東の海神(わだつみ) 西の滄海 十二国記 3 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240558

感想・レビュー・書評

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  • 雁(エン)国の延麒六太と延王尚隆(しょうりゅう)の延国の再建に向けての物語。秦王が即位して20年、先の王の圧政で荒廃した国は平穏を戻しつつあった。そんな折、尚隆の政治に不満を持つ反乱因子が六太を拉致する__

    高評価がかなり多くて、期待して読み始めたけれど、私は冒頭部分から中盤までなんとなく読み進めるのが大変で、特に更夜が出て、蓬莱にいる時のエピソードなどが出てきた時から少し混乱したけれど(というより、このシリーズは人が多いのと、漢字が多かったり難しいから頭の中を整理しながら読まないとこんがらがる、、)最後はとても面白かった。この本を読むときは、頭を整理しながら読むことをお勧めします。。

    一度国や民を失う経験をした尚隆だからこその行動や言葉特に「王は民を生かすためにある」が素敵だった。自分が間違っていることを自覚することが出来ない白沢、極端な選択をしているのが残念だったが最後は納得のいく展開になってよかった。

    この物語の中では蓬莱で生まれ、雁に来た倭の人が少なくとも3人登場する。倭国と十二国の関係性が気になってくる、、なんで蝕で?虚海を越えてくる人がこんなに多いのか判明されたら面白そう!!

    • 風が吹くようにさん
      コメント失礼します。
      「自分が間違っていることを自覚することが出来ない白沢」
      白沢ではなく、斡由ではないでしょうか?
      登場人物の名前と階級・...
      コメント失礼します。
      「自分が間違っていることを自覚することが出来ない白沢」
      白沢ではなく、斡由ではないでしょうか?
      登場人物の名前と階級・役職がかなり面倒でした。ネットでまとめてあるのを参考にしました。ストーリーはおもしろかったですね!
      2022/11/27
  • 再読。
    「月の影~」と「風の海~」にも登場した、延王と延麒のお話。
    500年続いている尚隆の延国。その初期の国造りと争乱。

  • 延王尚隆と延麒六太が誓約を交わし、雁国に新王が即位して二十年。先王の圧政で荒廃した国は平穏を取り戻しつつある。そんな折、尚隆の政策に異を唱える者が、六太を拉致し謀反を起こす。望みは国家の平和か玉座の簒奪か-二人の男の理想は、はたしてどちらが民を安寧に導くのか。そして、血の穢れを忌み嫌う麒麟を巻き込んた争乱の行方は。

  • 政治が非常にリアル。治世の難しさや王たる者とは何か、道とは何か。これは歴史小説?と思わせるほどに血生臭い。何より組織図がまあ難しい。本当に細部にまで妥協せずこの世界を回していく為に完璧に作り上げてからじゃないとこの物語は書けないでしょう…

    • 風が吹くようにさん
      コメント失礼します。
      設定の作り込みが凄い作品ですね!尊敬します。
      コメント失礼します。
      設定の作り込みが凄い作品ですね!尊敬します。
      2022/11/27
  • episode2が戴国の物語であったのに対し、今回は雁国の物語

    破天荒な国王と麒麟のコンビが雁国に就任した経緯とこの2人による国の治め方が語られる

    戦国武将に関する物語を読んでいるような感じ

    麒麟の六太はとことん優しいし、延王尚隆は豪快で格好良かった

  • こちらも十二国記、第3弾。滅亡の危機に即位し、飄々としながらも国の復興に取り組む王と、その態度に半ば賛同、半ば不信感・呆れを抱く台輔。王のやり方に不満を抱く地方の侯が台輔をさらい、民を動かして要求を突きつける。繰り広げられる策略、王との信頼関係や王の意義が問われる。同時に進む幼い頃からの友情の行方は。こちらも文句なしに面白い。

  • 雁国での延王と延麟・六太の物語。

    憎めない存在の六太。
    この手の話では、人気キャラになる理由がわかる。

  • 陽子1ミリも出てこない!物語が壮大になっていくな〜!

  • 延麒六太の誘拐を発端にした雁の内乱という物語を通して、延王尚隆と六太の出会い・関係性も描いている。

  • 一見いい加減に見えてめちゃくちゃ頭の良い延王かっこ良い。
    途中のなかなかホラーな展開も読み進めるドライバーになった!

    エピソード順に読み進めているけど、次どの国が舞台になるか楽しみ!

