絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)

  • 新潮社
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本棚登録 : 1981
感想 : 137
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102071052

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。将来に向かって倒れたままでいることがいちばん上手にできるようになりたいかも、と思えました。

  • 最初はネガティブ過ぎて引いていたが次第にその気持ちもわからないでもないと共感した。他人に対して苦悩する姿をさらけ出し続けるというのは正直に生きる、噓偽りのできない人だったのかなと思う。自分のネガポジのそのどちらかに振り切っている時それぞれで楽しみ方が変わるそんな本でした。

  • 20160819

  • そうですか、カフカさんどんだけ絶望なんだろうと思ってワクワクしたけど、
    そんなに私とかわらないし、わかるわかるー思わずひざ打ったり、
    そんなこと好きな人に書いちゃうの?好きな人の父上に!ってのもなんかわかる気もして、

    なんだか元気になったし、他のカフカさん特に日記や手紙を読みたいし、全集復刊してほしいし、
    『絶望読書』から、かしらぎさんに感謝です。

  • 元気が出る名言?

  • カフカの楽しい絶望名言集。

  • 絶望というよりも、ネガティヴ人なりの処世術のように感じた。文章がうまいと、自分の絶望に酔いしれているように読まれてしまうのかな。
    それとも人種的、年代的な重さ暗さを日本人向けに編集したのだろうか。
    苦悩や辛さはそれを言葉にしてしまうと、どうしても重さが減ってしまう。
    それともわたしの受け取り能力の問題なのかとおもったが、そもそもこういう本は、他人の悩みや絶望感ほど、笑ってしまうもの。だからあなたの悩みも大したことありませんよ、類の本なのだ。

  • ネットラジオOTTAVAのある番組でこの本を紹介していたのですが、「スキップしてしまうぐらいのネガティヴさ」ってどんなにネガティヴなんだろうと気になって、ちょっとずつ読みすすめました。
    カフカの、もう見事なぐらいの後ろ向き。でも、私もどちらかというとネガティヴ思考なので、分かると共感もしつつ。
    読み終えてスキップはしなかったけれど(笑)、ちょっとだけ頑張ろうとか、カフカの書いたものが気になるとか、後からじわじわきそうな一冊でした。

  • 飛鳥新社から出た本の文庫版。中身のことに関しては大きいので触れたのであえて感想はなし。
    大きい版と違いはあるのかな……表紙が前は黒かった。文庫版あとがきがある。山田太一さんの解説がある。それだけしかわからんです。
    文庫版あとがきは小説がどんな感じで広まったとか、お世話になった人たち(?)のその後とかそんなのが書いてありましたね。有害図書て……どの辺が有害なんだろ……ユダヤ人だからっていう理由だけかな。

  • 【51/10000】←修正しました!
    頭木弘樹さん編訳の、「絶望名人カフカの人生論」を読了しました\(^o^)/

    いや、とても楽しく面白い本でした。
    ネガティヴ、後ろ向き、ダークサイドに満ちたカフカのお言葉の数々。
    「絶望名人」の二つ名の名付け親である編訳者の頭木弘樹さんには、大きな拍手を送り、握手を求めたいです。

    拙いレビューをくどくど書くよりも、まずは、章立てと、特に心に残った言葉を引用させていただきます。

    第一章 将来に絶望した!
    第二章 世の中に絶望した!
    第三章 自分の身体に絶望した!
    第四章 自分の心の弱さに絶望した!
    第五章 親に絶望した!
    第六章 学校に絶望した!
    第七章 仕事に絶望した!
    第八章 夢に絶望した!
    第九章 結婚に絶望した!
    第十章 子供を作ることに絶望した!
    第十一章 人づきあいに絶望した!
    第十二章 真実に絶望した!
    第十三章 食べることに絶望した!
    第十四章 不眠に絶望した!
    第十五章 病気に絶望・・・・・・していない!

    将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。
    将来にむかってつまずくこと、これはできます。
    いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。
    ーフェリーツェへの手紙
    (本文34ページ)

    ぼくは今、結核に助けを借りています。
    たとえば子供が母親のスカートをつかむように、大きな支えを。
    ーフェリーツェへの手紙
    (本文232ページ)

    ある意味、ネガティヴの極端まで振り切れてしまっている言葉たちは、ほとんどの人にとっての自分自身の感情よりもネガティヴなはずであり、なんか逆に「いやいや、そんなことないで…」とカフカを慰めようとしているうちに、自分は元気づけられてしまうような効果があると思われます。
    ちょうど自分が怒ってる時に、もっと怒ってる人があらわれたら宥めてしまうように、あるいは泣きたい時に、すでに泣いてる人がいたら寄り添って声をかけてしまうように。

    もし仮に、カフカと同等(極端なので超えはしませんが)のネガティヴな人がいたら、一緒に絶望に同意しながら、わかりあえる友と出会えたことの感動に打ち震えることができそうです。

    ですので、これこそ万人受けする究極の本なのかも、と思わず考えてしまった、実にユニークな本なのでした。

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著者プロフィール

1883年プラハ生まれのユダヤ人。カフカとはチェコ語でカラスの意味。生涯を一役人としてすごし、一部を除きその作品は死後発表された。1924年没。

「2022年 『変身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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