- 集英社 (2021年4月20日発売)
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感想 : 404件
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784087442342
作品紹介・あらすじ
時田翼32歳。九州の田舎町で、大酒呑みで不機嫌な父と暮らしている。母は11年前に出奔。翼は農協に勤め、休日の菓子作りを一番の楽しみにしてきた。ある朝、隣人の老婆が庭のゆずを盗む現場を押さえろと父から命じられる。小学校からの同級生・鉄腕が協力を買って出て、見事にゆず泥棒を捕まえるが、犯人は予想外の人物で――(「大人は泣かないと思っていた」)。
小柳レモン22歳。バイト先のファミリーレストランで店長を頭突きしてクビになった。理由は言いたくない。偶然居合わせた時田翼に車で送ってもらう途中、義父の小柳さんから母が倒れたと連絡が入って……(「小柳さんと小柳さん」)ほか全7編収録。
恋愛や結婚、家族の「あるべき形」に傷つけられてきた大人たちが、もう一度、自分の足で歩き出す姿を描きだす。人生が愛おしくなる、始まりの物語。
みんなの感想まとめ
多様な登場人物の独白を通じて、大人たちが抱える葛藤や感情を描いた短編集で、日常の中に潜む小さなドラマが紡がれています。主人公の翼を中心に、彼の周りの人々がそれぞれの生き様を語り、時には心に響く言葉が散...
感想・レビュー・書評
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九州の田舎町に住む、生真面目な男と呑んだくれの父、出て行った母、親友、職場仲間、ご近所さんなど、日常の中で関わる人々たちの独白によって綴られた7つの連作短編集。
ブクログアプリの話題文庫ランキングで、本作品の表題名が目にとまり、そのまま手に取った。
『大人は泣かないと思っていた』
なるほど。言われてみれば確かになと。
各章ごとに主人公が変わり、年代も幅広く性別も違うそれぞれの生き様が語られていく。
兎角、主人公である翼という青年の発する人情味が心地よい。
総じて、何か大きなドラマがある作品ではない。
ただただ、各登場人物たちの思い想いが徒然に描かれている。地味とまでは言わないが、派手さは一切ない。
何よりそれが、この作品の見どころだ。
各登場人物の中に、少しずつ自分がいた。
幼き頃からおじさんとなった私自身の、あらゆる感情のパーツが点在していて、独白ごとに胸に沁みる言葉があった。
私も思っていた。大人は泣かないと。
子どもの頃の私は大人然り、男は泣いてはいけないのだと思い込んで育った。
そして時は経て、おじさんになった今の私はどうだ。
ことあるごとに泣く虫のようになった。
そうだ。大人だって泣くのだ。
何かおかしいだろうか。大人だって泣くのだよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フォロワーの皆さんの評価が高かったのでポチった一冊。
先日読んだ 川のほとりに立つ者は がなかなか好みだったこともあり、即決。
時田翼、32歳、農協勤務、九州の田舎町に住む。趣味はお菓子作りのなよなよした男。
酒飲み、周囲とうまくやれない我儘な父と二人で暮らしている。母親は父親と離婚し、家を出ていた。
ある日父が、庭にゆず泥棒が現れると言う。
しかも、隣の婆さんだと。
翼は偶然にも、そのゆず泥棒に遭遇する。
そこから翼の日常に少しずつ変化が。。。
一つ一つの物語は短編なのだが、翼が軸になって繋がっていく。
どの話も、女性目線でかなり頷けるところが多い。
最後にはしっかり着地点があり、ほっこり(^^)
すぐに内容は忘れてしまうかもしれないが、このほっこりした気持ちは忘れないだろうと思った(^-^)-
bmakiさん、おはよう!
うわー、たくさん既読でしたね。
とてもうれしいです!
bmakiさんも宮部作品相当読んでいますね。
クロ...bmakiさん、おはよう!
うわー、たくさん既読でしたね。
とてもうれしいです!
bmakiさんも宮部作品相当読んでいますね。
クロスファイアが既読というのはなかなかですね!
ポアロシリーズは毎月1回、文字だけの感想会を別読書サイトで実施しています。もう3年目であと3冊でコンプリートします。
「そして誰もいなくなった」はまだ読んでいません。早く読みたいな!
時代物は苦手で読まないんだけど、蝉しぐれ、蜩ノ記、壬生義士伝、天地明察は面白かったです!
