家族八景 (新潮文庫)

著者 : 筒井康隆
  • 新潮社 (1975年3月3日発売)
3.67
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  • 527レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171012

家族八景 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 2017年12月30日読了。読心能力者(テレパス)の七瀬が住み込みのお手伝いとして転々とする8家庭それぞれが見せかけの下に隠した真の顔と、七瀬の関りにより発生する変化の結末は。筒井康隆の「七瀬三部作」の第1弾。超能力版家政婦は見た、という感じで、いちいち悲喜劇的な結末を迎えるそれぞれの家庭が悲惨。考えていることと行動が違うのは誰でもそうではあるが、このお話の8家庭はどれも極端…。もし七瀬が読心能力を持たなかったとしても、どの家庭での仕事も結局はうまくいかなかったのではないか?とはいえ精神感応能力の描写など、よくまあ想像力だけでここまで迫真のストーリーが書けるものだと感心する。面白い。

  • 醜いが故の人間

  • ひとの心が読めてしまう少女・七瀬は自らの力を知り、試すためにもお手伝いを職として様々な家で住み込みながら働いていた。
    その中の8軒の人々のエピソードをまとめた1冊。

    元々ドラマを昔に観て、とても好きだったので手に取った本。
    ドラマはかなり原作に忠実だったんだな〜。
    人の心が読めてしまう七瀬にとって、住み込みで働くというのは興味深い反面とてもリスキーで、読みながら自分だったら?を常に頭の片隅に置いていた。恐らくもっと人をけしかけたり、コントロールしようとしてしまうだろうなあ。
    最後の亡母渇仰のラストが壮絶すぎて、もし自分なら狂ってしまいそう。

    生活の中で、相手の気持ちが分かればなあと思うことはままあれど、人の心が読めるのは幸せなのかね、不幸せなのかね。

  • 七瀬ふたたびを先に読んでしまい、七瀬シリーズの存在を知って興味を持ったので読んでみました。

    時系列的には、七瀬ふたたびの前の話みたいです。
    内容は、七瀬が家政婦として様々な事情を抱えた家々を転々とする…という様な話なのですが、ふたたびの時みたいなハラハラする展開は少なく、只々人間の心の闇の部分をクローズアップしたような話ばかりでした。

    それでも人の心の闇ばかり見てるわけじゃなくて、オチが微妙にスッキリしたり、驚くような展開も多く、人の心の闇についての話が好きな私には、読んでいて飽きなかったです。笑

  • 人の心が読めたなら、便利だろうなぁと思うのは普通の人だからか。始めてこの話を読んだとき、「幸せにはなれないんだなぁ」と思って七瀬がいじらしかった。まぁきっとここがヒロインとしての『落とし所』であり当時の私はまんまと『落ちた』事に大人になってから判った。

  • 中学生のとき初めて読んだ文庫の小説だったことを思い出した。
    小説を気持ち悪いと思い、それ以来小説を読まないきっかけを与えてくれた。
    今思えば刺激が強すぎる面白さだったため、
    本能的に何かの危険を察知して敬遠したのかもしれない。

  • 10代後半から30を迎える手前までの10年余の間に読んだ文庫本を、少しずつ読み返すことに。スタートは筒井康隆。当時読んだきり、はなれてしまっていたので新鮮です。

    ちょうど一年ほどまえ、NHKで「七瀬ふたたび」がドラマ化されたのを観ました。その時に、この「家族八景」から始まる‘七瀬三部作’のことを思い出し、もう一度読みたいなと思っていたのですが、古い本は全て、実家の納屋の中。最近の帰省で掘り起こして少し整理し、段ボール3箱分、現在の住まいに送り返して、再読リレーを開始…

    と、すっかり前置きが長くなりました。本題の「家族八景」。人の考えを丸ごと読む超能力を持つ少女・七瀬が主人公。一所に長く居続けると、自分の特異な力を露呈する危険が大きくなると恐れる彼女は、職場を転々としても不思議に思われないという理由で、家政婦となっている。雇われた家庭内に渦巻く意識下の愛憎が、七瀬の‘第三の目’によってあぶりだされる。

    これはこんなに恐ろしい話だったか?目に見えない人の心を覗くということだけでもかなりスリリング。さらに怖いのは、七瀬が自分を守るために力を駆使したときの結末。ほんの‘いたずら’的な仕掛けで、巻き込まれる人々の人生を大きく変貌させてしまう…怖い怖いと思いながら、もっと覗き見したいという好奇心で読み進め、8つの家庭を巡る禁断の旅を終えました。

    自分の特殊な力を確実に強めながら、力を隠して生き延びるためのしたたかさ、余りにも醜い現実にのみこまれまいとする抗い、常人じゃないことで感じる孤独…いろんな‘意識’との闘いあるいは共存の道を求めていく七瀬。この先彼女はどんな人生を歩むんだろう?気になる。読み終わったときに、心に残る七瀬の存在感は絶大です。

  • 2018.2.16

  • 2018年1月5日読了。
    2018年12冊目。

  • テレパスの能力を持つ七瀬は自らの力を隠しながら住み込みの家政婦として様々な家庭で働くものの、期せずしてその家庭の偽りや歪みを浮かび上がらせてしまう…という短編集。

    お互いを憎み、軽蔑し合いながら偽りの平和な家庭を演じる家族「無風地帯」
    不潔さを暴かれた家族の暴走「澱の呪縛」
    年齢を気にせず人生を謳歌しようとする妻とそれを苦々しく思う夫を襲う悲劇「青春謳歌」
    エロ親父に七瀬が襲われる「水蜜桃」
    研究に没頭したい夫と嫉妬心の強い妻による「紅蓮菩薩」
    お互いに隣の家族の配偶者が気になっている「芝生は緑」
    家族から厄介者扱いされながらも絵画に没頭する画家に七瀬が好意を抱く「日曜画家」
    強権的だった母親の葬儀がやがて壮絶な結末を迎える「亡母渇仰」
    の八編収録。

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