絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)

著者 : フランツ・カフカ 頭木弘樹

• 新潮社 (2014年10月28日発売)

感想・レビュー・書評

[司書KODOMOブックリスト（注：「司書になるため勉強中」のアカウントです）さんの感想 · 2023年6月2日]

「「いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」これは20世紀最大の文豪、カフカの言葉。日記やノート、手紙にはこんな自虐や愚痴が満載。そんな彼のネガティブな言葉だけを集めたのが本書です。悲惨な言葉ばかりですが、思わず笑ってしまったり、逆に勇気付けられたり、なぜか元気をもらえます。誰よりも落ち込み、誰よりも弱音をはいた、巨人カフカの元気のでる名言集。」

[そらさんの感想 · 2023年3月5日]

絶望に爆笑した

[レイさんの感想 · 2023年2月27日]

文章の抜粋に対してその都度ある寸評が微妙だった。
このタイプの本を読むのではなく、原作を読んでいる方が自分の肌に合うと思った。時間がない時には最適なのかも。

[zyasuminnteaさんの感想 · 2023年2月10日]

カフカを面白いと言うと語弊があるが、カフカの弱さと絶望ぶりが　希望をくれるとは不思議。カフカ以降の世の中に生まれててよかった。

[おかゆさんの感想 · 2021年12月6日]

ビブリオ大会で高校生が紹介していた一冊。

[おはようまだねようさんの感想 · 2021年7月11日]

これは以前聞いた話なのですが、ネガティブにも程度があって、ネガティブ同士が一緒にいると、よりネガティブレベルの低い人が「私がしっかりしなきゃ」となるものらしい。
わたしは頭でポジティブになろうとする根はネガティブ人間なので、ポジティブのぽの字もないカフカくんをかばわなくては！という気持ちになりました。
　


そして、これには補足があり、ネガでもポジでもその果てにいくことはよくないらしいです。。
周りの環境に左右されるものであり、コントロールが難しいというのに、そんな無茶を言わないでというところですが…自分はポジか？ネガか？そして自分がポジだとしたら、自分よりポジティブな人を、ネガだとしたら自分よりネガティブな人を友人に持つことで果てに行くことは防げるかもしれません。

人と比べるのは良くないと言いますが、逆手に取り人をうまく活用していきたいですよね。


何事もバランスが大事です。

[wekapipoさんの感想 · 2021年7月2日]

病気や怪我をしてラッキーと思うカフカって、逆にポジティブでは？笑

[rikushiさんの感想 · 2021年5月10日]

ネガティブ過ぎておもしろかった。この本を読むとネガティブなのは自分だけじゃないということが分かります。自分に近い人がいるものなんだなと親近感が湧きました

[つきさんの感想 · 2021年5月3日]

落ち込んだときにヒントを貰える、かも？

[泣いた赤鬼さんの感想 · 2021年4月23日]

■ネガティブの極み、名人はここまで到達できる■

不幸、絶望、ネガティブという分野に関してカフカは異次元にいる。並の人間が到達しうるレベルをはるかに超越している。
結婚することや子供を持つことに対する恐怖や絶望感は普通の感覚では理解できない高み（低み？）だ。病気に対する思いに至っては一周回ってポジティブまでたどり着いてしまった。もはや神の領域！

カフカが作品として残した小説は、翻訳を介するということもあり、いまいち入り込みづらい。しかし、彼の日記やノート、婚約者や父への手紙のリアルな切実さが伝わってくる。しかもぶっ飛んでいる。
自分はダメだ、弱い、ということを、これでもかと畳みかけるように強く主張してくる。ネガティブさ、自信のなさという点において、彼はだれにも負けない自信を持っていた（？）に違いない。

ポジティブな言葉は世にあふれており、口に押し込むごとに本当においしいのかわからなくなってくる食べ放題のケーキのように徐々に魅力を失う。そして後悔が襲ってくる。そんな時はあったかいお茶に限る。

巷にあふれる人生論や格言でポジティブなふりをするのに疲れや違和感を覚えたなら、どっぷりカフカのネガティブワールドに浸り、クスっと笑ってみるのもいいかもしれない。

著者プロフィール

1883年プラハ生まれのユダヤ人。カフカとはチェコ語でカラスの意味。生涯を一役人としてすごし、一部を除きその作品は死後発表された。1924年没。

「2022年 『変身』 で使われていた紹介文から引用しています。」