知ろうとすること。 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101183183

感想・レビュー・書評

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  • 文庫本で価格もリーズナブルだし、さらっと読めるのでおすすめの一冊。

    物理学者の早野氏と糸井重里氏との対話を本にしたもの。

    科学者として事実を的確に伝える事の大切さや、人が何を求めていてどのような対応が望まれるかをわかりやすく伝えている。

    糸井氏は大衆よりの科学的な見識とは距離をおいて、イメージしやすいように解釈を添えていて、どんな人が読んでも分かりやすくなっていると思う。

    ヒステリックになりそうなくらいの大災害による不安から、落ち着いて物事を冷静に見てみようとすることの大切さを与えてくれる。

    そして、本文にもあったとり、当事者でない第三者からの沢山の「大丈夫だよ」という科学的に裏付けされた言葉が出てくる事が重要だという事に気付かされた。

  • だんなさんに勧められて読みました。

    原発事故については、一事が万事原発はアカン、福島は放射線で汚染されたからもうアカン、もうすべてダメとか、逆に電気いるんやからええやん原発とか両極端でヒステリックな論調が多い中、平熱で読みすすめられる本です。

    この本で初めて知ったこと。それは甲状腺がんは進行が遅く命に別状がない場合もあるということ。何となく甲状腺がんってもっとめっちゃ怖いものかと思ってたけど後で調べたら比較的治療しやすいがんでもあるらしい。
    何となくこうかな?と勝手にいろんなイメージで思ってることっていっぱいありそうやなと感じました。

    それから最も印象的だったのは、福島の高校生がジュネーブで発表をしたこと。原発事故というマイナスの事件を通じて少しでもプラスの方向性が見えた、というのが良かったです。こういうのもっと国内でも活発に報道されたらなと思いました。

  • ずっと気になってた本です。いやー久しぶりにいい本に出会った。

    いろんな感想があるけど、久しぶりにいろんな人に薦めたいと思った。
    まえがきの13ページだけでもいいので読んでほしい。

    東大理学系研究科の物理学者早野さんと、日本一有名なコピーライター糸井さんの対談をまとめた本。
    3.11以降、放射線に関する不安を煽られる昨今で、何が安全で何が不安なのか、つまり文章中でいうところの「正しく怖がる」ための方法が述べられている。
    一見正反対に見える二人ですが、早野さん=科学的、糸井さん=情緒的という対立で話を進めるのではなく、お互いが科学的、情緒的な部分を認め合うっていうスタンスがとても良いと思った。

    結果的に「安全だから大丈夫です」で終わってないところもよかった。甲状腺がんの話なんかはまだ結論が出ていないところで、慎重に結果を確認していく必要がある。
    一方で安全とわかった部分をしっかり安全と認識し「正しく怖がる」ということが重要。
    また、安全とわかっていても心情的に心配(刃物がついた振り子の話)という気持ちについても寄り添っていくことが大事。

    以下キーフレーズ及び要約。
    ・センセーショナルな言葉で注目させようとする言説には気をつける

    ・「ありませんでした」はニュースになりにくい。
     →容疑者逮捕のニュースは流れても、容疑を免れて釈放されたことはニュースにならない

    ・科学的には必要ない機械の必要性(ベビースキャン)

    ・何かを判断しなくてはいけない立場になったときは、やはり科学的な見方をしたい(「怖い」でなんでも拒絶しない)

  • 事実の向き合う姿勢。
    わかってくれない人に声を荒げてはいけない。辛抱強く説明を続けるしかない。

  • 震災後,糸井さんが苦手になっていたけれど,
    早野さんの話に興味があり図書館から借りてみた。
    原発事故の後は放射能被害についてたくさんの情報が
    あって,この本を読んでちゃんと知ろうとする姿勢が
    大事だと思いました。