  • どの国もそうだけど、王と麒麟の関係がめっちゃいい

  • 1, 2に比べると、ほんの少し落ちるかなという気がする
    まあテーマがかなり違うからだろうけど
    やはり序章が終わり、王の統治について、そしてその国の民衆はどうであるか
    というテーマになってきている
    そういう意味ではやはり上手いなあ〜
    多分少なくない読者が、この2重構造に 少し不満はあるかもだけどね

  • 雁国の話しと、延王尚隆の蓬莱国(日本)時代の話しとが交互に語られる。
    『村上海賊の娘』を読んだ方なら、更に面白く読めるはず。日本での尚隆の国が、かの村上水軍に滅ぼされていたとは…。実際の歴史が絡んだファンタジーなんて、なかなかないのでは。
    1作目『月の影 影の海』で、陽子の救世主となった尚隆と六太。今回も生易しい物語ではなかったが、尚隆はどこまでも男前でかっこ良かった。ここから雁国がどんどん発展していく。
    いつか更夜とも再会できるのかな。続きを読むのが楽しみ。

  • 延麒 六太と延王 尚隆の話。
    ところで十二国記の最初、陽子の話あたりはもう辛くて辛くて...な感じだけど、徐々にそんなのは薄れて来てる?
    それとも自分がこの世界観に慣れたのかしら?
    この話には更夜という妖魔に育てられた少年が出て来る。
    彼は親に捨てられ妖魔に育てられたが、やがて斡由に保護される。
    更夜及び斡由は間違ったことをしてるなと思いつつ、ただ責めるだけということが出来ない感じの深みがある話でした。

  • 図書館本。
    今回は延国の王と麒麟のお話。終始骨太なストーリーではあるものの、前巻より登場していたコンビなので、親しみやすく、過去の2人の出会い等描かれていて非常に面白かった。終盤にかけての怒涛の展開と、2人の腐れ縁で切っても切れないような関係性が非常にカッコいい。国を治めるということ、国の長としてのあり方等々深く考えさせられた。続きも早く読みたい。

  • フィクションの世界の中に変わらない人間の物語を描く十二国記シリーズ文庫版の3作目。
    尚隆と六太の雁国立て直しの物語。クライマックスの尚隆がとにかくかっこいい。
    斡由のような人はこちらの世界にもいる。
    自分の非を認めるを知らず、周りの者に慕われるのが上手で非人道的なことを平気でやってのける異常な精神の持ち主。
    人をみる目を養いそのような輩と付き合っても傷つくだけだと心得、距離を置かなければならない。

    好きな一文
    「正義を語る者が必ずしも正義の者ではないことを、六太は忘れていなかったか」

  • 雁(えん)国の王と麒麟のお話。
    2人とも蓬莱出身。
    王とは何のためにあるか、どうあるべきかが、国王の行動と結果をもって示されていく。
    国民のために!と一見真面目によくみえる者は、弱いところ、駄目なところを隠し認めず、良い面しかみせてないだけだった。何かあれば人のせいにし誤りを認められない。
    一方、不真面目そうにみえ怠け者、馬鹿だといわれても特に気にせず、どんなことを為すべきか、自分の役割は何かがしっかりと定まっている王。誤解はされやすいが、結果をだしぶれない。

    自分が周りからどうみられたいかを気にするのではなく、自分がなにを為すべきかを軸を持って生きられるとかっこいいのだなー。

  • 今までちょくちょく出てくる延王と延麒にはこんな過去があったのか。今までの話から、いいパートナーなんだろうと思っていたので六太がここまで尚隆に反発しているのは驚いた。でも、なぜそうしてしまうのかを六太は自分で分かっていた。それを理解した上の物語の終盤はとても熱い。
    王とは何たるか。蓬莱にいた頃からの尚隆の信念に触れたから、六太は心から「王」である尚隆を信じられたのだと思う。「任せておけ」という言葉の頼もしさ。ここから500年、今ある雁国までの道のりを思うと涙が出てくる。
    高すぎるプライド、自分の非を認められないという弱点。それがここまで人を愚かにもするんだろう。逆に自分の間違いを認めて改善していくことができる人は、強い人なんだと思う。

  • 延王 尚隆の人物像が興味深かった。
    王を選ぶ麒麟が、必ずしも「良い王だ」と思って選ぶ訳ではないというのも
    面白いところ。
    それでいて王が昏君となれば麒麟も病むという関係は、中々凄まじいものがある。

    麒麟といっても色々な麒麟がいて、延麒の六太は親しみやすく愛らしい印象。
    斡由の乱の辺りは読んでいて辛かった。
    更夜との再会がこのような形になるのは悲しく、巻き込まれた人たちも気の毒だが
    その辺りは容赦が無い。

    王と麒麟の関係を知ることができて大変面白い巻だった。

  • 麒麟と王の物語。
    最後は切ない…王とは臣下とは…全ては民意より、善行を行った結果、戦によってでしか解決できない、人間の弱さ、愚かしさ。
    全ては自己顕示欲が発端になっているような気がする…

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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