東の海神(わだつみ) 西の滄海 十二国記 3 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240558

感想・レビュー・書評

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  • 面白いところもあれば、うーん?と思うところもあり、な巻という印象。

    王を見つけられないまま寿命が尽きてしまう麒麟もいるのがつらい。
    その麒麟自体も可哀想だけど、蓬山でその麒麟を大切にお世話して送り出した女仙たちのことを思うとなおつらい。
    日本まで王を探しに行った結果見つけることができた景麒や、何年と待たずあんこうじつの一回で王を見つけられた泰麒は良い巡り合わせを得たということか。
    三十余年の天寿尽きてということだったけど、王が見つからない麒麟はそのくらいの寿命ってことなんだろうか。

    延王、まさに「おもしれー男」。
    妓楼で賭博して負けて金巻き上げられて移動手段持っていかれて下働きで稼ごうとする王、面白い。
    朱衡も帷湍もいいキャラしてる。王にぐいぐい行く系の家臣たち好き。

    麒麟、やっぱり王に惹かれる性質ありそう。
    スタンド使いは惹かれあうみたいなもんだな、やっぱり。

    十二国はこんな謎の形状をしておいて、他国侵略は重罪なのが不思議な感じがする。

    延王に対する「お前、王より詐欺師のほうが向いてないか?」
    これ好き。

    兵を志願してきた女がイケメンすぎた。かっこいい。
    「あたしは戦うために来た。あたしたちに富を恵んでくださる王を守る。あたしはこの子を死なせたくない。殺すことを仕方ないと言って諦めてしまうような、そんな世に二度と来てほしくないの。そのためには玉座に天命ある王がいなきゃならない。王が将来、この子を豊かに暮らせるようにしてくれるなら、いまあたしが王のために死んであげてもいい」
    泣きそう。

    別のモブ女性の無口な夫もかっこよかった。
    「ほかの誰のためでも行かんよ、おれは。だが、お前たちのためだからな」
    って兵役を志願して。

    部下の白沢にキレてるあつゆ、あまりも他責。
    こんな本性を隠したまま民に尊敬されていたのはすごいと思う。

    乗騎の妖獣に「たま」と名付けるの好き。名付けは延王かな。

    そういえば、胎果の要・陽子・六太は、蓬莱で暮らしている時はなんとなく周りから浮いているような感じがしていたようだけど、尚隆もそうだったのかな。
    蓬莱でも十二国でもうまくやっているように見えたけど。

    【若干微妙だなと思った点など】
    王について
    最初からちゃんと仕事していれば少なくとも今回の事件は起こらなかった。えきしん・りび・子供は死ななかった。
    王好きだしかっこいいところもあるのはそうなんだけど、さすがにもうちょっとちゃんとしてくれと思うところがあったな…。

    麒麟について
    顔見知りだからと言ってほいほい着いて行った結果人質に取られてて笑った。
    麒麟が血に弱すぎ、犠牲を避けたい性格すぎて人質戦法が効きすぎでいろいろと不安になる。反逆しよう王暗殺しようってなったときに真っ先に狙われる弱点にしか見えない。
    そうならないためにいろいろ護衛がついたりしてるんだろうけど。
    他の国の麒麟はしっかりしてるのかな。
    あつゆが国滅ぼしたい奴だったら、普通に麒麟殺して王も死んで雁国ゲームオーバーだった。
    今回はたまたまそうならなかっただけ。
    子供の時に成獣になると見た目に引っ張られて言動が子供っぽくなるなら、子供の時点で成獣になる利点なさそう。

  • 延王が王にしては破天荒すぎるのになんだかんだ上手くいってしまう天才で、麒麟である六太のツッコミが俊逸なので、この二人の絡みが十二国記の中で一番好き

  • 一巻からちょいちょい出ていて気になっていた延王延麒コンビがついに主役になって、お話の面白さとキャラの魅力で一気に読んでしまいました。
    王という存在はなんのためにあるか、尚隆みたいな考えの人がたくさんいたら現実世界ももっと栄えるんじゃないかな…と、思った。
    陽子が王となる一巻より随分前の話なので、今後更夜が出てきたりするのかな、と楽しみです。

  • 国とは何か?王とは何か?をテーマにした編。中学生の頃に読んでたら間違いなく尚隆に惚れていたと思うけど、今だと「狙いすぎ感」をめちゃくちゃ感じてしまって、最後までモヤモヤしてしまった。
    設定ばかり厚みがあって、キャラクターが薄味め、というか、アニメキャラクターのような感じが。読後感はハリポタに似ている…

