海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 26169
レビュー : 2021
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001548

感想・レビュー・書評

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  • 近頃ハルキストと呼ばれる人たちの気持ちがわかってきました。
    内容は結構エゲツないのに、不思議と癒されてしまう。
    シュールさ、文体、台詞回し、食事とお酒、音楽、文学が入り混じる生活と芸術の融合、先の読めない展開と、出来事の交錯。

    今回はカフカ少年と、老人ナカタの物語が交互に展開されています。
    村上春樹といえば、これとノルウェイの森が有名だと思いますが、ノルウェイの森の気取ったイメージを感じなくなったのは、私自身の精神の成長なのでしょうか。
    まだ話の筋が少し見えてきたところなので、後半を楽しんで読みたいです。

  • 3度目の読了。初めて読んだのはいつだったか、強烈な感動が忘れられず、息子が主人公と同じ15歳になったのを機に手に取った。
    と、今までと違い、精神的にこんなに早熟な子はありえないと、つい現実の15歳と比べて余計なことが気になってしまい…。息子に勧めようと思っていたが、この良さが理解できるのはもう少し先だろうな。

  • ナカタさんとホシノさんの関係が好き。

  • あいかわらずの独特な世界観。
    村上春樹の世界に引き込まれましたとても中野区や高知が舞台になってるとは思えない雰囲気。
    ものすごく哲学的で全てを理解しようとするととてもじゃないけどついていけないけど雰囲気を味わいながらその世界観に浸っているとあっというまに読み終わってしまいました。
    下巻ではどう繋がっていくんだろう?
    そしてナカタさんがとってもいい味出してます。

  • 平衡世界がある時点で交差し収斂して喪失する、村上作品はそうした特徴を持っているが、本作品は他作品と比べてより具象的な印象を受ける。かつ直接的な残虐性や暴力性も備えている。ここにある世界はパラレルワールドではなく時空という概念を取り払った平衡世界が描かれる。

    田村カフカという15歳の少年を通した平凡な世界と極めて特殊な体験と、ナカタという存在がどう関係してくるのか、下巻を読み進めたい。

  • 個々はばらばらで、関係性の無いものに思えてた事が、繋がりそうな気がするところで終わった上巻。

  • いまのところ村上春樹ではこれが一番好きです

  •  村上春樹さんの代表作ですね。
     この作者さんの本は、最初に読んだ本が本当に悪すぎて、もう二度と読まないと思ってしまって、なかなかこの本も読むことがありませんでした。
     でも、最近出た1Q84を読む機会があって、それが思ったより面白かったので、この本を読もうと思いました。
     ただ、1Q84も読みかけなのにこの本に手を出すのはどうかなと思ったりもしたんですが、まあ読み始めてしまったものは仕方ない。

     物語の主人公は、15歳の男の子。
     その男の子は、何かから逃げるように15歳の誕生日を待って、今まで自分の住んでいた家から出ることを決意する。
     彼が向かったのは、香川県の高松市。
     そこで彼は、私設の図書館に行き、そこの職員と顔見知りになる。
     そんな中、彼が気を失っている間に、父親が殺されるという事件が起こる。

     最初は現実を舞台にした話だと思っていたのですが、そこにちょっと現実ではありえない要素が点在してる。
     このままファンタジーで終わってしまうならそれはそれでありだと思ったんですが、この作者さんだったら何か難しい実現可能なのか、可能じゃないのかわからないラストを持ってきそうで、今から終わりが楽しみです。
     最終的な評価はすべての物語を読み終わってからになりますが、今は続きが楽しみ、と素直に思えたのでこの評価にしておきます。

  • わかりそうでわからない交錯する物語。不思議なキャラクター達が織りなし始まる不思議なファンタジー。村上春樹さんの世界はわからないまま進んでいくけど、余韻を残す。ただ、台詞の端々に共感させられ、自分の経験を重ねることができ、考えさせられる言葉が散りばめられている。でも、わからない。読み手に感じるということと物語を預け、わからないという余韻を残しながらも小説に引きこむ。やはり一流だと思う。久しぶり先が気になって早く下巻を読みたいおもった。

  • ずっと村上春樹には苦手意識を持っていたけど
    読みやすくて面白かった。
    (昔ノルウェイの森を読んで、キザな文章が合わず途中で挫折した...。)

    家出少年の田村カフカ、文字の読めないナカタさん、
    そして謎の多い佐伯さん。
    いろいろ都合が良すぎると思う所もあるけど、
    バラバラな話が下巻でどう収斂されていくのか楽しみ。

  • タフな15歳になる。とカフカ。
    家出、父の死。
    自分への疑惑。

    事故のせいで町から出られない、ナカタさん。

    二人はどう交差していくのだろう。

  • 2009私的夏の文庫フェアの第2弾。 上下巻。

    『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』以来、約10年ぶりに村上春樹作品を読んだ。
    作品の面白さを比べたら、『世界の終わり~』の方が優れていると思う。

    この作品は謎に満ちている。難解である。
    大戦末期のお椀山における児童集団昏睡事件、カラスと呼ばれる少年、「猫殺し」のジョニー・ウォーカー、入口の石、カーネル・サンダーズ、入口の先にある世界…
    おそらくすべてがメタファー、寓意の表れであると思うが、「読者個々人の解釈に任せる」という作者のスタンスの下、作中でも作外でも何の説明もされていない。

