新史 太閤記(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152103

感想・レビュー・書評

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  • 藤吉郎(羽柴秀吉)を主人公に物乞いから信長に使える大将へと成り上がっていく戦国物語。

    出てくる登場人物が本当に濃いキャラクターばかりで戦国時代をリアルに描かれている。
    猿と呼ばれた秀吉がどんな人物であったか、
    信長の事をどれほど思っていたか、
    竹中半兵衛、黒田官兵衛、才覚ある武将を登用し、人の心を掴む人たらしという才能を思う存分発揮し、朝鮮攻略という大志を抱いて激しい時代を生き抜く様をありありと描いた大作。

    文句なしの5つ星だった。

  • 司馬さんの書く小説面白いです。
    成りあがるお話とても楽しいです。

  •  秀吉の前半生に持っていたであろう天性の明るさを十二分にまで描き、その出世していく姿に対して、小説の力で見事なまでに面白さを加味しているところに、加速度的にのめり込ませられた。
     当時としては、現代よりも当然として自身の能力よりも重要視されている家柄などのことに加えて、自身のコンプレックス(猿顔、血筋、身体能力等)をいかに単純に逆転していくかといったものでなく、あまり描き過ぎていないところがいいのかも知れない。
     それ故に人たらしは何処か納得はするものの、真似のできない、捉えどころのない秀吉自身しか有せない、個性(とでもいいのか)と浮かび上がる。
     下巻に秀吉の影がどの様に濃くなるか、気になるところではある。

  • 秀吉の放浪少年時代〜42歳毛利氏との戦いまで。最後で竹中半兵衛が死んでしまった…ショック。

    秀吉が人たらしの能力を発揮して実績を残し、少しずつ信長の信頼を得ていく。その賢さに舌を巻くのと、信長の烈しいパワハラにハラハラする。

    頭の中でドラマ信長協奏曲の配役に置き換えて読んだけど、秀吉の顔の描写がひどすぎて(特に物語前半、ひたすら猿顔についてディスる司馬遼太郎…)、山田孝之と合致しなかった。笑




  • 秀吉が鰻登りに出世する様子を見てかなりの勇気をもらいました。自分のコンプレックスを強みに変えていく様が何とも言いようがないくらい素晴らしかったです。普通に考えれば落ち込む所ですが、良いように考え人生が好転していく、これは自分の生活にも十分役に立てると感じました。

  • ここのところ、どんどん司馬遼太郎ワールドへのめり込んでいく気がする、現代の歴史ドラマや小説は、視聴率やベストセラー狙いで、感動や涙を誘う演出・脚本ストーリーを盛っているような気がしてならない、しかし、この太閤記もそうであるが時代背景を元に淡々と進行していくようであるが著者の想いが伝わってくる、飾りすぎず、商売が原点でなく、とことん人物や時代に拘った作風が最近心地よく感じてしまう。

  • 駿遠の者は、要害を軽視し戦が起こったら三河者を戦わせている。猿=のちの日吉丸は思った「それでは三河兵が戦慣れして強くなるばかりではないか」また「当地は平和すぎる、志は伸べられぬ」。戦国武将のうちでも秀吉は最も下層から、のし上がった。僥倖もあれ出逢ったキャラを利用し、しかも利用されたと恨みを残さない利用法が成功の鍵か。多彩なキャラが登場。表情豊かは主人公の絶対条件、出世するものは凡庸な朋輩に憎まれ嫉まれる。著者は人蘯しという特性を付け加えた。美醜とは何だろう「この男は顔立ちに負け目を感じたことは一度もない」

  • 毛利方との高松城での戦までの上巻。秀吉活躍こそ戦国時代末期を飾る大きな歴史の分岐点であり、劇的な展開が用意されており、作者が描けばそれは面白くなります。
    人たらしの秀吉らしい爽快なエピソードや軍略、信長や黒田官兵衛をはじめ有名どころの登場と、そこそこの厚さの上下巻でもテンポ良い展開で飽きさせません。
    読み手すらたらさせる秀吉の人間的魅力を以てこその天下取りと改めて感じさせます。

  • かなり面白かったし、読みやすかった。
    特に、藤吉郎の信長に対する感情が細かく書かれていて、楽しかった。
    藤吉郎の「人たらし」能力は、現代の方が重要な気がした。

  • まさに出世モノの王道。ワクワクしながら読めます。
    司馬さんの生き生きとした人物描写が、さすがという感じで、何といっても、信長と“猿”の主従関係が絶妙すぎます。相性が良かったのでしょうね。
    この巻は、秀吉の少年時代から、中国攻めで黒田官兵衛と出会い、竹中半兵衛が逝くところで終わります。
    下巻が楽しみです。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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