  • 「物理学者の早野氏と作家の糸井氏の対談。原発事故の後、放射能被害に関して様々な情報が飛び交い、「福島はこうだ」と、いつの間にか決めつけていましたが、この本を読み、ちゃんと知ろうとする姿勢が大事だと思いました。クリスチャンとして情報を取捨選択しなければいけない時、影響力の強い人からの情報や刺激の強い情報に安易に流されず、自分で知り、自分で考え、自分で神様の御心を探り求めていく必要があると思いました」N職員のオススメより

  • 緻密なデータの解析で放射線被害がhappyな結果で良かった。

  • 話の本筋とはズレてしまうが、もっと科学をしっかり勉強しておくべきだったなあというのが正直な感想。糸井さんが常々発信する柔らかい物腰のツイートには好感が持てる。

  •  糸井重里という人はあまり好きではなかった好きではなかったが今このような時にごくあたりまえなことを当たり前に表明できる人だという意味で少し好感を持てるような気がするようになった。

  • 友人から借りた本。
    震災や原発関連の知識を得られるかと期待していたところもあったのだけど、それについては少量にとどめ、むしろ問題が起こった時にとるべき姿勢についての対談。
    お二人の人柄か、穏やかに淡々と進むリズムが心地よい。自分を声高に主張する人が多い中、ほっとさせられる一冊だった。

  • さすが糸井さん。
    難しい(難しそうに見える)ことを簡単な言葉でわかりやすく伝えることにおいて、右に出る人はいない。
    そしてこの早野さんという人も、とてもそれがうまかった!
    福島の放射線の影響の話から、果ては宇宙の誕生の話まで!
    なんだかわくわくする冒険物語を一冊読み切ったかのような読後感。
    これは、広く読まれてほしい本。
    みなさまぜひ。

  • 事実を静かに積み上げる大切さと、感情を理解し寄り添う思考と行動。
    あと、情報発信者がどれくらい信用できるかどうかの判断基準も示唆に富む。
    この先やら何やらを考えるにあたり読んでよかった。

  • 資料ID: C0036259
    配架場所: 本館2F文庫書架

    糸井重里氏と早野龍五氏の対談。
    とても誠実な本だと思いました。
    福島と向き合ってきた人の言葉です。
    ぜひ読んでみてください(Y)

  • 震災直後にネット上にデマが飛び交う中、正しいことを知りたくて、早野先生をフォローした。早野先生のツィートのおかげで、間違った道に進まないで済んだ。

  • 糸井さんのTwitterのステマに乗せられて買ってみた。
    福島の人が故郷に住めなくなってる状況と、人間がコントロール可能な範疇を超えてるという理由から私は反原発派。かといって放射脳までいくと偏りすぎてて怖い。でも福島産の野菜や米は危ないんじゃないかと心のどこかで思ってる節があった。


    やはり安心材料、人を説得するには数値、データだなと思った。

    原発の話から逸れた宇宙が生まれたメカニズムと、原子レベルで路傍の石と人間は親戚なんじゃないかという話が面白かった。

  • FUKUSIMAはまだ終わっていない。
    頭に置きながらジックリ読みました。
    不謹慎かもしれませんが少しホットした。
    ぜひ、読んでもらいたい本ですね。

  • 震災後の福島のことを、きちんと話してくれた本。あまり知らなかったのは、怖さ故に自分から知ろうとしなかったんだと思う。科学的な数字を示されると、ほっとするというか、納得するというか。
    冷静に語る早野さんと、素人にも分かりやすく導いてくれる糸井さんの対話が、読みやすい本にしてくれている。

  • 情報の受け手としてその取捨選択がどれほど難しいか、改めて考えた。
    事実だけから真実を見出すことができるように、思考を鍛えたい。

  • 感情に訴える発信に、敏感に反応してしまう私だけど、もっと、知らなきゃいけない。
    無知は本当に恥だ。
    自分が選ぶ情報で、人を笑顔に出来ることもある。

    みんなに読んでほしいな。

  • ぜひ、読んで下さい。

  • 多くの人に読んで欲しい。

  • 何が正しいのかわからない中、何を探すべきか、何を知ろうとするべきか。
    「よりスキャンダラスでないほう、より脅かしてないほう、より正義を語らないほう、より失礼でないほう、そしてよりユーモアのあるほう」

