新史 太閤記(上) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152103

感想・レビュー・書評

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  • 「国盗り物語」に続いて読み始めました。同じ時期の他の人物の出来事が重層的に展開。より深く楽しめた。皆、魅力的。

  • 【文章】
     読み易い
    【気付き】
     ★★★・・
    【ハマり】
     ★★★★・
    【共感度】
     ★★★・・

    肉付けされた部分がどこなのかは分からないが、織田信長が勢力を伸ばせたのも、秀吉の謀によるものが大きかったのだと思った。
    黒田官兵衛について興味が湧いてきた。

  • 2017/3/31-4/29

  • 読み易い、すいすい読める。その理由は解説に書いてあった。著者は日本の歴史を知らない外国人でも楽しめることを意識して書いているとのこと。どうりで注釈なく読めるのか。
    内容としては秀吉の不遇の時代から全盛期でこの本は終わる。かっこいい秀吉。

  • 読み応え十分。

  • 『真田丸』に触発されて再読、★評価は再読了後に。
    うーん、まさに司馬遼節炸裂。しかも枚数に制約が課されていたのか、話がコンパクトに纏まっているから読んでいて楽。まぁこの文体と言うか、口調は嵌る人には堪らんのかな。あんた横で実際見たんかい?と突っ込みどころ満載だけれども、世界の構築という意味では他の追随を許さんという感じ。
    下巻での秀吉の描き方に注目。当方、この人物ははっきり言って好きくありませんので尚更です。

  • 猿がいかに信長の手足になることに徹底していたか。

  • 「私は上総介殿をきらっている。足下は上総介殿が士を愛するといわれるが、あの態度は愛するというより士を使っているだけのことだ」
    「これはしたり、貴殿ほどのお人のお言葉とは思えませぬ。愛するとは使われることではござらぬか」
    (なるほど)
     半兵衛は、あざやかな衝撃を受けた。なるほどそうであろう。士が愛されるということは、寵童のような情愛を受けたり、嬖臣のように酒色の座に同席させられるということではあるまい。自分の能力や誠実を認められることであろう。理解されて酷使されるところに士のよろこびがあるように思われる。

     猿の美質といえば、他人の悪口、蔭口、告げ口をいっさい言ったことがない、ということではないか。もし猿が告げ口などをするとすれば、完全無欠な佞臣、嬖臣である。
     もともと猿には、佞臣の才能と素質がある。主人の気心や好みを機敏に察してたくみに迎合するという猿のこの才能は、世にいう佞臣、嬖臣の才能であった。
     猿も、それがわかっている。
    (おれには、奸悪の才能がある)
     と、みずからの心のなかをすみずみまで知っている。そういう自分の知恵のふかさ、頭のめぐりの早さを、空おそろしくなることさえある。
    (おれのような人間は、一歩あやまれば身をほろぼす)
     それさえも、知っていた。近隣の国々にはその例が多かった。鷹匠あがりの小才子が主君に取入って寵臣になり、主君に淫逸をおしえ、ついには国をほろぼしたりしている。妾の縁につながって卑賤から取立てられ、昼夜主君の側に侍し、その国の国老よりも威権をふるうという例もある。信長の舅の斎藤道三がそうであった。京から流れてきた油商人でありながら、主君の弱点をにぎり、主人に酒色をすすめて骨抜きにし、ついに美濃一国を横奪りしてしまった。
    (事実、おれの鰻のぼりの出頭(立身)ぶりは、そういう目でみられても仕方がない)
    その種の才能も、猿にはあふれるほどあるのである。
    (佞臣とおれとは、きわどい差だ)
     だから自戒していた。一歩誤らぬために猿には禁忌があった。家中の侍の批評をしないことである。後年、猿はこの禁忌から解放される身分になったとき、人物の長短についてゆだんのならぬ批評家になったが、この時期、猿は懸命に我慢していた。この我慢ほどつらいものはなく、この我慢ほど腹ふくるるわざはないが
    ーー言えば、悪口になる。
     と思い、耐えぬいていた。まして信長に他人の告げ口をするなどという卑劣なことをしたことがない。それはせぬことが、猿を佞臣であることからまぬがれさせ、さらには陽気な働き者ーーというまるで違った印象を信長にあたえているのである。

  • 司馬遼太郎さん 豊臣秀吉が主役の話を初めて読んだ
    なにを読んでも引き込まれる
    下巻が楽しみです。

  • 相変わらず読み易く、また非常に軽快。秀吉の性格も非常にスジが通った形で描かれていた。尾張人と三河人の比較論は面白い。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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