白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104379

感想・レビュー・書評

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  • 最高傑作

  • 山崎豊子シリーズひとまず終わり。
    読みごたえがあって良かった。特に白い巨塔は私の生まれた年の作品でとても40年近く前とは思えない素晴らしい出来だと思います。

  • 医学界を題材に人間の本質を描いた傑作小説。
    医療現場・職場の人間関係・友情・家族・恋愛・人間の生き方が巧みに描かれている。

  • 第五部

  • なんて非情理、さりとてこれが現実世界。

    財前の最後の譫言は衝撃だった。医術に捧げた一生だった。
    成績優秀な苦学生であった彼もまた、白い巨塔の犠牲者なんだろう。

    日本の小説はハリウッドみたいな勧善懲悪ものって少ないんだよね。
    でも「悪」の側である万俵大介とか財前五郎にここまで感情移入してしまうと、
    最後因果応報な展開が来たときに受ける葛藤がすさまじい。

    何が悪かったのか。
    どこから間違ったのか。
    それではどうすれば正しかったのか。

    私はまたこれからしばらく、事ある毎に財前教授についてとくと考えることになるだろう。

  • 白い巨塔は、大好きな作家の一人である真山仁さんが、小説家を志すきっかけとなった本だとのこと。真山仁さんをもっと知りたかったのと、タイトルだけは知っていたこの本に以前から興味は持っていたので、この機会に読むことにした。

    第五巻では、不覚にも涙。

    財前は、小説の主人公ではあるが、その生き方が多くの人に影響を与えた。また、この小説を読んだ人が、小説が社会に及ぼす影響に感銘を受け、小説家になり、時代を経て、新たな社会問題を世に問う小説を生み出している。死してなお、生きる。世の中のどんな人のどんな死にも無駄なものはない。

    医療現場の問題を露わにしたこの大作を読み終えて、社会問題だけでなく、人の人生について改めて考えた。素晴らしい小説です。

  • 何度もドラマ化された本書。いま読んでも、全く色あせない。大学という組織、それも国立大学、さらに数ある学部の中でもいまだに別格扱いの医学部、そのなかでも絶大な権限・権力・お金を握り続けているのが外科。そして、弱腰の厚生労働省の体質と姿勢。こうした状況は、本書が書かれた頃、いまだ何も変わっていない実態といべきか。
    現在、山崎豊子氏が再度本書を書くとすれば、どんな主人公像になるのだろうか。やはり、国立大学医学部教授のポストに固持していくのか、それとも海外に飛び出し、さらに高みを目指していくのか、そんなことを思いつつ1巻から5巻まで一気に読み直した。

  • 財前教授はほんとにやなやつだけど、根っからの悪人ではない。本当は脆いし、母思いで、何より医学にはどこまでも誠実だった。大学病院が権力にまみれた世界でなかったら、きっと立派な医者だったんだろう。愛されて死んでいった。 最も信頼しているのが里見さんで、愛したのがケイ子、というのがなんとも深い。逆に里見さんやケイ子にとっても財前教授はそういう存在だと思う。 何を信念とするかは人によって様々で、一概に善悪でくくれるものでも他人が評価できるものでもない。それが人間なんだろうな。

  • 財前の死があっさりしたもんだな。黒部ダムに行こうと思わされた。それにしても医学と法学の取材量は物凄い。

  • ましてや、二審で勝訴させるとは
    里見・関口側にも正義にたったものの狂気も感じられる 怖い
    悪役も描ききる度量が山崎豊子にはないのが惜しまれる ハゲタカとか読んではいかがか 教授選のようなものをもっと書いて欲しかった
    面白いんだけど、もう一皮剥けたのではなかろうかと 惜しい あと数十年生まれるのが遅いと良かったかもしれない

  • 第一巻に感想記載

  • 医療はどこまで混迷を続けるのだろうか?
    現代にもつながる医療界の闇に迫る長編大作です。

  • 医療現場の重厚なストーリーに、終始引き込まれていった。
    財前の名誉欲の大きさは、責められることなのかどうか…。
    医師は神ではない。
    が、患者側は時に神にすがるように接する。
    財前の心情は単に思い上がりでは片付けられないと思った。
    原作は元々、第一審までで、それ以降は続 白い巨塔であったそう。
    唐沢寿明主演のドラマが頭の中を駆け巡っていました。

  • 読み終えて、寂寥感に溢れています。
    元々、「白い巨塔」は3巻までで、4巻と5巻は「続白い巨塔」だったことを知りました。
    確かに5巻までないとここまで感慨深くないでしょう。
    続けて読めて幸せですね!!

  • 2013年2月4日読了。

  • 5巻あったのですが、あっという間だった。逆に言えば、簡単に読めるということかもしれない。財前は欲と権力にまみれたまるで悪役のような書かれ方をされていましたが、最後まで正真正銘の悪役ではなかったところが、物語の核としてとても良いと思う。1巻の最初に、こっそりと実家の母親に送金していたように。死が近づくと多くの人が必死に回復を祈ったように。
    ここまでストーリーに重きが置かれた作品を読んだのはとても久しぶりだったので、あまりに読むのが楽で驚いた。読書をしたという感覚は全くない。ストーリーを追うのは最早読書ではなく文字の映画を見ているようなかんじ。文学としての意味と娯楽としての意味とを考えざるを得ない。

  • 前編・後編に渡る財前教授の人生。某医学大の話らしい。

  • 前半の野望編と後半の裁判編ともあっという間に引き込まれる描写がとても良い。ページの残りが少なくなるのが寂しくなる。
    入社後にいた大阪の地名も懐かしい。

  • 読了。

    発汗依頼月日の経っている作品にもかかわらず、感じさせない面白さがありました。

    ドラマを後追いで見ながらだったので、財前は毛深いっけかーとか、ケイ子はコテコテの浪花言葉じゃ無いのかしら?なーんて言いながらも、キャラも、しっくりきたので、より読みやすかった。

    然し、無念のラストですなぁ。

  • 次々と読みたくなる第5巻面白かった。医療用語も多くあり、勉強になった。大阪を中心に舞鶴や金沢が舞台となり、自分が住んだことのある地域ばかりで少しびっくりした。まるで、戦国時代の武将の争いのような印象も受けた。人の命の尊厳さを強く感じさせてくれた。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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