私が先生を殺した (小学館文庫 さ 40-2)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094072501

作品紹介・あらすじ

私は“善人”か、それとも“悪人”か 「ねえ……あそこに誰かいない?」。全校生徒が集合する避難訓練中、ひとりが屋上を指さした。そこにいたのは学校一の人気教師、奥澤潤だった。奥澤はフェンスを乗り越え、屋上から飛び降りようとしていた。「バカなことはするな」。教師たちの怒号が飛び交うも、奥澤の体は宙を舞い、誰もが彼の自殺を疑わず悲しんだ。しかし奥澤が担任を務めるクラスの黒板に「私が先生を殺した」というメッセージがあったことで、状況は一変し……。語り手が次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りになる。秘められた真実が心をしめつける、著者渾身のミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • こちらも会社の方がオススメしてくれた為Amazonでポチってみた。

    何名かの生徒目線から奥澤先生について語られ、
    最後は奥澤先生目線で物語が収斂していく。
    プロローグで奥澤先生が校舎から飛び降りることは分かっているが、
    何故飛び降りなければならなかったのか?
    黒板に書かれていた『私が先生を殺した』の文字は誰が書いたのか。
    この辺りが解き明かされていく。

    最初から滅茶苦茶読みやすい文体で、短時間でサクサク読めてしまう。
    ただミステリとしては入り組んでいるわけではなく、
    最初からコイツ何かあるな・・・と思った人に要因があったわけで(^^;
    『私が先生を殺した』についてはまんまと作者にやられたわけだが、
    そこまでの感動は無かったかな(^^;

    奥澤先生が飛び降りる前か、飛び降りた後か、
    もう一押し大逆転があればもっと良かったなぁ(^-^)

  • 同じ時間におきているストーリーなんだけれど、人せれぞれ立場や見え方が違うって事が重なりながら話が展開され最後にはそう言う事だったのかと驚かされます。
    最近なかなか読書ができていなかったのですが、久々に読書する作品として読みやすい作品でした。

  • 読み易く、物語に入って行き易い。構成はだんだん真相に近付く群像劇で、宮部みゆきの「理由」がとても心に残ってる身としては大好きな構成。最後の章で見えているものがガラッと変わる点も良いし、タイトルに関しては上手い仕掛けが張ってあった。明らかに不審な点が序盤から提示はされてるので怪しいなとは思えるし、芋づる式に何らかの予測も出来てしまうかもしれない。それでも先が気になって一気読み、そんな感じだった。

  • タイトルの意味が終盤分かったときはゾクっとしました。
    面白かったです!

    湊かなえ先生の『告白』に似てます。
    そういうジャンルを打ち立てたってことですかね。
    好きな形式です。
    個人的には『告白』よりこっちの方が胸糞悪かったです笑

  • 面白かった。女子生徒とのわいせつ動画が拡散され、自殺を図った先生。生徒目線でそこに至る過程やその後が語られるけど、最終的な着地がああなるとは。途中から結末が読めたけど、それでも読まされてしまった。こんなことにならないよう、先生の待遇改善してあげてほしい。

  • おぉ、、。私が先生を殺したってそういう意味だったんだね。黒板に誰が書いたのか明らかになってスッキリすると思ったけどモヤモヤが残る最後。ブラックが過ぎる。学校という名の企業を守るために必死な上司たちと生徒を守るのに必死な教師。優しいがゆえ戻れない闇に落ちてしまったのかな。正直者は救われる世の中であってほしいと強く願う。同じことが繰り返し起こりそうな最後の展開には血の気が引いた。

  • 全校生徒が避難訓練で校庭に集まる中、屋上から人気教師の奧澤潤が飛び降り自殺をした。
    それ以前に会話していた生徒数人の視点から学校で起きていた事件の裏側が二転三転し、さらにそこに潜む真相が紐解かれる。
    先生はなぜ飛び降りたのか、教室に残っていた「私が先生を殺した」と書いたのは誰か。
    本編の不快とは裏腹に、個々の伏線が次の視点ではそういう理由だったのかをいくつも確認できる、読みやすい内容だった。
    5冊目読了。

  • タイトルを誰が言った(書いた)のか。

    章ごとに違った登場の目線で物語が描かれ、
    最後に真相が明らかになります。

    それぞれの思惑と
    それに振り回される奥澤先生
    色々抱え込み過ぎて
    身動きが取れなくなって可哀想

    タイトルの回収も良かったのですが…

    奥澤先生がなんとかしようと
    奮闘していた事は
    痛みは伴ったが正しい方向に転んだので
    良かったといっていいのかなぁ

  • ある高校で、全校生徒が校庭に集まる中、1人の先生が自殺した。この事件に至るまでの過程を、複数人の視点から紐解いていくお話。

    途中で話のオチがわかってしまった… あと、この話はあまりにも私たち読者の存在を意識しすぎていると思った…実際に生徒の立場だったら、事件後すぐに答えはわかったはず…

  • 面白かった。
    いろんな人の視点で語られていてワクワクしながら読めた。
    最後の感じがなぁ。
    少し読めちゃったし、自殺する理由になるかなぁって、先生に共感できない部分があった。
    全体的には面白かったです。

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著者プロフィール

2013年、第19回電撃小説大賞で大賞を受賞した『きじかくしの庭』でデビュー。21年、コミカライズ版『塀の中の美容室』が、第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。著書に、『幻想列車 上野駅18番線』『殺した夫が帰ってきました』など多数。本書は、相続を通し、バラバラだった家族が過去の軋轢や葛藤を乗り越える期間限定の家族の物語。

「2022年 『相続人はいっしょに暮らしてください』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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