旅のラゴス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171319

感想・レビュー・書評

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  • 壮大。

    旅をして様々な出会いが、ラゴスを
    成長させていく。

    冒険に憧れるね。
    決して急がず、しかし着実に進んでいく。
    そんな人生にしたいですね。

  • いろいろなことが起きるが、一人称なのにすべて淡々と語られ、心理描写がごく少ないのがまず新鮮。聞いたことのない生き物もたくさん登場するけれど、それがどんなものかも説明されないし、世界観も背景もすぐには判らないが、そういうことのタネ明かしもない。物語として収束もしない。かなり突き放された感じなのに、なぜか主人公に一種共感しながら読める。すごい筆力と思う。

  • 長年気になっていたものの読まず嫌いで読まなかったのを損するくらい面白かった

    ラゴスかっこいい。

    世界観は不思議だけど、何も考えずに読める。
    ただ、最後がすごく気になる終わり方だった。
    どうなったのかな。

  • 文明を失った代償に人々が超能力を得た世界で、終わりない旅を続ける男の話。
    青年時代から70歳過ぎまで、様々な地を訪れ、ゆく先々で女性といい仲になり、奴隷にされたかと思えば王へと上り詰め、その地位を捨ててまた旅立つ……。
    旅に出たくもなるのですが、それ以上に自由や学問の素晴らしさを感じる一冊です。

    旅の中でここが山場! という箇所があるわけではないのですが、薄めの本ながらとても壮大な物語を読んだ気分になれます。

  • 集団転移、壁抜け、精神同化、空中浮遊といった超能力を文明を失った代償として手に入れた人々。ラゴスは旅をする中で王様になったり、奴隷になったり、様々な女子に好かれたりと大忙し。
    各章が短編のような扱いになっており、とてもあっさりしているのが好印象だった。
    ただ舞台となる世界がどのようにして成り立ったのかといった伏線がところどころで散りばめられていたが、最後まで回収されなかったのが、なんとなく物足りなさを感じたかな。まあそれがファンタジーなんだと言われれば、それっきりなんだが…。
    あと筒井先生の知的な文章がとても素敵で、読んでいて好奇心が刺激された。

  • H29.4.15 読了。

  • 北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。
    「BOOKデータベース」より

    時間が経つのは早いね、てこと.あれから○年経った、とか簡単に書きすぎだよー
    まぁ、まさしく人生は旅、という内容.
    もう少し感想らしきものを書きたいけど、なんというか、かすかな違和感を覚える.
    形になったら追記する.

    追記:
    やっぱりあれから○年経った、と今の時代に沿っているような沿っていないような内容がイマイチだったのだろうな.
    小説って細かな描写とか(細かな描写が書かれていないとは言わないけど)心境の変化とかが書かれていることを期待して読んでいるけど、それが期待したほどではないのかなと思う.
    情報量が多い現代にあってクローズアップされる人々の経歴は○年××、○年△△・・・とすっとばしてすばらしさが語られるけど、そこに至るまでにはいろいろあるわけで、小説に求めるのはそこにあるいろいろなわけで.それをニュース的にすっとばして語られていることに違和感を覚えたのかも.それを「旅」というのであれば、成功してるよ.でも、私はそれを旅と思えない、というところにギャップがあるんだな.
    まぁでも、これはコレだな.流れる感は感じるし、理解できない心境というのがあるんだな、ということが分かったという点で読んでよかった、と言えるのかもしれない.
    自分が小説に期待しているものが期せずして、再確認された.

  • 筒井康隆さんがテレビに出演される際には、必ず見ています。ウィットに富んだお喋りが大好きなので。なのに作品は全く読んだことがなくて、今回初めて読みました。興味深く読めたんですが引き込まれるまではいかなかったです。でも、他の作品も読んでみようと思います。

  • インスタ紹介で気になった『旅のラゴス』(筒井康隆)。

    実はだいぶ前に図書館に置いてあるのを見て「あれ何なんだろうなー…」と思っていた1冊でもありました。

    実世界のみならず、ネットの世界でも見て気になるのだから何か縁があるのだろうと手に取った次第。

    1人の男の読書求める苛酷な旅を通して、

    ●体系的な読書法

    ●自己を放つ目的を伴った旅

    を読んだ気がするな。

    【動】と【静】どちらか片方じゃなくて、どちらも必要である事、

    読書においても個々人に得意分野がある事も読めて楽しかった。

    平成6年と古めだけど、「面白い」と感じる本に新旧関係なかった。

    ただ…

    物語中においてあまりに時が経つのが速すぎてビックリしたけど笑

  • 高度な文明が失われた世界で、時には魔法の様な力を使いながら、1人、大陸の果てから果てへ旅をする男、ラゴスの物語。

     数年前に、どこの本屋でも推されていたため気になっていたのだが、本を読む時間ができたこのタイミングで購入。推されていたのはここ数年だったはずだが、初版はなんと1986年だという。しかし、読み始めると全く古臭さなどは感じず、一気に読み進めてしまった。
     ジャンルとしてはSFになると思うが、大掛かりな機械や宇宙を巻き込んだ戦いなどはない。ただ、少し特殊な力を持つ人々が文明が衰退した世界で暮らしており、そんな世界で主人公ラゴスがある目的のためにひたすら旅を続けるだけだ。SFとは「少し 不思議」の頭文字をとってSFだと言う人もいるが、まさにその様な印象を受けた。
     読み終わってみれば、そこまで長い話ではないはずなのに、壮大な物語をずっと読んでいたかの様な錯覚を受けた。作者の確かな表現力が、ラゴスと共に長い旅路を辿ったかの様な感覚を覚えさせるのだろう。
     外出自粛が叫ばれる今、ラゴスと共に旅に出てはいかがだろうか。

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著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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