誉田さんの武士道シリーズはまた読みたいです!!2023/07/03 -
bmakiさん、おはよう!
うわー、たくさん既読でしたね。
とてもうれしいです!
bmakiさんも宮部作品相当読んでいますね。
クロ...bmakiさん、おはよう!
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とてもうれしいです!
bmakiさんも宮部作品相当読んでいますね。
クロスファイアが既読というのはなかなかですね!
ポアロシリーズは毎月1回、文字だけの感想会を別読書サイトで実施しています。もう3年目であと3冊でコンプリートします。
「そして誰もいなくなった」はまだ読んでいません。早く読みたいな!
時代物は苦手で読まないんだけど、蝉しぐれ、蜩ノ記、壬生義士伝、天地明察は面白かったです!
誉田さんの武士道シリーズはまた読みたいです!!2023/07/03 -
ポプラ並木さん
はい。多分20代後半から、30代前半にかけて、宮部作品その時に出ていた長編で時代物以外は全部読んだ筈です。
私は...ポプラ並木さん
はい。多分20代後半から、30代前半にかけて、宮部作品その時に出ていた長編で時代物以外は全部読んだ筈です。
私は、魔術はささやくだったかな?その本が当時は一番好きな本でした。
藤沢周平は、会社のおじさんが好きらしく、頼んでもいないのに沢山貸して頂いた時期がありました。
あのおじさんも転勤になってしまったなぁ。。。
ポアロ、あと3冊でコンプリートですか。凄いですね!
私コンプリートしてる作家さんいるのかなぁ??東野圭吾先生はかなり読んでいるつもりですが、短編が嫌いなのでなかなかコンプリートできません(笑)
短編ってわかっていたら、絶対買わないですもん(笑)
あ、それから、タイムマシンでは行けない明日 昨日調べてAmazonでポチりました!ブクログでも凄く評価が高そうなので楽しみです(^^)2023/07/03
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寺地はるなさんは「水を縫う」に続いて2作目でした。不思議な力のあるお話だと感じました。
登場人物それぞれの人生が何処か力が抜けたような語り口で描かれていますが、ところどころですっと腹落ちして前向きになれるフレーズがあったり、分かってはいるんたけど中々言えないようなフレーズがあったり、自分もこんな考え方してしまうことってあるなと思ったり、不思議なお話でした。
相手の視点を考えつつも、自分らしさは持っていたい、そんな思いを持ちました。 -
以前からちょこちょこ寺地さんの本を読んでいたのもあって、「この題名は、気になるなぁ」と、図書館で借りてきました。なぜだか女性が主人公だと思っていて、時田翼が男性だと知った冒頭が1番の衝撃になってしまいました(*ノω・*)
「世間は狭い」ということが、この連作短編でわかりやすく表現されていました。そして新たな一歩を踏み出す大人にだって泣きたい気持ちがあることを改めて感じました。
『知らないところで色んな人たちに心配されたり世話を焼かれてたりしているのだと思い知った。誰にも頼っちゃいけないなんて、大した思い上がりだったということも。-君のために生まれてきたわけじゃない-』
『昔の事に対して罪悪感を抱えるんじゃなくて、そうしてまで選び取ったものを大切にして生きてくれる方がいい、そのほうがずっといい。あれは決別の言葉ではなかった。-あの子は花を摘まない-』
すぐにぼんやりとして、本作の内容を忘れてしまいそうだけど、新しい出会いの多い春にこそ、思いおこしたい内容な気がしました。
2025.3 -
連作短編集。ってなんだ?と思って読んだら、ちゃんと登場人物もお話も繋がってて、全体で一つの物語になってました。読みやすかったし、なんか背中を押してもらった気分で、予想してた以上に良かったです。
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排他的な狭い町の七人の物語。
古くから住む一族が偉く、人の家のことに興味津々で根掘り葉掘り。
住む世界が狭すぎて想像力が乏しくデリカシーのない人達が、無遠慮に人を傷付ける。
なんだか今、私が住んでいる土地にまあまあ似ている。
この、オオサンショウウオめっ‼︎
と、わなわなする事もたまにあったけど、コロナの影響でそんなことも二、三年忘れていた。
(注・オオサンショウウオさん達への悪口ではありません)
