- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101230375
感想・レビュー・書評
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胡瓜の馬、月の上の観覧車、よかった。今の自分の年代で読めたからかなー、じわじわときていろいろ考えてしまった。日々、大切に生きなくては。
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際立って大きな事件が起きるとか、びっくりする展開というのはなく、様々な人の日常を巧みに切り出した印象を受ける作品。八編収録されているが、とても良かったものから、あまりしっくりこなかったものまで様々。どの作品も哀愁が漂っている。お気に入りは「トンネル鏡」と「チョコチップミントをダブルで」。前者は、自分の親と結婚と子供の複雑な関係性が描かれており、自分とは切り離された領域で思うようになかなかうまくいかない難しさと悲しさがよく描かれていた。後者は、離婚したため1年に1度しか会うことができない娘との話。娘と会うことを楽しみに1年間頑張る男性、そして娘との向き合い方がちょっと不器用な男性像が上手に描かれている。そんな不器用な父を拒絶することなく、受けいている娘の優しさにもホッとする作品であった。
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年老いていくときに感じるふとしたことが共感できてほんわかします。
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短編集。
主人公はみんな亡くした人、失ってしまったものに思いを馳せながら、自分の人生を振り返る。
あの時、こうしていれば、ああしていれば…って悔やんでも仕方のないことだけど、
それだけでとどまらなくて、少しだけ光が見えるというか、主人公たちがちょっとだけ前向きになる姿はいいも思う。
でも全体的に切なかったな。 -
2017.2 課題本
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若い子が読んでもいまいち面白くないでしょうね。「泣けた!」「感動した!」と単純に言えない話だもの。年をとっていればこそ身に覚えのある「あの時のカサブタ」みたいなのがあるわけで。
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淡々としてるようで、じわじわくる。
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世界観をダイアログで作り出すのがとても上手だなと思った。とても好き。
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八作品のうち六作品が四十代以上の主人公で
そろそろ人生の折り返し地点を通過している世代がターゲットになっています。
そんな年代になると日々過ごしているとふとした時に
過去の事を思い浮かびこうすれば良かったと思うことがあります。
そんな世代の人達が人生を振り返った時々のことが綴られていますが、
どの作品も普段隠れている心の隅をぎゅっと掴まれたように
どこか切なく淋しさがあり脆くも涙が出てしまいそうなものばかりでした。
主人公が女性で過去を振り返りながらも唯一未来に向かっている
作品の「レシピ」はこの中ではとても印象的で、
作者は男性なのに女性の心理をよくぞここまで把握しているなというのが
書かれていて面白く、料理と過去の男性をこのようにして
思い返しているというアイデアも面白かったです。
そして女性らしいラストの潔さに爽快でした。
歳を重ねると今までなんてことのない事だったことも
何か大きな人生の転機があると
今まで身近だった家族、夫婦、子供、友達、同級生、同僚などが
特別な存在だったということに気が付き
だからそんな時に「もしもあの時にこうしていれば」と
思うことが多くなるのかと思います。
けれど過去ばかり振り返っていても何も変わることがないので、
少しでも今までとは違う自分を取り戻して、
未来へ歩んで欲しいというメッセージもこの作品の中からは
読み取れるような気もしました。
若い方が読んだらまた違う観点からの感想になるかと思いますが、
歳を重ねたからこそこの深みのある心境が分かるかと思うので
アラフォー世代の方が読むにはまさに打ってつけの作品だと思います。
これで人生の準備としての心構えも出来るかと思います。
人生でもし何かに躓いた時に読み返してみても
今とはまた違った心境にもなると思うので、
読み返してみたい作品だとも思いました。