- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087206647
感想・レビュー・書評
-
k
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【概略】
「ダイエットしないといけないのに、なぜケーキを食べてしまうのだろう?」「信号が青になって渡るのは、なぜだろう?」行動分析学では、「なぜ~するのか?」という問いを「こころ」ではなく「行動の結果(行動の後に続く結果)」に求める。「好子」「嫌子」の「出現」と「消失」にスポットライトを当てることで、あらゆる行動が分析可能に。人の内面(こころ)ではなく外面(行動)から人間を紐解く一冊。
2020年07月28日 読了
【書評】
この本を手に取ったきっかけは、YouTuber のヒカルさんが「メリットの法則」という言葉を使って語っていたことから。彼のトークスキル、とりわけビジネスパートナーとなるような立場の方達とのトークスキル、それを学ぶヒントになるものがあるかなとね。
結論から言うとヒカルさんが指す「メリットの法則」と本書で示す「メリットの法則」は・・・共通して・・・いるとは言えない(笑)本書はより学術的な、抽象的な内容になっており、自分が求めていたのはもう少し具体的な(カジュアルな?)ものだったかな。
ただし、だからといってダメな本だったという訳ではないのだよね。学術的・抽象的と書いたけど、それはしっかり理解すれば応用可能って意味で。ただ、自身で「なるほど!」と理解し、それを今度は意識的に「使ってみる」というところにもっていくのが少し難しいという。
まず最初に「循環論」とされている考え、「その行動をしたのは『こころ』に感じたからだ。『こころ』に感じたからその行動をしたのだ」というものなのだけど、それを横に置く必要がある。そして行動の原因を、その行動の「後」に発生する結果を原因とするというところ。「オペラント行動」と呼ばれるものだそうな。これは少し立ち止まってしまったけど、「visualization」を相手(または自分自身)にさせるという意味で捉えたら大丈夫だった。難しい言葉の因数分解、大変。
もう一つ興味深かったのは「死人テスト」と呼ばれるもの。「行動」分析学というからには「行動」の定義が必要で。「それは行動と呼べるのか?」というものを測るテストとして、「それは死体でもできるものか否か?」に落とし込むのがこの死体テスト。例えば「食べる」は(当たり前だけど死人はゾンビじゃない限りしないから)「行動」としてよく、「静かにしている」は死人にもできるから「行動」ではない、というもの。これは純粋にゲームみたいで楽しめたかな。ここで分別され、行動とされたものを概略で書いた「好子」「嫌子」の「出現」「消失」で分析するというね。しばらくはチャートとかフローを作りたい。
なぜ、自分は〇〇ができないのか?なぜ、自分は〇〇をしてしまうのか?を、この「好子」「嫌子」に振り分けて、結果から考えるとまた新しい(自身にとっての)法則が見えてくるのかなと。ただ、まだ残念ながらそこまではやり切れてない(笑) -
行動分析学!面白い!
原因と行動でなくて、行動の結果の行動を考える!面白い!今のところ使いこなせる気がしないですが、これは取り入れたい!
おもろいです。 -
行動分析学について非常にわかりやすくまとめられた本。
もちろん著者は、行動分析が専門なので、それを軸に世の中を見ているから当然なのかもしれないが、なるほど、読んでいるとあらゆる事象は行動分析学的に捉えられるのかもしれない、と思わせられる。
Aという事象が起きたら、Aの前のB、そして、Aの後のCに着目するという考え方は役立つと思う。 -
ここ何年も行動分析学、とりわけ応用行動分析の分野に深い関心を寄せているのだけれど、なかなか体系的に学ぶ機会を得られずにいる。本書はその一助としてとても読みやすかった。
教育職員として、そして問題児の親として、本書と書中に紹介のある「行動分析学入門」(杉山尚子著・既読)を合わせて再読して深めたい。 -
「自分はすごい」的な感じと、説明の冗長さが読んでいて面倒だが、わかりやすい。「阻止」や「FTスケジュール」なども説明されていてよかった。「行動分析学入門」と合わせて読むと良いと思う。
-
行動分析の道具箱。
行動分析がどのような場面活用できるかをケーススタディ方式で説明している。行動とは何か?行動の機能とは何か?など、基本的なところから丁寧に解説しているため、初心者にもわかりやすい内容。 -
<メリットの法則>
「具体性テスト」
ビデオで撮影して、誰が見てもそれとわかるもの
行動の前に原因がある「レスポデント行動」
行動の直後に何が起こったのかに注目せよ
また、好子や嫌子が行動の直後に「随伴している」ということがポイントである。(略)つまり、行動の結果は直後に起こることが大切だということだ。(60秒が目安)
ムチ(嫌子出現の弱化)は新しい行動を教えるためには不必要である。(略)とにかく新しい行動を教えるためには「アメとアメなし」つまり、強化と消去の組み合わせを利用するようにしたい。
ルールによって制御される行動は「ルール支配行動」と呼ばれる。
(ウソを見抜く方法)
「主張内容」よりも「言葉の機能」をみよう。
(「おなかが痛い」といって学校を休む子供の直後の行動をよく観察しよう、ということ)
天秤の法則を使って、子どもそれぞれの生態を調べることができたならば、今度はその天秤をどう動かすか考えればよい。
視覚的に動機づけられ達成感を味わえるというのもトークンエコノミー法の特徴である。 -
http://naokis.doorblog.jp/archives/egmforum_201604.htmlEGMフォーラム月例会報告(4月20日)〜行動分析学と協働関係の作り方〜『メリットの法則』スライド公開
http://www.slideshare.net/naokis/ss-61150667『メリットの法則―― 行動分析学・実践編』(slideshare)
http://naokis.doorblog.jp/archives/say_once_only.html大切なことは一度しか言わない : なおきのブログ
<目次>
まえがき
第1章 その行動をするのはなぜ?
第2章 行動に影響を与えるメカニズム(基本形)
第3章 行動がエスカレートしたり、叱られても直らないのはなぜ?
第4章 行動に影響を与えるメカニズム(応用形)
第5章 行動は見た目よりも機能が大事
第6章 日常にありふれた行動も
あとがき
参考文献
2014.09.09 Amazonの新書ベストセラーで見つける。2位。
2015.11.23 読了