そんな息が詰まるような世界で踠きながら頑張って生きている人達、みんな色々あるよね…
人からは簡単に好き勝手に言われちゃうけど、その人にはその人の物語がある。
何にこだわって誰を想うのか、合わせたくない人達とどこから距離をとるのか。
そんな自分に合わない人にも、その人の物語がある…
読んで良かった。
読み終わる時には、登場人物ほぼ全員を応援したい気持ちになっていた。
そして、本書の表紙のように砂浜を散歩してみたい。
一章のなかに、とても簡単な柚子シロップの作り方が出てくる。
一晩で作れる柚子シロップは初めて知りました、これは作ってみたいʕ•ᴥ•ʔ-
ほん3さん、こんばんは。
一晩で作れる柚子シロップの作り方
柚子の皮を剥く
実をざく切りにして瓶に入れる
上から蜂蜜を注ぐ
フォークで潰...ほん3さん、こんばんは。
一晩で作れる柚子シロップの作り方
柚子の皮を剥く
実をざく切りにして瓶に入れる
上から蜂蜜を注ぐ
フォークで潰す
一晩置いたら出来上がり
水かお湯で割って飲む
まさかの皮を使わない、です。
今まで皮をメインに使い、果汁の消費に困ってたから私には嬉しいレシピ‼︎
ざく切りらしいけど、種多いし甘皮と種をよけちゃってから蜂蜜注ぐと、飲む時ラクかなって思いました。
白いホワホワもえぐみがあるし、無い方が美味しそう〜
私は今夜、試しに安い蜂蜜で作ってみる予定です、ほん3さんもぜひぜひ(о´∀`о)2022/11/19
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このお話は、男女問わず、どんな世代の方が読んでも心に響くと思います。
男らしさや女らしさなどの古い男女観。世間一般の価値基準から外れない生き方をしていれば、他人から後ろ指を指されずにすむかもしれません。
ただこの本を読んで、古い価値基準という枠の中で生きている人は、自分で自分を縛っているのではないか?と思いました。
例えば、第6章の「おれは外套を脱げない」の父親。長男として、家長としての役割を頑なに守り、先祖代々受け継いできた土地や畑を次の世代に残す。妻や子供達に対して常に怒鳴っているのは、どうかと思いますが、そんな生き方しか選択肢がなかったというのは頷けます。逆に、世間一般の常識という枠を超えて、新しい世界に飛び込んでいく人もいます。
寺地さんは、どちらの生き方が良い、悪いという決めつけをしません。自分の基準からはみ出しているから、悪い、わからないとすぐに判断しないで、わかろうとする努力が大事です。お互い歩み寄り、相手を知るということは、自分を知ることにも繋がります。自分に足りないところも見えてきます。相手を思いやる心が、胸に沁みる一冊です。 -
登場人物全てが美化されず、人間味溢れている物語り。連作短編で、つぎは誰が主人公になるのかと思い巡らせて読む楽しみも味わえた。それにしても、田舎って、こんなに面倒なものなんだろうか。
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泣きますよ、大人になってもそれは。
涙を流さずとも、心の中で。
なんて思いながら手にした本です。
人の弱さをグサリと遠慮なく書かれているお話でした。
生きづらさを抱えている、こんな言葉をよく聞くようになりましたが私は自分の生きづらささえ言葉では説明出来ませんでした。
ですがこの本を読んでそう、そういうふうに感じていた。そう言葉で表せば良かったんだ!と。
自分自身の思いに気づかされる本に出会えたのは初めてかもしれません。
これはいつかまた再読します。
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九州のド田舎で暮らす人たちと、そこを去った人たちが織りなす、さまざまな涙の物語。
古い価値観と新しい価値観。みんなその狭間で戸惑ったり迷ったり、あるいは吹っ切れたり切り拓いたりしている。どの時代にも価値観の移り変わりはあっただろうが、最近はそのスピードが速くなっている気がする。
男は泣くな、女は黙ってろ…いまだにそんなこと本気で言う人がいるんですか?と笑いたくなるが、山あいにある田舎が舞台の本作ではよく登場する。
そんな時代遅れの人の考えには全く共感できないと感じる場面がたくさんあった。あったはずなのに、読んでいるうちに彼らと同じ感情に陥って、一緒に涙したくなるから寺地さんの作品は不思議だ。
自分も生まれた時代が違えば、古い考えを押し付けて、若者に冷ややかな目で見られ、誰からも相手にされなくなる、そっち側だったかもしれない。これからそうなる可能性もある。
