色」は、とある仕掛けに呆然。脱力しながらも読み進めると、展開される推理はとことん論理的でそのギャップに苦笑するしかありませんでした。(褒めてますよ)
そして、最後には連作としての仕掛けが明かされます。作品として何か仕掛けがあるのは明らかなのですが、読者が思い浮かぶであろう可能性をことごとく潰していく論理展開は圧巻です。流れに身を任せて振り回されるしかないでしょう。
読者の期待値が高かった本作でしたが、真価を十二分に発揮したと言っていい良作です。