教場0: 刑事指導官・風間公親

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864787

感想・レビュー・書評

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  • 風間さん大丈夫か。続編期待です。

  • 教場の、いつものパターンなので流れで読んでいたら、
    「指輪のレクイエム」のラストで、グッと来て涙・・

    女の人の愛情の深さとか広さ・・・
    男には敵わんなぁと思う。

  •  警察学校を舞台とした長岡弘樹さんの『教場』シリーズ。第3作は…『教場0』? 実は、風間が警察学校の教官になる前を描いている。

     T県警では、各署の新米刑事を、エース中のエースである風間の下につける「風間道場」なるシステムが存在していた。各話の視点人物は、それぞれ異なる新米刑事である。風間の目線に怯えを隠さない、若手ホープたち。スマホなど現代のツールが出てくることから、風間はつい最近まで刑事だったと察せられる。

     第一話からすごい。ダイイング・メッセージとはちょっと違うが、これぞIT時代ならではの告発法ではないか。第二話。芸術と現実の狭間。冷徹な印象の風間にしては、意外な心遣いではないか。人間は理だけで動かない。

     第三話。現実に、学校側と保護者の対立はよく聞くが、あまりに安直すぎる。まさか、最後の気力でそんな痕跡を…。第四話。主役級女優と、同居している男。演じ切ることはできなかった。「素」のときに、油断が生じてしまった。

     第五話は身につまされる。将来、同じような局面に陥ったとき、自分ならどう振舞うか。あるいは、自分が迷惑をかけるかもしれない。取り返しがつかない罪。

     いずれも、風間の眼力や着眼点に唸らされるものの、動かぬ証拠とまでは言いにくいだろう。容疑者を心理的に揺さぶり、落とすことが、風間の刑事としての真骨頂なのかもしれない。取調べ室で恫喝するような無粋は、風間らしくない。

     そして第六話。司法に携わる男の、身勝手な動機と、被害者の執念。もちろん、内容は注目だが、結末に愕然とするだろう。『教場』シリーズを読んでいる読者なら、風間の事情は知っているはず。なるほど、そういうことだったのか…。

     刑事としても、警察学校の教官としても、風間のスタンスは変わらない。彼は、自らの経験から、門下生たちに、警察官の卵たちに、覚悟を問うているのだ。風間の冷徹さは、覚悟のない者を篩い落とす、優しさでもあるのだ。

  • 2017/10/15読了

  • 遂に風間教官の義眼の秘密が明らかに!!
    短編の短い中で魅了するミステリーっぷりは今作も変わらずで、どの話もワクワクしながらあっという間に読み終わった。
    徹底した鬼刑事ぶりの風間。
    絶対風間刑事みたいな人が沢山いたら難事件もすぐ解決するだろうに…

  • 面白かったー。そうだったのかー。

  • 鬼教官が鬼教官である所以というか根拠というかが明らかに。これは面白い。こっちもシリーズ化してもらいたい。

  • 鬼教官が現場に!うわぁ。これは面白くない訳がない!
    1対多数の警察学校とは違い、「風間道場」という現場指導での1対1の指導はまさに生きるか死ぬかの闘い。負けたら交番勤務に戻されてしまうんだから新人も必死になろう。
    しかし、指導する風間の目は新人に対してとことん厳しくもあり優しくもあり。なにより、一人前の刑事に育てるために自分のもつ術を盗め!という気合がカッコイイ。

  • 【208冊目】1作目ほどの爽快感はなくなったな…

  • 風間の警察学校の先生になる前のお話。一つ一つの話が、よく考えられていていましたが、以前のぞわぞわ感がなかったかな。全二作は警察学校の中の生徒たちが落とし落とされで怖いイメージもありましたが、今回は「交番勤務をやり直せ」があるものの、緊張感が少なく感じました(あまり特徴がなくなった感)。ふーん、そうだったのっていうのはありましたが。

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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