  • いままで福島の農産物を買ってはいたけれど、心の隅のほうに「大丈夫!」と強く言えない所があった。この本で「ちゃんと大丈夫」自信を持てた。首都圏のニュースではいつのまにか空間線量を伝えなくなったけど、それはみんなが「もう大丈夫」と納得できたからではない気がする。この本はきちんと知ることがいかに大切なのか教えてくれた。それでも、顔見えない役所からの一方的な通知では信じられないし、信じることは顔の見える相手とのコミニュケーションがあってのことなんだと思う。立ち止まっていてはだめだと背中を押してもらえた。

  • グラフがあれば

  • まず、専門家と表現者の対談は、読み進めるにつれてお腹が満たされてく感じがする。

    佐藤雅彦氏×竹中平蔵氏の『経済ってこういうことだったのか』もそうだったけど、表現者が専門家の通訳になって、わたしが聞きたいことをわたしが分かるレベルまで下げて質問してくれる。

    だからわたしは「こんなに難しい世界のことを知っちゃったぞ、ふふ。」的に知識欲が満たされる。

    「138億年前に宇宙のはじまりの爆発でできた水素が、今も私たちの身体に流れている」ところ、あれはよかったなぁ。壮大で、うわー、ってなった。し、放射性物質への理解も少し深まった。


    震災以降、「ゲンパツ」とか「ホウシャノウ」とか、宗教や政治に近いようなNGワード感があって、怖くて避けてきてた。

    いわゆるソーシャルな畑にいると、反対派の人が圧倒的で、「もちろんあなたも反対でしょ?」みたいなスタンスで来られるのが、なんだか怖かった。

    だって何が本当か分からないし、判断できないじゃん…。

    …て、思ってたけど、実は怖いから避けて避けて、知ろうとしてこなかったんだってことが、この本を読んで改めて分かった。

    本の中でもちょっと怖いなと思う表現も一部あったけど、基本的なスタンスは「良い悪いでなく、事実を知ろうとする姿勢を持とうよ」っていうお話。

  • 震災後、被災地について、もしくは福島について、
    訳知り顔で特に福島の原発について書いてる・語ってる
    ものをたくさん見て、その大半に怒りを覚えていました。
    どうにも余所者の好奇心に見えるものが多く、
    他所の事だからそうやって偉そうに語れるのではないか。
    本当に大変な方・それを知ってる方なら偉そうに
    のんきに語ってないのではないかと感じていたから。

    正直報道の一部もそう見えていたので、
    現場をよく知り携わった方の冷静な言葉は読んでみたいと思ってました。

    実際、読んで思った通りだったことがありました。
    海外のメディアに大きく誤解されていたということ。
    そう見られても仕方がない映り方をしていたのではと
    思うのですね。

    この本がどうというより、
    タイトル通り知ろうとすることが大切なんじゃないかと思いますね。
    そのことを本自体も語ってくれてますし。
    偏らないように色々なことを色々な側面から知って。

    星1つマイナスは、アマゾンのレビューで唸りましたが、
    自分も糸井氏の帯のコピーはちょっと、と思ったので。
    アマゾンのレビューも一緒に読むのがおすすめかもです。

  • 原発の事故はショッキングに伝えられることが多いですが、実際にどれくらいの被害が出ているかはよくわかっていなかったです。
    なるほど、と。
    感情的にならず、科学的に解釈したいと頭では思っていましたが、その指針となる内容でした。

  • 136ページからの、138億年前のお話しが面白い。139ページで地球が誕生します。

  • @itoi_shigesato氏がしつこくツイートしているので、ここは読んでみようということで(笑

    福島第一原発事故後の被曝状況について解りやすく解説されている。

    こういうことを知りたかったのだ。

    この本を書店で購入する時は「上から二冊目」ではなく、「一番上のもの」を購入下さい(読めば解ります)。

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