- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101240558
感想・レビュー・書評
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十二国記完全版・エピソード3、「延王尚隆」の始まりの物語。
景王陽子の時代から遡ること約500年、戦国時代初期に滅びた小松氏の御曹司が主人公。
元は20年近く前に描かれた、ヤングアダルト向けの物語ですが、
今読んでも変わらずに面白く、一気に読んでしまいました。
延王も延麒も胎果の生まれで、何かを失くした「彷徨い人」、
『風の海 迷宮の岸』での泰麒との縁もこの辺に起因してそうです。
「俺はお前に豊かな国を渡すためだけにいるのだ」
その尚隆、昼行灯のようでいて、締めるところはしっかりしていて。
「国」を担うということの責任と想いがズッシリと伝わってきます。
その重みがあるからこその、終盤へのカタルシスはやはり、うまいなぁ、、と。
そうそう、麒麟と「血の穢れ」の相関性を描きたかったのとは思いますが、
結構容赦なく人が逝くのは、この頃の小野さんらしいといえばらしいような。
ん、治世の永久はあるのかないのか、、この先描かれることはあるのでしょうか。
500年後にも安定していることを知っているだけに、、さて。 -
ものすごく久々に再読。ちょっと間をあけただけで内容をきれいサッパリ忘れてしまいがちな便利な脳みそを持っているため、今回も新鮮にわくわくしながらページをめくることができた。
雁州国の、起こりのころの物語。常々、延王・尚隆は魅力的でズルいと思っていたが、今作も存分にズルい存在だった。六太の内面の機微に、揺さぶられる。
昔読んだときはそこまで感じていなかったが、六太と更夜、尚隆と斡由、それぞれが対比され明暗が分かれたのが印象的だった。
いずれにせよ、この王と麒麟のフットワークの軽さが物語全体の鍵となっていくのだろう。やはりちゃんと読み進めなくてはならない。 -
いままで以上にわかりにくい、登場人物も多い。。。話の大筋はわかったが細かいところの理解ができなかったので、感情移入が難しかった。
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ここまではずれなし!全巻面白い。途中まで役職とかがややこしくて流し読みしてたけど、終盤に近づくにつれおもしろさ爆上げだった!斡由が前の会社の社長に重なってしょうがない。笑
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再読。悪役が最初からの悪役ではなく、自分の道を進んだ結果であり、無邪気な少年は無邪気なままではなく、王が全てを解決するわけではなく、麒麟は王を選んでいても迷いがある、王は民を一切傷付けることなく国を守ることができない。ままならなさを書くの、本当にすごいなと思います。登場人物、ほんとにちらっと出てきた人であっても、主人公にしてお話が絶対成立するだろうしそれはものすごくどれも引き込まれてしまうんだろうなと思う。でも創作だからではなく、人間が必死に生きるってそういうことなんだと思う。このお話は現実とは違って面白い!だけでなく、現実の、本当の、「生きる」ってそういうことで、創作を読ませておいてそこまで分からせてしまうこの作品は本当にすごい。他の作品で安定しているように見えたり、頼れるように見えたりする登場人物がメインの作品で葛藤や危機に揉まれるのを見ると、キャラクターの人生の層がじわじわじわと積み重ねられていくのを感じる。
(201504)すっかりはまりました。葛藤とか矛盾とかすごく書くの上手いなってほんと思う…権力を受け入れて、葛藤しながらも理解されないことも多い王族の設定が好みすぎる。シリーズぜんぶたのしみです! -
十二国記のシリーズ3作目。
同シリーズは順番に読んでいますが、2作目を読んでから1年以上経っていました。
それでも基本的な世界観は覚えていました。
本作は、延王と延麒の話ですが、延王ってシリーズ1作目の陽子の話にも少し出ていたような気がしましたが、どのように書かれていたかまでは覚えていませんでした。
本作のテーマは、国の王とはどうあるべきかということでしたが、リーダーの在り方的なビジネス書の代わりにもなりそうなお話でした。
