- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101183183
感想・レビュー・書評
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「でも、もしかしたらその「2冊目の週刊誌を取る」というような行動こそが、知らず知らずに風評被害みたいなことにつながってるのかもしれない。」
福島の原発事故について大学院の教授と糸井さんが対話している本。この本を読むまでは、まだ福島産の農作物に不安があり、できれば避けたいと考えていた。そう言った非科学的なイメージは無知ゆえに生じるものであるが、自分から率先して知ろうとしなければ誤解が解けない。
ただ、テレビのような受動的なものでは逆に語弊が生まれ、それで知ることに満足してしまう恐れがある。何かをしるためには、まずその対象を選ぶことから始まるので、大変疲れる。
この本は、専門的なことが分かりやすく書いてあり、また本の値段も手頃であり、オススメだ。 -
面白かったです。
福島のものとそうでないものがあったら、なんとなく福島でないほうを選ぶ。それが差別につながっていく。
理解できてしまう。
科学的に正しいということで、簡単に人の不安は消えないというのは納得。
科学的には不要でも、コミュニケーションツールとしてベビースキャンを作られた早野先生の判断はすごいなと思った。
「正しいデータだけでなく、態度や表現。」
科学だけじゃなくて、生きていくうえでの態度として参考になりました。
人間とどう向き合っていくか、総合的に考える頭を持っている素晴らしさ。持って生きていたい。 -
早野さんも、糸井さんも、2011.3.11以降、割と早い時期からtwitterでフォローしてきた。
このお二人のいうとおりだと思う。
なかなか、説明しがたいことを、見事に表現している。
実は、僕にとって糸井さんは、なんだか怪しい売文家だったんだけれども、震災関連のツイートを見て、考えを改めた。
流石です。 -
一度は読むことをお勧めしたい本。漠然とした不安をいつも抱えていたけれど、きちんと根拠を自分なりに探して・探して選び取って行こうと再度感じた。優しく・ときどきユーモアを感じられる文章に和んだ。
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読んで良かった。安心できたし、FACTに基づいてが重要なんだなと思った。
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知らないから怖い、知ったからといって怖い気持ちが減るわけではない。でも、ちゃんと知識とデータを得たうえで、それでも怖いなら、非常に真っ当な反応だと思う。
それを、ただひたすら大声で恐怖を煽るのは少なくても科学的じゃないし、そんな大声に騙されたくない。 -
(2014.11.16読了)(2014.11.14拝借)
【東日本大震災】
かみさんが読んで廻してよこした本です。
福島第一原発の事故後から原発事故後の放射能の影響を現実に添って調べ、発信し続けてきた早野龍五の活動を糸井さんが、聞いている対談本です。
このような活動をしている方がいることは知りませんでした。原子力発電の専門家ではなくても、原発事故で放出された放射能がどうなっているのかを調べる方法や測定の機器を探したり、開発してもらうことができるというのには、驚きました。
理屈では、測定する必要がないことでも、安心させるためには測定せざるを得ないこともあるとか。
「あとがき」にやって来たこととして以下のものが挙げられています。
・ホールボディカウンターの不具合の調整
・給食の影膳調査
・ベビースキャンの開発
・D-シャトルの配布
【目次】
序章 まず、言っておきたいこと。
1章 なぜ放射線に関するツイートを始めたのか
2章 糸井重里はなぜ早野龍五のツイートを信頼したのか
3章 福島での測定から見えてきたこと。
4章 まだある不安と、これから
5章 ベビースキャンと科学の話
6章 マイナスをゼロにする仕事から、未来につなげる仕事へ
あとがき 早野龍五
もうひとつのあとがき 糸井重里
●不安(16頁)