だから古い価値観を持つ彼らを、冷笑することはできない、誰だって。小さい頃から何度も耳にして、息をするように口にしてきた言葉たちは一朝一夕では変えられない。変える気力も体力も、日に日になくなっていく。
多くの小説、特に寺地さんの作品は、そういう到底理解できないと思っていたような人の気持ちに共感してしまう瞬間がある。自分も彼、彼女の立場だったら…と。
これまで3作ほど読んだがどの作品にも、あぁ寺地さんは常々こういうことを考えているんだろうなと感じるような言葉がたくさん散りばめられている。いつもハッとさせられるのだけど、それが説教くさくなくスッと自分のなかに入ってきて、残り続ける。
遅ればせながら、いま私のなかで最もアツい作家さん。他の作品もまだまだ読みたい。
印象に残った言葉たち✍
・根は悪い人ではないと思うのだが、どこを切っても悪い部分しか出てこない「悪太郎飴」みたいな人格のほうがめずらしいと思うので、飯盛くんが根っから悪い人ではないことは私にとってはなんの加点にもならないのだった。
・男としての責任。長男としての責任。家長としての責任。たくさんの責任を重たい外套のように着こんでふうふう言いながら歩いていくおれの脇を、かろやかに通り過ぎていく者たち。過去という外套を、古い価値観という外套を、あっさり脱ぎ捨てていく者たち。 -
九州の田舎町で、古い男女観、恋愛や結婚、家族の「あるべき形」に傷つけられてきた大人たちが、もう一度自分の足で歩き出す連作短編集。
様々な年代、田舎に残る人・出る人の視点で描かれているから、偏ったものの見方をせずにすみ、共感したり、自分にも根深く残る価値観があることを明らかにしてもらえる。
序列を作りたがる人はいなくならない。落ち込むとつい卑下してしまうけど、自分のために誠実に生きよう。性別や立場じゃなく、ひとりの人として向き合いたいし、自分をちゃんと見てくれる人を大切にしたい。
寺地さん、追いかけよう! -
寺地はるなさんは『水を縫う』に続いて2作目。
読みたいリストにずっと入っていたもので、今回やっと読むことができました。
『大人は泣かないと思っていた』本のタイトルと同じ名前の話から始まる短編集。
主人公の時田翼から始まり、その周りの人たちにも焦点が当てられていきます。
時田翼の人間性が素敵だと思いました。
農協の同僚・平野さんが主役のエピソードでは、「別に、やりたかったことを仕事にしなくてもいい。きちんと真剣に仕事ができているならそれでいい。やりたかったことを仕事にしている人と比べる必要はない」と平野さんに伝えていて、
まさにその通りだなと思いました。
私は夫もこの土地も捨てたから、と言った母に、
「捨てるとか言うな。人も土地も物じゃないんだから、そんな簡単に捨てるとか言うなよ」
女は過去を簡単に忘れられるもんだ、と宣う叔父に、
「それは結果しか見てないからだ。別れを乗り越えるまでの過程はそんなに簡単なものじゃない。時間をかけて苦しんだからこそ今がある」
人生思い通りにいかないことなんて当たり前で、私たちは壁につきあたったらその都度悩んだり、傷付いたりしながら進んでいくしかない。
そんなことをこの作品から学ぶことができました。 -
「寺地はるな」さん、初読みです。
登場人物が、それぞれ語り手となって綴らた7篇の連作小説です。
一度は皆も悩んだであろう「らしさ」という言葉。男らしさ、女らしさ、
日常のよくある風景。これらの言葉や風習に囚われて揺れ動く心情が、わかり易く丁寧に表現されている。おかしいと感じながら、抵抗せずなんとなくやり過ごしてきた古い価値観に対し、大きな変化ではなくても小さな波紋は起こせる。自分らしく生きる人々を応援する、そして自身のおかしな価値観を脱ぐことで楽になれる。
大変共感し、楽しく読むことが出来ました。 -
毎月一冊だけ文庫本を買っているのですが、今月は何にしよう?と悩んで、フォローしている方の感想から、このカッコイイ女性をみてみたい!それに好きな作家さんだし!と思い購入しました。
うん!カッコ良かったです。
主人公時田翼は農協に勤めています。
わたしも田舎に住んでいるので、共感できる部分が多かったです。
この翼は周りからいつも遠くをみている。といわれますが、人がこうだからとあわせるのではなく、自分の意見をちゃんと持っているところを、すぐ登場人物を好きになってしまうわたしは今回の翼も好きになってしまいました。
この翼とレモンが可愛くてキュンキュンしました。