単なる異世界ファンタジーにとどまらない、十二国記シリーズの懐の深さを感じました。
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十二国記の第3巻は、雁国の物語。麒麟と王の物語。
大変読み応えのあるお話でした。王たる所以、麒麟の矜持に打ち震える感動作。
次巻が手元にある喜びに打ち震え、旅を続けよう!笑 -
暗愚だのうつけだの言われても任せるものは下に任せ、自身は必要な時だけ動く。
大切なのは民を思い、民のために国を整える。
ホント王の鏡だと思った。
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延王尚隆と延麒六太のお話。
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王と麒麟仲良いなぁ
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ー人のために国がある。
〈あらすじ〉
延王が即位し20年。荒廃してどうしようもなかった土地も、ようやく少しずつ作物が育つようになってきた。貧しいのは変わらない国の中、国の平和のために反旗を翻す者がいた。麒麟を拉致し、血を嫌う麒麟を前に戦乱が始まる。
〈感想〉
前半はなかなか読み進められなかったのですが、後半物語が動き出してからが本当に面白かったです。
麒麟目線で話が進み、王を選ぶ麒麟であっても、本当にこれで良かったのかと迷うんだなぁと思いました。
国とは誰のためものか、王とは何のために存在するのか、民とは何か、改めて実感することのできる作品でした。
十二国記って漢字も多くて、難しい言い回しも多いのに、すっと物語が入り込んできて、ファンが多いのも納得です。 -
待ちに待った雁のお話。
個人的には陽子の時のように、尚隆の勇壮な姿を楽しみにしていたのだけれど、「やる時はやります!(物語の3分の1も描写がない)」感じで物足りなかった。
あとがき、養老孟司さんが書く、「十二国記は宮城谷昌光をファンタジーにしたようなもの」という言葉が腑に落ちる。
ファンタジーな分、十二国記は歴史解説が少なめ、人情ドラマが多めですけれど、ファンタジーなんだから史実よりも面白くないと、と思ってしまう…。
十二国記。評価に違わず面白いが、宮城谷昌光の本が恋しくなる今日この頃。 -
十二国記5冊目は雁国の物語。
尚隆めっちゃ格好いい!延麒は自分に正直で真っ直ぐな麒麟。いつも堂々としているから王を選ぶことにも迷いがなかったのだと思っていた。泰麒のように悩む麒麟の方が珍しいのかと。でもみんなそれぞれ葛藤があったんだろう。それほど麒麟の決断は重い。
雁国の王が素晴らしい人でよかった。本作では国にとって王という存在がどれほど必要なものなのかがよく分かった。乱戦を憎む一方、王不在の荒廃を経験したものは大切なものを守るために立ち上がる。涙が出そうだった。読めば読むほど世界の理解が深まる。 -
延王もかっこいい
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十二国記、延王の昔話。
ふだん飄々としている風だけど、蓬莱にいた時代の尚隆が、民だけがいても国ではなく、国土だけがあっても国ではない、国土に民がいて国なのだ、俺に国を寄越すというなら国土と民の両方を寄越せ、というようなことを延麒に言っていて、この人は国の在り方をわかっている、上に立つべき人だなと納得。
だから何百年も王様やっていられるのね。 -
雁国(えんこく)の麒麟六太と
延王尚隆(しょうりゅう)の出会いから。
小松尚隆(なおたか)と六太の出会いでもある。
能ある鷹は爪を隠すと言っていいのかな?
第一巻で陽子と出会ったカッコいいだけの延王とは真逆のバカ殿設定。
でも本気を出せばやっぱりカッコいい延王です。
妖魔ろくたと更夜の、麒麟六太と更夜の関係も後々はらはらしますが、綺麗に読めます。 -
王権確立のものがたり、第3弾。
正義の旗の下での謀叛、無能ということになっている王の大活劇。
放任か、マイクロマネジメントか。
本陣に構えるか、敵前に乗り込むか。
無能の謗りを甘んじて受けるか、名君の誉れを求めるか。
本当の危機において、部下がついてくるのか、こないのか。
そう考えると、実は秀逸なリーダーシップ論として読める。
ちょっと主人公かっこよすぎじゃね?というのはあるが笑 -
ベストコンビ!