いつか、君へ Girls (集英社文庫)

制作 : ナツイチ製作委員会 
  • 集英社
3.31
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本棚登録 : 678
感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468441

作品紹介・あらすじ

三浦しをん、島本理生、関口尚、中田永一、橋本紡、今野緒雪。人気作家たちが描く、みずみずしく、彩りゆたかな少女たちの物語

感想・レビュー・書評

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  • いつか、君へ。
    このテーマで書かれたアンソロジー。
    いつだったか遠い昔だけど~少女だったことがある身には、何となく馴染む感覚がありました。

    三浦しをん「てっぺん信号」
    高一の江美利は、地味でずっと学校で友達がいなかった。
    転校生と近づきになろうと計画し、何とか友達になることに成功。
    その竹田しづくは、かなり綺麗な子だった。
    外見にコンプレックスのある江美利には、まぶしい存在。
    窓際の席で外を眺めていると、対岸の丘の上から、モールス信号で「元気ですか」とまたたく光が‥
    ある日、江美利は?
    老人ホームにいる女性の言動がユーモラスで、ラストもいい感じ。

    島本理生「きよしこの夜」
    姉が自殺してしまった高二の女の子。
    武田くんに告白されるが、受け入れられない。
    つかず離れずの微妙な関係がリアル。

    関口尚「カウンター・テコンダー」
    ライバルを倒すために、闘い方を変えたいと、指導を求めてきた女の子。
    異色なスポーツ話。

    中田永一「宗像くんと万年筆事件」
    小学生のとき、人の万年筆をとった疑いをかけられた女の子。
    家が貧乏な宗像くんは、お風呂にも入らず、皆に遠ざけられていたが。
    まめに皆に質問して推理し、ついに濡れ衣を晴らしてくれた、英雄なのだ。

    橋本紡「薄荷」
    付き合っている相手がいる女の子。
    クラスには個性的な子もいるが、自分はそうではないと自覚している。
    それでいいんじゃないかなあと何となく思う日々。

    今野緒雪「ねむり姫」
    SFで、意表をつかれました。
    ねむり姫は王子と出会った途端、すぐ結婚する気になれたのだろうか?それで良かったのか?という疑問からの発想。
    とある惑星に不時着した16歳の少年OG。
    茨を切り分けて中に進むと、前に不時着したらしい少女がドレスを着てカプセルの中に眠っていた。
    遺伝子に傷がついて女性が生き延びられない宇宙で、100年後に望みを託してコールドスリープしていたのだ。
    大いなる者の意志?とはいえ他の誰かに勝手に決められた相手なんていやだという少女エヴァンジェリン。
    その気持ちを理解できなかった少年だが‥

    少女の内心をすぐ推測できなくて、遠い目になってしまいました。
    「そんなんじゃなくて、君が好きなんだ」と言って欲しかったわけね。んまあ♪

    テーマにぴったりなのかどうか?というと~ややばらつきがある気はしましたが、読んで損はないと思います。
    いろいろな味が楽しめるのが、こういう本の面白いところ☆

  • 「あの日、君と」と合わせて4冊買い。
    こちらは中田永一目当てで買いました。
    Boysの方と同様、別に「いつか、君へ」的メッセージは別にありません。

    これは中田永一目当てで買ったのだけれど、やっぱり面白かった。
    全体的に「あの日、君とGirls」よりは共感できたように思います。

    「てっぺん信号」(三浦しをん)★★★☆☆
    しづくと江美利の間の話は女子高生あるあるみたい。
    「げんきだすか」に変わったメッセージに勇気づけられます。

    「きよしこの夜」(島本理生)★★★☆☆
    欲しいものは求めるだけでは手に入らなくって、自分からあげようと思った時にふっと手に入るのかもしれません。

    「カウンター・テコンダー」(関口尚)★★★☆☆
    テコンドーが韓国のスポーツだと始めて知りました(笑)
    こんな風な「強い」女の子に憧れます。草壁京子よりもずっと強く、幸せになるんだと思います。

    「宗像くんと万年筆事件」(中田永一)★★★★☆
    1番好きでした。本当のヒーローはヒーロー面していないんだろうな。
    貸した10円以上のものを返してくれた宗像くんに泣かされました。

    「薄荷」(橋本紡)★★★☆☆
    25ページくらいの短くて、何気ない話なんだけど、どこか引っかかる感じが良い。ごめんねとありがとうを、幸福と悲しさを同時に感じるのは本当になんでなんだろう。

    「ねむり姫の星」(紺野緒雪)★★★★☆
    まさかの設定に面食らったけど、意外に面白かったです。

  • 6人の作家による短編集。
    自分のオススメは「宗像くんと万年筆事件」。
    ミステリー要素もあり楽しく読めました

  • *いつか、君とまた向かい合える日がきたら、伝えたい言葉が私にはある。三浦しをん、島本理生、関口尚、中田永一、橋本紡、今野緒雪…人気作家たちが描く、みずみずしく、彩りゆたかな少女たちの物語*

    「ねむり姫の星」(今野諸雪)が一番好き。少年OGが不時着した星で「ねむり姫」に出会い、二人で生活を切り開いていく。設定はSFなれど、二人が否応なしに惹かれていく様がつぶさに描かれていてキュンキュンです。
    「王子のくせに馬車も何もないっていうの?」とのっけからふて腐れ、不機嫌だったり、癇癪を起したりするお姫様を可愛らしいと思ってしまうOGと来たらもう…!決められた相手だから「しゃく」と、心にもないことを言ってしまうエヴァンジェリンもまた。girls編にふさわしい、くすぐったいような可愛らしい恋のお話。

  • 最終話、「ねむり姫の星」が衝撃すぎて他の感想が吹き飛びました。
    それまでの話は良くも悪くも定番の「少女」の物語で、のんびり読んでました。
    が。
    最終話に、いきなりSFを入れてくるとは…!
    平然と「宇宙船」とか書いてくるので、えっ、と。
    結局、このお話が一番気に入りました。
    SFとしては珍しい感じのほんわかした雰囲気で、ちょっとのんびりで不器用な主人公たちがとても可愛らしく思えます。
    でもいざとなるとかっこいい男の子…。
    やっぱりときめくわ〜。
    と思いつつ。
    ラノベ脱却を掲げておきながら、ティーンズ向けの恋愛モノを読みたがってる自分に苦笑。

  • 「薄荷」がとてもよかった。
    みんな感じているのにあまりに日常すぎて覚えてもいないような普段のやりとりを描く。大切にされて、幸せなのに、ちょっと悲しかった、なんてセリフをかくあたり、さすがである。青春時代はこういうなんでもないことに敏感になり、悩むもの。気持ちをちゃんと言葉に紡ぎ出すのはなかなかに難しいが、そこはプロである。全体的な凸凹のなさが気に入った作品。

  • 中田永一さんの宗像くんと万年筆事件がいちばん好きです。このシリーズって恋の話もあるけれど恋愛もの!とは断言できないような恋愛混じりの思春期に入りかけた頃のなんとなく特別な思い出みたいな話ばかりで懐かしくなってしまう心に残る作品です

  • 人気作家の青春物短編集。
    1つ1つが丁寧に描き込まれており、良書だと思う。

  • 短編集。
    2013/2/13

  • 各本に読みたい作家が入っていたので、集英社ナツイチ企画の文庫4冊まとめて購入。「いつか、君へ Girls」は、三浦しをん。
    どの話もそれぞれに良かったが、このタイトルに一番合っているのは中田永一の話だったかな〜。意外と今野緒雪の話が気に入った。

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