- Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101152103
感想・レビュー・書評
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まえはら
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出版当時は「新史」太閤記、今や「真史」太閤記。秀吉像を作り上げた一冊。
まるで見ていたかのような人物描写、圧倒的な筆力。最後まで一気に読ませます。
上巻は荒木村重の反乱まで。 -
古本で購入したもの。
夫実家は生粋の大阪人で、いわゆる太閤びいきなのだが、夫実家の蔵書にあった、司馬遼太郎「豊臣家の人々」を読んだら面白くって。司馬遼太郎にもなんていうか、とっつきにくいイメージがあったが、そのイメージがいい意味で裏切られた。
で、この本を図書館で探したがなかったもんで購入。
日本史、戦国時代の知識はゲーム「戦国無双」シリーズによるところが多い私なのだが、とても楽しい。
人たらし、女たらし(というか高貴な血筋の女への執着が強い)、自分の血筋へのコンプレックス、異形(猿面)、人の情を重く見た作戦立案、信長への憧憬などなど。下巻も読む。
黒田官兵衛の人となりというか、あまりよく知らなかった(ゲームでは顔色の悪い策士として描かれていたが、これは荒木村重によって伊丹城に捕らえられた時、そこから解放されたと時の姿をモチーフにしているんだろうなあ)。
p513あたり、官兵衛には才覚や機略だけでなく周囲への誠実さがあるからこそおそろしい、みたいな話があって、黒田官兵衛について知りたくなった。 -
下巻にまとめて記す。
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2021年8月10日読了。貧しい生まれから機転と才覚で信長の筆頭家来まで上り詰めた快男子・秀吉の物語。山田風太郎版太閤記を読んだ記憶も新しいうちの読了、比べてみるとイベントの時系列・人物像などはほぼ変わらないものの、こちらの物語から漂ってくる司馬臭というか、男はみんな青雲の志を抱く裏表なく爽やかな偉丈夫で、女はみんなたおやかで男に言い寄られても断らない、みたいな世界観がどうにも鼻につく…。(まあ山田風太郎もどっこいだが)しかし、司馬氏がどれほど秀吉を殺人嫌いの快男子に描いても、彼の後半生を見るとこちらが本性だったとしか思えないと思うが…。下巻にも期待。
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司馬遼太郎さんも好きです!
太闘記も好きで、結構、読んでます!
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以前に読んだものを再読。
やっぱり面白い。
登場人物が生き生きと描かれていて、こういう人だったんだろうなぁと思わせる。 -
20210426
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おれはこの世で立つ何物も持ちあわせておらぬ。金も門地も。せめて律義でなければ人は相手にすまい。
いやはこの世は、いわば長い狂言の場ではありますまいか。 -
豊臣秀吉。
その名を聞いて思い浮かぶ人物像としては”陽気"
"女性好き"そして"人誑し"…などが挙げられる。
司馬遼太郎はその"人誑し"の才能に重きを置いて物語を進めている。
それも、彼の持って生まれた人を惹きつける笑顔と陽気さの裏に隠された暗い、計算尽くされた側面を描くことで豊臣秀吉という将の器の大きさがより見えてくるから不思議だ。
上巻では、織田信長という偉大すぎる存在が豊臣秀吉の一種の鎖として機能していた。しかし、あの本能寺の変で織田信長が亡くなった後…、鎖を失った豊臣秀吉の躍進を思うと、高揚感と同時に薄ら恐ろしい感覚さえ覚えた。