風林火山 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101063072

感想・レビュー・書評

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  • 山本勘助の物語。
    300ページほどの本だったので数日で読めました。

    本書では軍師として描かれています。
    間者より軍師の方がピタッときますね。

    今川家で士官が叶わないところから、武田家で召し抱えられ、軍師となり川中島の戦いで死去するところまでが描かれています。

    物語の導入が上手かったです。
    青木大膳という浪人者を最初描いておいて、少ししてから勘助を登場させるところが上手く話に引き込まれました。

    信玄との関係性の他に由布姫(諏訪御料人)と勝頼に忠誠を誓うところも話の柱となっていますね。
    信玄は於琴姫も妾としたので、勘助は一度於琴姫の命を奪おうとしたりもします。

    軍師としての活躍も十分描かれており、評価の高い本であるのがわかりました。

  • 武田信玄の軍師山本勘助を主人公とした歴史小説でした。井上靖さんは僕にはとても読みやすい作家で、本作も、勘助から見た武田家、特に信玄が生き生きと描かれていたように思います。司馬遼太郎とはまた違った良作でした。

  • 中学生の頃、井上靖の作品が好きでたくさん読みました。大人になってから久しぶりに読みましたが、やはり好きです。何がいいのか説明しがたいのですが、描写だったり、文の流れ方だったりが心地よい。

  • 甲斐の武田晴信(信玄)の軍師となった山本勘助(やまもとかんすけ)の縦横無尽、波乱万丈の後半生を描いた【井上靖】のスピ-ド感ある娯楽時代小説です。武田軍に滅ぼされた諏訪頼重の娘・由布姫(ゆぶひめ)の気丈さに圧倒されつつも、戦国の世の凄まじい生き様を見せつけられました。上杉謙信との川中島の大激戦において、“”風林火山”の軍旗たなびく武田家の興隆に生涯を捧げた隻眼の老軍師は、壮絶な最期を遂げて本編終了となります。(イスラムの支配下にあったスペインの伝説の英雄を描いた映画『エル・シド』のラストシ-ンが目に浮かんできました。)

  • 舞台は大河ドラマ「真田丸」の時代の一歩手前、 武田信玄に仕えた軍師、山本勘助の働きを軸にして、武田勝頼の誕生、武田家、命運尽きるを予感させる。

    猛々しく荒々しい戦国絵巻というには、井上靖の真骨頂。芒が原に飄々とすさぶ風の印象が濃く、 むなしさがにじみ出るストーリー展開。

    しかし、こうしていろいろの歴史的人物・事項など小説にしたものを読み継いでいくと、いままで頭に入ってこなかった歴史が、俯瞰図をのぞくごとくわかるようになるからおもしろい。

    それにしても日本の年号はこうくるくる変わるのだろう
    この小説でも、天文22年、弘治3年、永禄元年と変わっていく。 たとえ西暦に直したとしても、印象が濃くはならない。

    仕方がない
    日本の歴史を俯瞰するには複雑な思考がいるのだ。

  • 綺麗な文章で古さを感じさせない小説。軍師の観点から描かれる苦悩の戦国時代が面白かった

  • 面白い
    テーマはよくわからないけど、短いし章立ててあって読みやすい
    敦煌もそうでしたが、井上靖さんの小説はけっこう古いはずなんだけど、それを感じさせないです

  • 井上靖の作品は、初めて読むが、昭和30年の作品とは思えないくらい、今読んでも色鮮やかな作品。
    登場人物の心象風景が手に取るように分かる。
    武田家のために、命を懸けて仕えた、軍師・山本官兵衛。
    官兵衛を信頼し、何事にも動じなかった武田信玄。
    信玄を愛し、最期まで信玄を信頼していた由姫布。
    それぞれが、三者三様に戦国の世を駆け抜ける。

  • 時代小説で山本勘助が主人公となっているが、武田に滅ぼされた諏訪の娘で勝頼の母である由布姫が大きな存在として描かれる。題名は男っぽいが内容は女性っぽい。

  • 2007年NHK大河ドラマの原作。1冊の本を1年のドラマによく膨らませたと思う。

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著者プロフィール

井上 靖 (1907~1991)
北海道旭川生まれ。京都帝国大学を卒業後、大阪毎日新聞社に入社。1949(昭和24)年、小説『闘牛』で第22回芥川賞受賞、文壇へは1950(昭和25)年43歳デビュー。1951年に退社して以降、「天平の甍」で芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」で日本文学大賞(1969年)、「孔子」で野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章。現代小説、歴史小説、随筆、紀行、詩集など、創作は多岐に及び、次々と名作を産み出す。1971(昭和46)年から、約1年間にわたり、朝日新聞紙面上で連載された『星と祭』の舞台となった滋賀県湖北地域には、連載終了後も度々訪れ、仏像を守る人たちと交流を深めた。長浜市立高月図書館には「井上靖記念室」が設けられ、今も多くの人が訪れている。

「2019年 『星と祭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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