「わからないから怖い」って不安に思っている人ほど、新しい情報に対してオープンじゃなかったりしますよね。「触らぬ神に祟りなし」って感じで近寄らないようにしてたり、「何が何でも放射線はゼロにしてくれ」って、耳を塞いで言い張ってたり。地球のどこかにいる限り、放射線量はゼロにできないのに。
●測定結果(20頁)
さまざまな調査や測定の結果、起きてしまった事故の規模に対して、実際に人々がこうむった被曝量はとても低かった、ということです。とくに、内部被爆(主に食べ物や水によって、体内に放射線源を取り込んでしまったことによって起る被曝)に関しては、実際に測ってみたら当初想定したよりも、かなり軽いことがわかった。
●問題解決(45頁)
本当に問題を解決したいと思ったときには、やっぱりヒステリックに騒いだらだめだと僕は思うんです。「大変だぞ!」「死んじゃうぞ!」って、でかい声を出している人は、何か落ち着いて説明できない不利なことがあるのに、それはひとまず置いといて、とりあえず大声出せばみんなが来ると思ってやってるんじゃないかと思う。
「どんな非常事態であっても、叫ばないでちゃんと説明してくれる人を見つけなきゃならない」
●水位計(51頁)
建屋の中に人が入れるようになって水位計を調べたら、実は水位計が壊れていて、水はなかったということも明らかになりました。
●内部被ばく量(70頁)
ある市民団体が、福島の駅前のショッピングセンターの中で、ベラルーシ製のホールボディカウンターで2000~3000人分の内部被ばく量を測っていたんです。その結果、ほぼ全員が内部被爆しているという、大変深刻な結果が出て、記者発表の用意をしていた。僕はその機種をそれまで見たことがなかったものですから、「ちょっと見せてください」と言って見に行ったんです。で、計測データを見たら、明らかに何かおかしい。それまでに持っていた僕の相場観から、明らかにかけ離れた数値だったんです。
発表を待ってもらって、解析してみたら、機械の調整不足だったんです。
●セシウム(75頁)
身体に取り込まれたセシウムって、ちゃんと身体から排出されていくんです。
●内部被爆の量が増えている人(76頁)
(糸井)5000人に1人っていう確率で、ちょこっと放射線量の高いものを食べてる人がいる、ってことですね。
(早野)流通してない食べ物を食べ続けている人です。お年寄りに多いんですけど、裏山のキノコとか山菜、それから野生のイノシシ、そういうのを事故後も継続的に食べていた人でした。
●放射性セシウムの規制値(83頁)
事故が起こった当初は、国が定めていた放射性セシウムの暫定規制値が1キログラムあたり500ベクレル以下だったんです。2012年4月から、規制値は100ベクレルに下げられたんです
1キログラムあたり100ベクレルというのは、世界的に見ても、とても低い規制値です。(85頁)
●D-シャトル(89頁)
D-シャトル:新しく開発された個人積算線量計
1時間ごとに個人が受けた線量を記録してくれる高性能の積算線量計で、産業技術総合研究所と千代田テクノルが共同開発したもの
これをコンピュータにつないで記録を読みだせば、何月何日の何時から何時の間に、これだけの線量を外部被ばくした、ということがわかる。
やりたいことを説明して、任意の1時間ごとに数値を読みだせるソフトを作ってもらいました。(90頁)
●福島の人の被ばく量(101頁)
福島原発の事故の規模に対して、福島の人々の内部被爆や外部被ばくの量は、幸いなことにかなり低い。
●先天異常(102頁)
ごく最近の調査で、事故後に福島県内で生まれた赤ちゃんの先天異常の発症率が、全国の赤ちゃんと比べてほぼ同じだったということを、厚生労働省が発表しました。
●福島(162頁)
「福島の高校生です」って自己紹介すると、ヨーロッパの高校生や引率してきた先生が、「え? 福島って人が住んでるの?」って聞くんです。
☆関連図書(既読)
「恐怖の2時間18分」柳田邦男著、文春文庫、1986.05.25
「食卓にあがった死の灰」高木仁三郎・渡辺美紀子著、講談社現代新書、1990.02.20
「チェルノブイリの少年たち」広瀬隆著、新潮文庫、1990.03.25
「チェルノブイリ報告」広河隆一著、岩波新書、1991.04.19
「原発事故を問う」七沢潔著、岩波新書、1996.04.22
「私のエネルギー論」池内了著、文春新書、2000.11.20
「ぼくとチェルノブイリのこどもたちの5年間」菅谷昭著、ポプラ社、2001.05.
