薬指の標本 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 7867
レビュー : 1095
  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101215211

感想・レビュー・書評

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  • 文中に漂う空気感はきれいで、ちょっと怖さと寂しさ。

  • たまに通う書店と、ヴィレヴァンがコラボした企画をしていて、その中の一冊だった。
    小川洋子さんの小説はずいぶん前の『博士の愛した数式』以来だったけど、なんとなくこの人の文章は「静謐」というイメージがあって、本書を読んでそのイメージはやっぱり合ってたと一人で納得した。

    『薬指の標本』には、決定的なことはほとんど書かれていない。一年働いてから、浴場でデートをするようになったとは書いてあるけど、、、弟子丸氏のああいう所がいいんだとかそういうことはわからない。そもそもわたしに恋愛感情があったのか。「自由になんてなりたくないんです」

    そしてあのやけどの少女はどうなってしまったのか、過去の事務員はどうなったのか、わたしはどうなってしまうのか。なんでもお見通しの靴磨きのおじいさんになりたい。

  • どくどくしているけれども、きれいな文章。「薬指の標本」も素敵だったけれど、「六角形の小部屋」がより印象的だった。

  • 静謐で歪んだ世界がどうしてか美しい。小川作品だからこそだと思う。

  • 表現が美しい。ドールハウスを覗いているかのようだった。官能的で繊細な、ふたりの世界。美しすぎる中に時々姿を見せる不穏な空気。細かい描写の全てが二人の関係を示唆している気がして、噛み締めるように読みました。

  • フランス映画みたい

  • 世にも奇妙な物語。ビビリの私からすると、夜に読むとちょっと怖くなります。今までに読んだことのないタイプの、恋愛のお話。

  • 抜け出せない深さを著してるのかも。美しく怖い世界観。

  • なんだか静かで不思議な話。読み心地いい。

  • ヒンヤリと静かに妖しい空気を漂わせ不思議な世界が繊細な文章にて綴られてゆく。標本をつくるという謎が多い仕事。僅かに怖さを感じながらも好奇心で引き寄せられてゆく。しかしそこには体温や物の温度を感じない。主人公の女性、名前が明かされていない。"君"、"わたし"という会話だけで体を許した関係が成り立ってゆく不自然さ。"靴"、"地下室"、"突然いなくなった以前の事務員"…色んな物が消えてゆく。感情や存在そのものがなくなってしまうんじゃないかと感じる。何もなかったかのように。妖しく幻想的に…

  • 冷たい空気感で物語が進んでいって、ぞくっとするような内容なんだけど読んだ後は綺麗な印象が残ります。

  • 六角形の小部屋での問わず語りは、懺悔のようで自己正当のようで。すがりつく先さえもおのれ自身であるならば、物事の全ては偶然や運命が影響する前に自己完結しているのかしら。不思議な感覚。またしても小川洋子の深い森に迷い込んだ。もちろん気分は良い。

  • 世界観が独特でした。
    小川洋子さん、博士の愛した数式のイメージで読んだら思ったのと少し違いました。

    弟子丸氏が靴をくれたあたりから若干の気持ち悪さを感じてしまい、主人公に感情移入できなくなってしまいました。火傷した女の子もどこへ行ったのか怖すぎる。

  • 何度でも読み返したい。
    最初の男女の微妙な設定と距離感が心地よく、
    雨がしとしと降る薄曇りの昼間のような、
    落ち着いた、少しウェットな空気を感じる。
    後半の展開は、初読では面食らったが(初の小川洋子作品だった)、
    繰り返し読むとまた色あいが変わる。
    ハロプロのつんく♂氏の曲はよく「スルメ曲」といわれるが(かめばかむほど味が出る、の意)、これも「スルメ本」であるかもしれない。

  • 小川さんの優しさが満ち溢れている物語。他の作家が書いたらただの世にも奇妙な物語になるんだけど、小川さんが書いているからふんわりした優しい物語になっているんだと感じた。

  • あっと驚く展開もなく、物語は終始淡々と進む。
    感情移入をしてしまうような登場人物がいるわけでもないのに、一人ひとりをくっきりと思い描ける(ような気がする)のは、この作者の手腕なのかな、と思う。

    少し不気味で、不思議で、ちょっとだけ、かなしい。

  • 200811月13日~13日。
     短編二編。
     共に面白い。
     映画の方はどうなんだろう。
     フランス映画ってあまり馴染みがないからなぁ。

  • なんか少し気分が悪くなるようなお話でした。
    なんだろう、この変な感じは?
    『人質の朗読会』はとても面白かったので読んでみたけど、今回は残念でした。

  • いつか標本にされるのを待っている

  • 前回いつ読んだか思い出せないが二度目の読了

    綺麗で物寂しい、秋の夜長にぴったりなお話でした

    違う作品も読んでみたい

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著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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