自壊するメディア (講談社+α新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065251959

作品紹介・あらすじ

コロナ無策、五輪断行。暴走する政治権力に対し、なぜ監視機能を果たせないのか。この国を支配する巨大メディアの腐食を撃つ!

感想・レビュー・書評

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  • 映画の原案ともなった『新聞記者』の著者で、記者会見においても歯に衣を着せぬ質問をする記者望月衣塑子の第1章。
    「現状に慣らされないこと。些細な違和感を受け流さないこと。多様な視点を提示すること」を基本として、体制に阿ないドキュメンタリーを制作している映画監督五百旗頭幸男の第2章。
    さらに、第3章第4章でこの二人が対談する構成の共著。
    望月の、権力維持を目的とした政府や恫喝手法による政治の実態の論述。五百旗頭のドキュメンタリーや映画への一貫した姿勢。
    さらに、彼らが属するメディアへの危惧や批判は、読んでいて小気味良い感を覚える。
    ただ、「てにをは」その他、校正を素通りしたかのような不備な個所がいくつか散見され、興醒めしてしまうのは残念。

  • 世の中の出来事は
    きちんと とらえておきたい
    その時に 頼りになるものは
    自分の目
    自分の耳
    自分の頭
    自分の足

    それらが きちんと 
    とらえるモノを
    自分の糧にしていきたい

    望月衣塑子さん
    五百旗頭幸男さん
    頼りにしているお人です

  • 望月衣塑子と五百旗頭幸男による対談本。

    現状のメディアがいかに政権寄りかということがよく分かった。

  • ふむ

  • ロマン主義の活動家という印象を拭えない内容でした。前半はまだ文章の程をなしてましたが、悪口レベルの単語が多く、同じ会話構造をぐるぐる回る後半はちょっと疲れてしまいました。
    トピック自体は大事なところと思うのですが、民衆不在、議論不在の闘争という印象は否めないです。闘争が自己目的化している様子、左派右派共にノリで大衆に訴えるスタンスはあまりに無益に思ってしまいます。
    政治側に多くの問題があるのは確かなのですが…いち民衆としては生の声とか、名刺交換したからとかよりは、調査内容と議論の深さで頑張ってもらいたいです。でも色々なスタンスがあっても良いのかな、とも思いますが。

  • ●内調。昨年までのトップは、北村氏と言う警察署の公安キャリア官僚出身の人でした。いわゆる政府や官邸に批判的な市民とか市民団体、またジャーナリスト、メディア、与党、野党内の官僚や政治家、そして学術会議を始め政府に批判的な有識者や研究者、そういった人たちの日々の発言や活動状況こと細かくチェックするのです。
    ●桜を見る会に関しては、政治団体が差額の約900万円を補填していたことがわかり、また安倍氏が国会で118回も虚偽答弁を行っていたことが確認されました。
    ●沈黙の山。富山県では、冬場は閉鎖している立山黒部アルペンルートを通年営業にして、山岳リゾートにする「世界ブランド化」構想を石井前知事が掲げていました。地元の人たちは異を唱え、安全性等の面で懸念の声が上がっていた。
    ●富山市議会の声も活動費不正問題をドキュメンタリー番組を作った。14人がドミノ辞職したんですが、いざ騒ぎがおさまってみると、新人ばかりの議会は活力がなく、結局かつてと変わらない利益誘導政治が復活してしまった。むしろ議員の質は悪化してしまった。
    ●入管上の問題はローカル局は結構番組にしている。
    ●「文春方の時代」は、記者クラブメディアの屈辱。記者クラブの中だけでネタをとって、横並びを含めて競い合っていればいいみたいな空気は確かにあった。もはやそれでは世の中から必要とされない。多分新聞記者は、これまでずっと週刊誌とかを下に見てきた。
    ●かつての政治部記者は、政治家と密接に付き合うけれど、やるときはやる、抜くときは抜くと言う気構えがあった。その緊張関係は政治家も共有していた。

    ◾️五百旗頭幸男。ドキュメンタリー映画監督。富山市議会の不正問題を「はりぼて」にて2017年に文化庁芸術祭賞などを受賞。

  • この新書が発刊された当時の日本政権の暗部、そして機能を失ってしまった大手メディアの問題について分かりやすく書かれている。一人でも多くの人がこのような事実を理解し、政治に対して意識を持つことが大切と感じる。

  • 2021/12/19
    政治の腐敗かメディアの堕落か、どっちもどっちという感じという中で五百旗頭のコメントはいくつも納得させるものが有った。
    ・…総じてテレビは…「善悪二元論」で世の中の問題を切り取ってきた。(ハリウッド映画のワンパターンさと同じ?)
    ・内部告発のリーク先が大手メディアに向かわずに文春に行っている…(新聞の力が信頼感が失われている)
    ・誰も傷つけない表現などない…
    ・一言や簡単な言葉で表現できないからこそ…映像作品にしている。
    香港やミャンマーのメディアの状況を国内メディアはどう受け止めているのだろうか?日本のメディアは単なる伝書鳩なのか?

  • 《正しいと思うことを伝える》

     与党から煙たがれている東京新聞の記者である望月氏、映画「はりぼて」で恥ずかしい議員たちの愚行で笑わしてくれた五百旗頭氏。
     二人の共通点は、権力者たちに「にへらにへら」と媚びを売らず、正しいと思うことを発信し続けていることである。自分より権力や金を持っている者たちを、突き上げてなんぼという姿勢は大いに学びたい。
     「言う側より、言われるヤツ」が悪い、日頃ニュースを見ていてそう思う。悪いことをするから言われるのであって、悪いことを問題視し伝える側は「正義」である。

  •  毎朝新聞を読むから消えてもらうと困る。
     かといって、マスメディアの思想を世に伝えたり、一日の会話にも不要なクッソどうでもいい記事に目を通すほどヒマでもない。
     何もフィルターを通さない統計のごとき記事を垂れ流してくれれば、引っかかる記事はこちらから掬って読むとする。
     そんなスタンスで日経新聞だけ、この10年ほど購読している。
    (但し、日経は東証一部上場企業とか経団連の太鼓持ちなのは間違いない)

     さて、本書を手に取ったのは、ドキュメンタリー映画「はりぼて」の監督兼記者の共著だからだ。
     「はりぼて」は富山県議会の不正使用金を追ったものだが、喜劇のようで笑えない。
     
     昨今の政治劇見たく、権力者が強権的に質問に答えない態度はムカつく。
     一周回ってひと昔前の小泉純一郎時代の劇場型政治は、何も答えずにはぐらかす割には面白みがあった。
     今の政治は面白みもない。
     ゆえに、見ていてつまらず関心もない。

     質問をぶつけて、答えがないのに、なぜ問いを引っ込めるのか。
     それが仕事なのではないのか。
     自ら忖度するメディアの在り方は自己存在否定ではないか。

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著者プロフィール

1975年、東京都生まれ。東京新聞社会部記者。著書に『権力と新聞の大問題』(集英社)など。2017年、平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞を受賞

「2018年 『しゃべり尽くそう! 私たちの新フェミニズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

望月衣塑子の作品

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