「いのちと放射能」柳澤桂子著、ちくま文庫、2007.09.10
「原発と日本の未来」吉岡斉著、岩波ブックレット、2011.02.08
「原発労働記」堀江邦夫著、講談社文庫、2011.05.13
「福島原発メルトダウン-FUKUSHIMA-」広瀬隆著、朝日新書、2011.05.30
「緊急解説!福島第一原発事故と放射線」水野倫之・山崎淑行・藤原淳登著、NHK出版新書、2011.06.10
「津波と原発」佐野眞一著、講談社、2011.06.18
「原発社会からの離脱」宮台真司・飯田哲也著、講談社現代新書、2011.06.20
「原発の闇を暴く」広瀬隆・明石昇二郎著、集英社新書、2011.07.20
「福島 原発と人びと」広河隆一著、岩波新書、2011.08.19
「福島の原発事故をめぐって」山本義隆著、みすず書房、2011.08.25
「「想定外」の罠-大震災と原発」柳田邦男著、文藝春秋、2011.09.15
「福島第一原発潜入記」山岡俊介著、双葉社、2011.10.02
「日本人は原発とどうつきあうべきか」田原総一朗著、PHP研究所、2012.01.12
「官邸から見た原発事故の真実」田坂広志著、光文社新書、2012.01.20
「見捨てられた命を救え!」星広志著、社会批評社、2012.02.05
「ホットスポット」ETV特集取材班、講談社、2012.02.13
「飯舘村は負けない」千葉悦子・松野光伸著、岩波新書、2012.03.22
「これから100年放射能と付き合うために」菅谷昭著、亜紀書房、2012.03.30
「闘う市長」桜井勝延・開沼博著、徳間書店、2012.03.31
「おいで、一緒に行こう」森絵都著、文芸春秋、2012.04.20
「死の淵を見た男」門田隆将著、PHP研究所、2012.12.04
「できることをしよう。」糸井重里・ほぼ日刊イトイ新聞著、新潮社、2011.12.15
(2014年11月18日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
福島第一原発の事故後、情報が錯綜する中で、ただ事実を分析し、発信し続けた物理学者・早野龍五。以来、学校給食の陰膳調査や子どもたちの内部被ばく測定装置開発など、誠実な計測と分析を重ね、国内外に発表。その姿勢を尊敬し、自らの指針とした糸井重里が、放射線の影響や「科学的に考える力の大切さ」を早野と語る。未来に求められる「こころのありよう」とは。文庫オリジナル。 -
この本に出会えてうれしい。
「科学的に大丈夫だからって、簡単には安心できないよ」っていう気持ちは確かにある。でも、そんなときも、心の片隅に「科学的に正しいことを選びたい」っていう意思があるだけで、大げさにいえば未来をちょっとだけ良い方向に進めることができるような気がするんです。(18頁)
内部被ばくはそれほどひどくなかった。とくに避難区域外にいる人たちにとっては、まったく問題ないといえる状況になった。けれども、だからといって、そのもともとの事故からすべてがOKになったわけでは決してない、ということは明言しておきたい。(21頁)
安全の話は、(その人が慣れ親しんできた今までの食文化を否定するほどの量じゃないともいえるので)「食べるな」じゃなくて「ここまでなら食べていいよ」と言ってみるという、個人対個人(主治医と個人の患者)の間だけで成り立つ説明の方法もある
自信を持って。躊躇しないで。間髪いれずに。
個人の弱い力がものすごく大事
誠実でゆるぎない態度で
いくら実際に測定したデータを出しても「そのデータは嘘だ」と言う人に対しても、誠実に論証を挙げていく、ひとつのデータの信憑性というものに対して常に保険をかけていく
科学的には必要のない機械をコミュニケーションツールとして使う
大人を測定するホールボディカウンターよりも高性能な、デザイナーによりデザインされたものをつくる
マイナスをゼロにする仕事から、未来につなげる仕事へ -
この本は本当に読んで良かった!
