月の上の観覧車 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1741
感想 : 146
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101230375

感想・レビュー・書評

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  • 振り返ることへの悲壮感と感傷深い何かが上手く描かれていて、とても切なくなる。ただ切なくなるだけじゃないのがこの小説の良いところ。全編面白かったです

  • 人生を前だけ向いて進んでいられるのは何歳まで?どこかのタイミングで自分の終着がなんとなくぼんやり見えてきて、今まで歩いて来た道のりをふと振り返る。そんな風景を描いた短編集です。
    僕はある程度歳食ってからの方が人生楽しいので、それほど振り返ってどうのという事はありませんが、過去にいい思い出が沢山あって、今は思った通りの人生を歩めていなければ、「あの頃は良かった」となりますよね。それはよく分かります。
    でもこの本は、ままならないままの今を慈しみつつ、過去をふと思い出すというもので、おっさんの胸の奥をキュッとさせる何かが有ります。やはり上手いです。

    あれだけ親密だったあの友人と一生会わないのだろうと胸の奥がチクりとしました。人の縁に冷淡な自分自身のせいなんですけどね。友人や家族に会いたくなる本です。

  • どの話も良かったけど特にレシピが好きでした。どの主人公たちも少し歳がいっており過去を振り返る話が多かったです

  • 上海租界の魔術師に泣かされた
    レシピ…女は強かじゃないとね〜

  • 面白いんだけど、『上海租界〜』以外は結末がイマイチ締まらないなぁといった感じだった。

  • 上海租界の魔術師
    が一番好き

  • ちょっと泣いた。

  • 人生を観覧車に例えるのは素敵だ。

  • どの話も心にジーンとくる内容だったけど、
    一番心に残ったのは『胡瓜の馬』。

    主人公と幼馴染の女の子の話。
    2人のなんとも言えない距離感や、
    時間の流れから変わらざるを得ない関係性、
    そしてその結末がとても悲しく辛かった。

    題名の『月の上の観覧車』はラストにふさわしいお話で、
    これはもう涙が止まらなかった。

    読書初心者には読みやすく、スラスラと読めた


  • 闇に目が慣れる間もなく光の中へ引きずり出される。照明が点くより突然に。もし人間が産まれる瞬間を記憶することができたとしたら、その体感はこんなふうかもしれない。

    本人は黙して語らない写真の中の顔だけだ。母には自分の人生の綻びを、父親の死で縫い合わせる癖があったから、話に聞くほど悪い人ではなかっただろうと思う

    全員の笑顔が2の三乗になる

    雨がやんでいることを私は、田舎道を傘を差さずに歩く老婆の姿で知る。

    病気のためというより、出番が終わったステージから舞台の袖の向こうへ、すいっと姿を消したような死に方だった。

    「信じようと信じまいと、夢も現も、貴方しだい。それが魔術でござい」

    影を知る前に、もっともっと光を知って欲しいんだ」

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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