ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2009
感想 : 312
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087476323

感想・レビュー・書評

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  •  この本を読んだのは、自分が社会人になってからであるが、自分の大学生時代を思い出させてくれた。
     本のメインである、野々村荘のトンデモ住人との関わりや、作者の賞賛すべきアホな行動が大いに笑えるが、読んでいるうちに、大学生時代の自分にも「最後は何とかなるさ」のような、理屈の無い無敵な感覚があったなぁと感じてしまった。
     本を読み終えた今でも、社会人としてのストレスが溜まったときには、ふと、この本を手に取り、大いに笑って生きる活力を与えてくれる一冊となっている。

  • なんといっても最後の章がいい。

    嬉しいやら、せつないやらで、ごちゃ混ぜの気持ちになる。

  • 古本で購入。
    高野秀行2作目。

    もう出てくる話のひとつひとつがバカだし、登場人物も奇人変人揃い。
    ホントにこんなやつらいたのかと思うけど、この著者ならあり得ると妙に納得してしまうのが謎。

    幻覚作用のあるチョウセンアサガオの実を食べて意識不明になったり、風呂代わりにプールに行ってる内に探検部でプール通いが流行ったり、習った三味線で客引きをして友人と占い屋やったり…
    素晴らしいバカ(褒め言葉)。

    大学徒歩5分のボロアパート野々村荘で繰り広げられた珍騒動を笑う本、と思いきやなかなかどうして。

    後半なんか青春小説だよ。主人公30歳過ぎてるけど。
    後半に漂う切なさは、僕にはちょっと痛かったなぁ。

  • 高野秀行が風呂無しトイレ共同の三畳間(途中から四畳半)、野々村荘で過ごした11年の物語。ここにはなぜもこんなに変わった人たちが集まるのか・・・・・、住んでみたいとは思わないが行ってはみたい。

  • 辺境ライター高野氏の青春の記録。なんと11年にもわたる三畳ボロアパートの記録。前半は楽しく馬鹿な住民たちの様子を追っているのだが、後半からやや焦燥感も出始め、後半の非常に爽やかな恋愛のエピソードですっと終わる。こりゃいい。読後感が最高だ。まさに青春記だったな。30超えたおじさんとは思えないピュアな物語だった。

  • ワセダに惹かれ、拝読。イメージにあるようなかつての自由な風のワセダを感じられる。基本的には実話に基づいているらしいが、エッセイやノンフィクションらしい感じはなく、小説を読んでいるかのような奇想天外で、浮世離れした話だった。

  • 神田川の時代の話かと思ったらバブルの世に、こんな生活してる人もいるのかあ、と。そしてやっぱり楽しい。

  • 古き良きバンカラをバブル時代にやっちゃうことの面白さ、世間とのズレのギャップがひたすらおもしろい。
    自分は普段この手の時代錯誤な感じはわりとバカにしているが、本書を読むと大学時代に一年くらいやっておいてもよかったなと思う。
    特に大学生活5年間の最後の一年は一人で閉じこもって本ばかり読んでいたので、そのときに本書のような暮らしをしていたらすごく楽しかったと思う。
    著者は女に対してすごくウブで、その点はまったく共感できなかった。といいたいところではあるが、別れが惜しくて結局先方の家までついて行ってしまうとか、ああわかるわかる、それ惚れてるやつよね、という感じ。
    この手の群像話の魅力の大半は脇役が担っていると思うが、本書も例外なく脇役がよかった。脇役たちは今なら統合失調症だったり発達障害と診断されたりする感じだろうが、ふた昔前だからそういう人を生ぬるく笑って馬鹿にしつつも一人の個性ある人間として扱い一緒に生きることができたのだと思う。

  • 探検家の高野秀行さんの若かりし頃をベースに描かれた作品。
    ばかばかしいエピソードが散りばめられていて本当に楽しい。自分の通った大学もなかなか独特だなぁと思っていたけれど、早稲田大学周辺の(とくに本書に出てくる)人たちもかなり変わっていて、何だか親近感を覚える。
    髙野さんは若い頃から海外のいろいろなところに飛び出して思いもよらないことをやっているというイメージだけれど、日本にいるときもそれはそれで(むしろ逆に?)ぶっとんでいてすごい。
    こんな青春時代が今の高野さんにつながっているんだなぁということが強く感じられる作品でした。終わり方もとても良かった。

  • 活字で笑える本。
    生きてるだけでオールオーケーと思えます。

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著者プロフィール

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

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