※あとで詳しく書きます -
対談形式の本。早野さんの原発や福島に関する活動を軸に、「知ろうとすること」についてのあるべき姿勢を、柔らかく多面的に描いた本、といったところでしょうか。
それほど文字数は多くなかったですが読みごたえもあり、水素原子の年齢のくだりはビビッと痺れました。自分の心の中の野次馬、気を付けにゃならんですね。 -
いいことも悪いことも事実を淡々と伝える・受け止める、そんなことがとても大切だと言うことに心が震えた。そう、たしかに『心のありかた』なのだ。
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東大の早野先生と糸井さんのと対談形式による、早野先生の福島原発事故後の取組を語っています。早野先生は、専門外ですが原発事故後に福島周辺で放射線による影響がどのようになっているかを調査されています。(詳細は紙面に譲りますが)その活動を通じて、一部を除いて被曝量は少ない、もしくはほとんど影響がないと科学的に推論されています。
題名の通り、科学的に『知ろうとすること』の大切さを感じました。 -
自分ができていたこと,できなかったことを振り返る.そしてこれから進むべき方向を再確認.
早野先生はとてもクールでカッコいい.そして糸井さんがその憧れを言葉にしてくれた.
この本で再認識した科学技術に携わる人間としての姿勢を忘れないようにしよう. -
2014/11/9読了。
間違いなく、今、日本人が読んでおくべき一冊。原発事故発生時の情報の錯綜、風評被害の振り返りと、今の福島の状況を理解することができる。マスメディアでは得ることが難しい情報が、信頼できる形で提供されている。 -
糸井さんが強引なくらいにお勧めしていたので、購入して読んでみました。結果、読んで本当に良かったと思いました。
私自身、地震や原発事故の当事者でもなく、周囲に関係者もいないために、時間の経過と共に意識が薄れていたにも関わらず、事実かどうかも分からない報道や、恐らく誰かを責めるために誇張された情報、恐怖を煽る噂話ばかりが耳に入ってきていて、それを全て鵜呑みにはしないものの、どこかで安心しきれず、少なからずそれらの不確かな情報の影響は受けていたと気付きました。
この本を読んで、少なくとも現時点での事実はよく理解出来たし、糸井さんが弱い力の一つとしてこの本を強引なくらいお勧めしていた意味もよく分かりました。今の世の中、正しい事実を、正しく伝え広めることが、ある意味とても難しくなってるんですね。だからこそこの本では、そういう表現に走ってしまいがちな人の心理を理解した上で、誰かを責めたり批判したりすることなく、事実を正しく伝えることに徹して書かれています。
私も弱い力の一人として、読んでいない人には是非お勧めしたい一冊です。 -
福島第一原発の事故から3年が経ち、世間の関心は当事者を除いては薄れ始めている。放射線の人体への影響をどの程度まで許容するのかという極めて難しい問題が、放置されたままになっているように思う。ある人は東京でさえもう人が住むべきではないと言い、ある人は福島県の農産物を食べて応援しようと言う。そのあまりに大きな隔たりに、考えることが億劫になってしまっている自分がいる。検証しようがないことを自分の責任で判断することはとても難しいと知った。
東京大学大学院理学研究科教授である筆者の早野龍五さんは、事故直後からTwitterを通じてできるだけ正確なデータを測定し、発表してきた。それを糸井重里さんが取り上げて今回の対談本となったわけだが、単純に原発の善悪の話ではなく、限られた情報の中からどうやって真実を「知ろうとする」べきなのか、を語っている。
早野氏の言が信用できそうなのは、彼が「分からない」ことを出発点として語っているからだろう。結論ありきではなく、放射線の被害があるのかないのか、あるのならどれくらいなのか、というニュートラルな立ち位置を取っている。これが大切なのだろう。「推進派」「反原発は」というレッテルが貼られた瞬間に、その人の語るデータは意味を失ってしまうから。
そうした「前提を置かない態度」こそ科学的な見方であろう。
ただし、糸井氏がTwitterで「福島の桃、ウマい!」と呟いているのを見て「ああ、糸井さんが食べているんだから大丈夫だ」と追従する人がいたとしたら、それは決して科学的な態度ではないだろう。 -
