- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094066845
感想・レビュー・書評
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Amazonの紹介より
お前は、ただの物知りになりたいのか?」
夏木林太郎は、一介の高校生である。幼い頃に両親が離婚し、さらには母が若くして他界したため、小学校に上がる頃には祖父の家に引き取られた。以後はずっと祖父との二人暮らしだ。祖父は町の片隅で「夏木書店」という小さな古書店を営んでいる。その祖父が突然亡くなった。面識のなかった叔母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、書棚の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を守るために林太郎の力を借りたいのだという。
お金の話はやめて、今日読んだ本の話をしよう--。
感涙の大ベストセラー『神様のカルテ』著者が贈る、21世紀版『銀河鉄道の夜』!
「21世紀版銀河鉄道の夜」というと、大袈裟かなと思いましたが、そもそも「本」の役割とは何なのか?原点を見つめているようで、本に対する考え方の幅が広がりましたし、改めて本の大切さを噛み締めました。
次々と待ち受ける「本」の「番人」。解決はしていくのですが、スッキリ解決というわけではなく、淡々と話し合って解決するので、「え?これで解決するの?」といったモヤモヤ感はありました。
しかし、主人公の芯ある「本」に対する考え方が、本当に本を愛しているオーラを放っていて、心に響きました。
また、印象に残る名言もあって心に沁みました。
「本には力がある」
短い文章ですが、ギュッと色んな要素が詰まっていて、印象深かったです。
主人公だけでなく、立ちはだかる「番人」の主張も「本」に対する考え方が決して間違いというわけではないので、色々考えさせられました。
主人公が様々な出会いを通じて成長していくのですが、今後さらにどのような成長が見られるのか楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読書量が多いと素晴らしいのか?効率的に教養を身につけるために、あらすじやひと感想を読んだだけで本を知った気になっていないか?難解な本理解が難しい本ははよくない本、耳触りの良い簡単に読める本が良い本か?本が市場の論理に絡め取られていないか?絶版していく本の行き先は?
本好きの主人公が以上の内容に真摯に思考する物語。
「本」を擬人化したところが新鮮だった。 -
一緒に暮らしていた祖父の死で一人になった少年が、叔母の家に引っ越すまでの間に起こった事件、というか冒険譚。突然現れた喋る猫に頼まれ本を助けに行く。その過程で大切なことを思い出し祖父の死からも立ち直る。
最初の数ページでラストが大体読めた。最後までどんでん返しもなく、思った通りの結末にいたる。
読書の入り口としてはいい本じゃないかと思った。 -
人生で何度も読み返したくなる本に出会えた
本の持つ魅力、なぜ読書が好きなのか、
立ち止まり考えずにはいられなくなりました -
考えない、理解力が低下している現代社会や若者に対する風刺が効いている。なるほど作者は医師なのか。
確かに論文を書き、根拠根拠と汗だくで資料を漁っていた時代とは変わってきてしまった今、本の価値は人それぞれになっている。
かく言う私もエンジョイ勢で深く考察する事はあまりしないが、読了後には作者の気持ちや背景を探ったり、果てには作中作品を読んでみたいと言う気持ちにさせられた。あとがきを読んでしてやられた感。
『‟ただがむしゃらに本を読めば、その分だけ見える世界が広がるわけではない。どれほど多くの知識を詰め込んでも、お前が自分の頭で考え、自分の足で歩かなければ、すべては空虚な借り物でしかないのだよ”』
医療人かぶれなので知識をつけるために専門書を読むことは多いのだが、本当に上記の文言が身に染みる。自分の言葉で話せるようになりたいものだ。
あらすじメモ
「お前は、ただの物知りになりたいのか?」
夏木林太郎は、一介の高校生である。夏木書店を営む祖父と二人暮らしをしてきた。生活が一変したのは、祖父が突然亡くなってからだ。面識のなかった伯母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、書棚の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を守るため林太郎の力を借りたいのだという。
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読書は何のためにするのか、を考える時間になった。
最近の私は本を如何に早く読むか、どれだけの文量をインプットできるかばかりに気を取られて読書が嫌いになりつつあったな、と反省した。これからは純粋に本の世界に魅了され、わくわくして本を読んでいる時は他のことを忘れるような、本に没頭する時間をゆっくりのんびり楽しむようにしようと思った。 -
自分の読書を振り返る
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作者の読書愛がとても伝わる本。たまには脳に汗をかきながら読んでみようかな、という気持ちになる。
いつか再びこの本に戻ってきたときには、よりたくさんのオマージュに気づけたらいいなあと思う。