買って良かったです。-
2021/07/16
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raindropsさん、こんにちは☘
料理をこぼした女性をかばってはなった言葉もカッコ良かったです。
この本を読んでみたい!て気持ちにさ...raindropsさん、こんにちは☘
料理をこぼした女性をかばってはなった言葉もカッコ良かったです。
この本を読んでみたい!て気持ちにさせて頂いて、ありがとうございました。2021/07/16
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すごく読みやすくて内容もよかった。
100%の自信を持って、現状の自分自身に満足している人なんてなかなかいない。
みんな折り合いをつけながら精一杯に生きている。
だから、固定観念とか、世間体とか、自分の価値観だけを頼りにするんじゃなくて、まっすぐな気持ちで大切な人に向き合うことが必要なんだと思う。
人と関わることでたくさんの刺激を受けるし、自分の考えに変化も生じる。人生に正解はないし、振り返ることはできても後戻りはできない。
そんなことを考えさせられた。
心温まる素敵な作品。 -
タイトルに惹かれて読みました。
本当に子供の頃は、大人は当たり前に
泣かないと思ってました。
でも、それは勘違いだなと思う
大人の方が感情的になってしまうことが
あると思う…
読んでみて改めて思いました。
登場人物みんなが豊かな人生を
歩めますように(*˘ᵕ˘*).。.:*☆ -
泣かせに来なかったが押しつけがましくなく良かった。
オムニバスというか、主人公の周辺にいる人物の短編集というか。
人は、大人は、変哲のない人に見えてもそれぞれのストーリーがあって、色々な涙、色々な流し方があるのだなぁ。
私は私のストーリーを感じながら生きているだろうか、、、
最近泣いてないなぁ。 -
寺地はるなさんは、今回初読みの作家さんだった。
『大人は泣かないと思っていた』
九州の架空の田舎町、耳中市肘差を舞台にした7編の短編集で登場人物は全編で繋がっている構成
「大人は泣かないと思っていた」
「小柳さんと小柳さん」
「翼が無いなら跳ぶまでだ」
「あの子は花を摘まない」
「妥当じゃない」
「おれは外套を脱げない」
「君のために生まれてきたわけじゃない」
特に「翼が無いなら跳ぶまでだ」と「君のために生まれてきたわけじゃない」は印象的だった。
女らしさや男らしさ、長男だからとか家柄とか、古い慣習や教えに拘って逆らえずに生きる人や、それでよしとする人、或いはそこから抜け出したり、抜け出さなくとも変わろうとする人の物語
本作は、短編毎に主人公を変え様々な目線で読み手に語りかけている様な構成だった。また、それぞれの主人公に肩入れせずフェアな立場を保ち、その目線や立場での思いや葛藤が丁寧に綴られているため、読み手の思考が良い意味ですごく揺さぶられる。
個人的には鉄腕と玲子のカップルが好きだなぁと思った。
2人からは田舎町に住む上での前向きなヒントや希望が感じられた。こういう人が増えると田舎町も変わっていくだろう。
また、22歳という若さながら、田舎町で様々な思いをして暮らして来た知恵と勇気から、確固たる信念と拘りを持って逞しく生きる小柳レモンにもエールを送りたい。
そして、時田翼…
レモンと幸せになって欲しいなぁと心から思う。
人の痛みが分かる一方で、臆病で繊細で傷付きやすい。
母の広海のためと父の入院を知らせずにいるが、たとえ大酒呑みで頑固な別れた夫であっても、病床に伏していると聞けば広海は駆けつけると思う。
生き方と人の心は、そう器用に割り切れるものじゃないのだから。
人が決めた○○らしくよりも、自分らしくいられる道を探す方が、何より幸せで、自分を解放し、受け入れることが出来る近道だと思う。
寺地はるなさんは初めて読んだ作家さんだが、是非他の作品も読んでみたいと思える作品だった。
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面白かった♪
寺地さんの作品はさらっと読みやすい。
けど何気にスパっと爽快なセリフが出てくる。
「大人は泣かないと思っていた」
あ〜そんな事考えたことなかったなぁ
うちも星一徹みたいな父親で卓袱台ひっくり返すような家で…凄く嫌だったことを思いだした笑
祭りの時の玲子さんの啖呵は気持ち良かったな(^ ^)
著者プロフィール
寺地はるなの作品
