- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181752
感想・レビュー・書評
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ハドリアヌス。皇帝として初めて髭をたくわえ、ギリシャにひかれる。治世の間、ローマにあまりいない。ジッとしているのは性に合わない。働き盛りの年頃、アンティーノという11月27日生まれということしか今ではわかっていない美しい少年に出会い寵愛する。
おそらく美を愛する皇帝でもあった。
20101218詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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他-9999999-001 -
メモ:皇帝ハドリアヌス。ギリシャ文明と狩猟への嗜好。反ハドリアヌスの4人の執政官経験者を粛清。視察巡行。帝国の安全保障の再構築。ブリタニア、ハドリアヌスの防壁。ローマ法大全。パンテオン。
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5/31:トライアヌスの起こした戦線を収集させ、平和(パクス)を重視した治世を行った。領内(現フランス、ドイツ、モロッコ)を精力的に視察し(視察、っても今の政治家のような旅行気分のものではない)把握、改善をおこなった結果、望んだ平和が得られたんですな。このころのイタリア人は非常に柔軟で真面目な人種だったんだね。解放奴隷上がりでも、ローマ法典をまとめた一人にもなっているしね。能力がある人にはどんどん仕事と地位がつけられたのでしょうね。公正をモットーとしたハドリアヌスの時代だからこそかもしれませんが。
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5/27:トライアヌスの次の皇帝ハドリアヌス。2代続いてかっちょいい名前だわ。 -
非常に面白かった。
至高の皇帝の次の皇帝という大業を任されたハドリアヌスを、筆者は「一生を通して官能的な男だった」と評しているが、まったくうまい表現があったものだと思う。
皇帝となって早々、主権者たる元老院の有力者を粛清し逆風にさらされる皇帝。その後、人気の回復に努め、全幅の信頼を置かれたと判断すれば、即座に広大なローマ帝国視察の大旅行に旅立つ。
旅行といっても物見遊山のそれではなく、防衛線で安全保障に努め、辺境でインフラの整備をし…と皇帝に求められる任務を次々にこなしながらの旅である。
行動型の皇帝ということでカエサルを髣髴とさせる皇帝だと思った。
そういえばカエサルこそ官能的な皇帝(独裁官)の代表格だろうしな。彼は言葉どおりの意味でセクシーだったようだし(笑) -
2006年8月頃読了
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ハドリアヌス
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ネロの自殺後の混乱期を乗り切り、国の復活に尽力したトライアヌス、
ハドリアヌス、アントニヌス・ピウスの三皇帝。
創業者以降の危機をどう乗り切るかについてのよい題材が多く含まれている。
☆4.5 -
2008/11/15
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至高の皇帝トライヤヌスの治世を引き継いだのは、彼が幼少期から後見人を務めていたハドリアヌスである。ローマの勃興から滅亡までを描いた本シリーズを読み進めていれば、読者はいずれわびしき衰退期に差し掛からざるを得ないが、トライヤヌスがハドリアヌスという賢帝を後継者に指名してくれたおかげで、今しばらく絶頂期のローマを眺めることができる。ハドリアヌスはトライヤヌスに比べれば、多少複雑な人物だったそうである。ギリシア趣味をたしなむあたりはネロを彷彿とさせるが、それでいてティベリウスのような誠実さも持ち合わせており、しかもアウグストゥスのような腹芸もこなしたそうである。ともすれば完全無欠のまじめ一徹といった風情のトライヤヌスよりも、ネロとティベリウスが同居したかのようなハドリアヌスの方が、断じてエピソードは豊富であろう。もしタキトゥスのような人物が五賢帝時代のことを描いていればなぁという思いは禁じえない。