  • 今回は尚隆と延麒の物語。
    王の資質とはなんなのか、という問のひとつの答えが描かれていた。
    とりあえず、尚隆は紛れもなく王で、有言実行する男で、民の事を真に大事にしていると感じた。
    ラストと、1番最後に書いてある史実誌みたいな部分、グッときたなぁ

  • 力強い王。そういう出自だったのですね。これまでのお話より500年前の話というのがなんかすごい(笑)

  • 話が複雑で頭がこんがらがりがちだけど、面白くて旅行の移動中に読み終わってしまった

  • 尚隆かっこいい

  • 十二国記3作目。今作は延王尚隆と延麒六太の話。他作にも出てきてた延王達の話!とテンション上がる。謀反が起こりそこで見える王の素質。ちゃらんぽらんしてる王と麒麟やけどどちらも国、民のことを考えてるのが伝わるし、尚隆の能ある鷹は爪を隠す感じも格好いい。

  • 王になりたい、地位が欲しい、ではなく民を思い国を思う延王尚隆、頼れる王だわ。
    陽子と出会った時の尚隆はキッパリとした威厳のある王の印象だったんだけど、結構茶目っ気ある。おちゃらけていて何も考えていないようにみえるけど全然そんなことはなく。切れ者。
    かつて蓬莱でも一刻の主であったが、その国を滅ぼしてしまった小松尚隆。今また新たに一国の王となる。
    今巻は今までの蓬莱から流されてきて不安や葛藤に苛まれた子らが成長する内面の話だったけど、今巻は内乱の話ですね。荒れた国がいかに繁栄するか。
    最後、乗騎家禽の令の部分で、更夜がようやく自分がいられる国に出会えたんだと思って嬉しくなった。

  • 読んでたら、無性にシムシティで遊びたくなったさ。なので読了後、似たようなのを我がiPhoneにお迎えいたしましたさ。

  • シリーズで読んだのが3作目だが、やはり最初は設定やキャラクターの関係性がわからずに???となります。

    しかし毎度のことですが、だんだんと惹きこまれ、終盤にはもっとこの国の、キャラクターらの活躍を読みたい!となります。

    どのストーリーもご都合主義的な流れも感じてしまうのですが、それが逆に醍醐味とも感じます。

    今シリーズの王は序盤は無能かと思わせ、終盤でひっくり返す設定ゆえにより魅力的に感じられました。

    決して多くないけれど挿絵も素敵です。

  • 間違いを認められぬから。
    人間と共に生きていくために必要だったとしても、主のためとはいえ喰わせてはならぬだろ。
    民のために立ち上がったはずなのに、このような結末では信じたことが悲しくなるな。

  • 十二国記シリーズで昔1番好きだったストーリー。
    あつゆもなぁ...気持ちは分からなくもないしなぁ。
    尚隆がよくできた人だなぁと改めて思った。

  • 尚隆、飄々としているのに有能!
    六太もかわいい奴だな〜。更夜が幸せに過ごせる時代は今後描かれるかな?

  • 国とは何か。国を統べる者とは何か。民とは何か。
    改めてとても考えさせられる作品です

  • 十二国記のエピソード3。エンのお話。なかなか働かない王様、麒麟かと思ったらやっぱ熱い思いがあったよ。治水でゴタゴタあって民が反逆したけどなんとか乗り切ったって話。

  • 再読。
    最初から最後まで見事な対比で描かれる壮大な、それでいて人々が安寧に暮らせるよう、普遍的で平凡で成すのが容易ではない国造りの物語。

    この作品で雁国官吏のエピソードがあることで次の慶国の在り方について考える陽子たちの物語が一段解像度上がる気がする。

    本人が言っていることは変わらないのに、道を説く斡由の化けの皮が徐々に剥がれ、ただの卑怯者へと印象が変わっていく(読者が気付く)過程が素晴らしい。
    尚隆についても、本人目線からではなく周囲の視点から語られるほうがより人物像が浮き彫りになる魅力的なキャラクター。
    小松が滅亡に追い込まれたのが村上水軍という日本史を知っているとより楽しめる背景があったりと今作も読み応え抜群。

    雁州国500年の治世は王と麒麟の並々ならぬ理想と信念故なのが改めて感じられる。

  • 十二国記の中でもかなり好きな作品。500年にも及ぶ統治、その過程に起きた国を揺るがす事態に延王尚隆と延麒六太の物語は最高に胸熱は展開を見せる。国を統べるとはどういうことなのか、斡由というとても人間的で魅力的な敵が忘れられない。全てにおいて完璧だった。

  • かなり好き。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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