正しく知ること、知ろうとすること。もちろんみんなが早野先生のような学者になれる訳ないけど、知ろうとすることの積み重ねが、何よりも大切な指針になっていくんだろうな。
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とても読みやすい本。
糸井さんと早野先生の対談形式で話し言葉で語られるから、とてもスーッと頭の中に入ってくる感じ。
興味深かったのは、福島第一原発の水位計の話とか、水素原子が138億年前にできたものがリサイクルされ続けているとか、福島の高校生がCERNのワークショップに参加したエピソードとか。
最後の高校生のCERN参加の話は感動もの。ウルウルきちゃった(^^;; -
事実を見つめ冷静に判断する姿勢の大切さを確認させくれる内容。
原発事故を正しく判断する視点の置き場所としてこの本素晴らしい。 -
ほぼ日のサイトでみて、きちんと考えてみたいと思っていました。病院の待ち時間に読み終えました。科学者の責務というのが、幾層にもあって、早野さんは、それをしている。
冷静に事実をかたることから出発し、警鐘を静かにならすこと、そして、科学的な知見をインタープリテーション(翻訳)すること、解決のための具体策をくわだてること、公的な承認を得て多くの人に広めること、をおこなってきている。かっこいいなあ。 -
立場や思想ではなく「事実」をもとに、原発事故後の福島の状況を早野さんと糸井さんが話す本。
本の中では主に様々な「事実」を挙げながら、福島は当初予想した以上に放射能の被害はないということが書いてある。
本の中で、
「早野先生の前に女の子がやって来て、『私は子どもを産めるんですか』って、質問してきたとしたらどう答えますか?」
という糸井さんの問いに対して早野さんは、
「『はい。ちゃんと産めます』と答えます。躊躇しないで。間髪を入れずに。」
と答える場面がある。
福島の状況に関しては、色んな視点、立場、思想があり、一般の人はそれをどう見て、どう語ればいいかわからない。
よくある例としてはどうしても原発に賛成か反対というような「派」に分かれて戦う図式になっていきがちだ。
そんな中でこの本はそこに振り回されず、事実を知ろうとすること、そして事実を伝えること、その姿勢を教えてくれる。
事実を知ろうとすること、事実を伝えることは科学者である早野さんの特性であり、その「姿勢」に糸井さんが着目し広げていった本だと思った。
この2人でなければ出せなかった本だと思う。
福島のことももちろん、大なり小なりこれから起こって行くだろう出来事の指針になる本だった。 -
放射線に関する「科学」の本と思って読み始めたが、「コミュニケーション」の大切さ、難しさだった。周りの人に勧めたくなる!
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ほぼ日やツイッターなど通してこういった人々の発信にはずいぶん助けられていたことを改めて思い出す。
あの事故以来いまだに福島県産の食べ物をどうしても敬遠してしまうという人も、福島県内でたくさんの不安を抱えて子育てをしているような人も、一読してみてほしい内容。きっと少しはほっとできると思う。
原発の事故そのものは取り返しがつかないことだけれど、この経験をきっかけとして科学的に考え、アプローチする態度が身につけられれば、という思いに共感。
その実践としておこなわれた、福島の高校生たちが身近な問題を自分で調べてまとめ、海外に自ら発信し交流をしたという報告が示唆的でよかった。 -
早野龍五氏、糸井重里氏の対談で本文が綴られる、文庫オリジナルの書籍である。
東日本大震災直後から早野氏のTwitterを見てきた人間としては思い出もあるというか、毎日出てくるグラフが懐かしかったりもするというか、改めてデータの整理・見方・使い方を確認させられた日々を思い出した。
専門書ではないので、何が起きて、どのようなことが行われたのかを知る、そして、次(ないほうがよいが)にはどのように行動するか、という一冊。 -
インターネットが普及して、情報が簡単に入手、発信できるようになったが、それに伴い、過度な誇張や嘘も多分に混じっている状況だ。
そんな中で事実をきっちり捕まえることが必要だと改めて感じた一冊。
糸井重里氏のあとがきに書かれた姿勢に共感した。
特に参考にする意見は
よりスキャンダラスでないほう
より脅かしてないほう
より正義を語らないほう
より失礼でないほう
よりユーモアのあるほう -
カリウムあたりから俄然面白くなった