    こういう、言ってみれば「エヴァ的」な手口はハマる人はハマるのだろうけど、僕はあまりしっくり来なかった。
    意味がありそうに思える一方、マクガフィンに過ぎないような気がしないでもない。
    ただ作中にチェーホフの
    「物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない」
    という言葉を引用し、
    「チェーホフはドラマツルギーを理解していた」
    というようなことを登場人物に言わせている以上、これらのモノ・コトは、それぞれ物語を構成する重要な役割を担っているのだろう。

    物語は2つのパートで進行する。
    父親を憎み、自分を捨てた母親を思慕する15歳の少年(ありがちなモチーフだが、このへんもエヴァ的と言えば言える)田村カフカ。
    お椀山の事件で知的能力を失った、猫と会話できる不思議な老人ナカタさん。
    一見無関係の彼らの物語が、徐々に収斂されていく。

    カフカ少年の物語は、一貫して「自分の物語」である。
    一人称による語りからして象徴的だが、カフカ少年(おそらく村上春樹自身)の物語は「内に閉じた物語」と言える。

    一方のナカタ老人の物語は、「他者の物語」である。
    三人称で語られる「外へ開かれた物語」と言っていい。ナカタ老人のモノローグというのは一切ない。彼がどんな人生を生き、どんな人間であったのか、結局はわからない。

    ところで僕が思うに、ナカタパートの主人公は実際にはナカタさんではなく、彼をトラックに乗せたことから物語に巻き込まれるホシノ青年だ。
    ホシノ青年は元札付きの不良で自衛隊上がりのトラック運転手、アロハシャツに中日ドラゴンズのキャップとレイバンのサングラスという如何にもなガラの悪さだが、今は亡き祖父を慕う親切な青年でもある。
    「幼い頃は何者かであった自分が、年をとるにつれどんどん空っぽになっていった」
    と独白するホシノ青年は、しかしナカタさんとの旅において「一段階上」の人間に成長する。別れ際、彼は
    「これからはナカタさんならどんなふうに見てどんなふうに思うのか、そう考えるようにするよ」
    という言葉を投げる。
    それはきっとホシノ青年が「ナカタさんの物語」という「他者の物語」を受け入れたところに起因すると思う。
    「自分の物語」を生き、現実世界に存在しない「カラスと呼ばれる少年」と対話し、やはり現実世界ではない「入口の向こう側」で思案するカフカ少年とはひどく対照的である。
    読者の視点から言えば、カフカ少年の物語は「あちら側の物語」であり、ホシノ青年の物語が「こちら側の物語」なのだろう。
    全ての物語にケリを付けるのがホシノ青年という点もおもしろい。

    正直わけわからん小説ではあるけど、試しに一読してみるのもアリ。
    ただ村上春樹的なオサレ会話、文学や音楽などの鼻につく小物が合わない人はやめた方がいいかも。辟易すること請け合い。

  • 家出をした15歳の田村カフカ少年の話と、漢字が読めずに都から補助金を受けながら生活するナカタさんの話が1章ずつ交互に同時進行する。二人は一見無関係のように見えるが、徐々にお互いの世界にその影を現していく。

    現実ではありえない世界に文章だけでぐいぐい引き込ませる村上春樹はさすがだと思った。早く下巻が読みたい。

  • 明るくなったら起きる。暗くなったらお風呂に入り眠る。
    暖かい太陽の光に当たる。チョコバーの甘味を感じる。
    朝ご飯をお腹いっぱい食べると、幸せな気持ちになる。
    身体に適度な負荷を掛けてたくさん汗を流す。

    その表現の仕方がとても素晴らしくて
    まるで実際に体験しているかのような感覚になります。

    これらの自然な生き方は、とっても気持ちが良いです。
    読んでいて「あぁ…気持ちが良い、幸せ…」という幸福感に包まれました。

  • 気づかないことや知らないことが、この世の中にはたくさんあって、それに気づくとたまらなく無力感を感じる。
    「こんなものがあったらいいのに」といった想像から物事は形作られて、現実を成す。誰もそんなこと想像しなければ、現実には起こりえない。夢は想像であり、その想像が現実となり、責任を持たなくてはいけなくなったとき、どうするのか?
    2つの話がどのように結びつくのか、楽しみ。
    この著者はいろいろなことを知っていて、咀嚼もできているように感じて、本当にすごいなあってつくづく思う。
    で、
    カフカ「城、変身、審判、流刑地にて」を読みたくなった。
    フランツ・シューベルトのソナタ。
    In dreams begin the responsibilities.
    幸福とは寓話で、不幸とは物語。(トルストイ)

  • 春樹作品は2作目。先輩から貸していただいたもの。
    先輩おすすめなだけあって、ノルウェイの森よりもこっちの方が好きかも。
    交互に繰り返される僕の家出の話とナカタさんの話が、やっと最後の方で繋がって来たかなぁという感じ。
    やっぱり、こういう風にはじめはバラバラなものがだんだん収束していく話は好きだなー。
    下巻も楽しみ!

  • 独特の世界観。
    途中、きつい描写があったりするけれど、
    面白かったです。
    個人的には、ノルウェイの森よりすきです。

  • ノルウェイよりも好き(^O^)/

  • 前回のノモンハン然りカワムラさんのシーンのリアルさに食事ができなくなりました。後編ではあれもこれもどうなっていくんだろう。楽しみだなぁ。

  • ナカタさんの独特な喋り方に魅了されました。

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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