涙 上巻 新潮文庫 の 9-15

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425252

感想・レビュー・書評

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  • 友人から面白いと勧められた本。

    娘が沖縄の宮古島に旅行に行くと聞き、母親の萄子は封印していた自分の過去を思い出す‥‥。
    警察官の婚約者、奥田勝が、結婚式を控えて準備を進めていたある日、行方不明になってしまう。それは、彼が慕ってきた警察の先輩、韮山の娘の死に関係しているらしく、萄子の元に勝から「自分のことは忘れてくれ」と一本の電話を残して、音信不通になってしまう。

    乃南アサの本は初めて読みました。婚約者のお嬢様暮らしの世間を知らない萄子の心の葛藤や執念、それを目の当たりにする家族の気持ち、娘を殺された韮山の怒りや悲しみ、焦り、親に隠していた娘の本当の姿を知った衝撃や葛藤が、ぐいぐい迫ってまるで映像を見ているような心理描写に長けていて一気に読んでしまいました。

    確かに大好きだとしても、萄子のように、あそこまでは追いかけられないな。納得できないままでも、そのままうやむやになってしまいそう‥‥。

  • 下巻に感想あり

  • 「ごめん。もう、会えない」。東京オリンピック開会式の前日、婚約者で刑事の奥田勝から、電話でそう告げられた萄子は愕然とする。まもなく、奥田の先輩刑事の娘が惨殺され、奥田が失踪していたことも判明。挙式直前の萄子はどん底に突き落とされた。いったい婚約者の失踪と事件がどう関わっているのか。間違いであって欲しい…。真実を知るため、萄子はひとりで彼の行方を追った。

  • 感想は下巻にて

  • 結婚式を間近に控えていた恋人が殺人容疑をかけられ、いなくなってしまった。
    テレビに映ったよく似た人を探してドヤ街に出かけるが、、、
    わずかな手かがりを頼りにお嬢様だった主人公が必死に恋人を探す物語。
    乃南アサのテンポのいい作風が進展が少ない恋人探しの旅を読みやすくさせてくれる。

    面白い。

  • 2019.03.23上下巻読了

    おそらく再読。結末に記憶がなかったのでまた楽しめた。
    乃南作品は好きだ。
    風紋、晩鐘、しゃぼん玉。。。
    忘れられない作品がいくつもある。
    そんな中、この作品の内容はスッカリ忘れてしまっていた。なぜだろう?再読したらこれまた良い作品だった。

    舞台は東京オリンピックを迎えた昭和39年。
    主人公の萄子はちょっとイライラを誘うお嬢様。そのお嬢様に襲いかかった悲劇を通して物語は進んでゆく
    挙式をまもなくに控え、婚約者の刑事 勝から1本の電話が入る。「もう会えない。忘れてくれ」
    それを受け容れられずに勝を追って萄子の一人旅が始まる。情報が入るたびに翻弄される萄子は徐々に毅然とした強い大人の女に成長していく。
    待っていたのは悲惨な真実だった。

  • たまには長編を、と、久しぶりに上下巻の小説を。東京オリンピックのころという時代設定がいい。男は亭主関白で無骨。女は気立てよく控え目。昭和ならではの人々の交錯が、話のいいエッセンスになっています。

  • 3回読み泣いた泣いた
    古い話だけど長くつらい

  • R様オススメ本
    時代背景なども加わって興味深く読み進められる。
    ただ、付き合っている最中の萄子はあまり好きになれない。
    事件後からようやく思い入れができるようになってきた。

  • 年末に近いある日、突然、嫁いだ娘が実家にふらっと帰ってくる。そして、夫の浮気で離婚し、実家に舞い戻る。この出来事がきっかけで、母親がまだ若かりし頃に遭遇した出来事にフラッシュバックされいく。時は、昭和39年、あの東京オリンピックで日本獣が沸き立っていた頃へと。
    ストーリーのなかに時折散りばめられる日本の出来事が、当時の時代背景を想起させる。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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