絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)

  • 新潮社
3.80
  • (93)
  • (143)
  • (106)
  • (21)
  • (6)
本棚登録 : 1959
感想 : 136
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102071052

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • カフカの手紙とそのエピソード背景をパラグラフサイズで紹介した本
    Ms.Negativeを自称する自分は絶対読まなければと思ったが、絶望のベクトルが独特であった。
    少し病んでいるのがちょうどいい、という感じ。
    健康だと病への不安で落ち着かないのだろう。

  • 絶望しちゃった♪( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

  • ・君は君の不幸の中で幸福なのだ。
    ・将来に向かってつまずくこと、倒れたままでいること。
    ・孤独さが足りない、さびしさが足りない。
    ・虚弱だと思い込む。
    ・私は彼を知ったというよりは、むしろ彼の不安を知ったのです。
    ・父親との反りの合わなさ。
    ・罪なき罰という幼時体験。
    ・ぼくは文学以外のなにものでもない。
    ・ぼくは彼女なしで生きることはできない。しかし彼女とともに生きることもできないだろう。
    ・いつだったか足を骨折したことがある。生涯でもっとも美しい体験であった。

    右ページにカフカの言葉、左ページに頭木さんの解説。
    「これこれに絶望した!」という(絶望先生的な)章立ての構成がよい。
    序盤は引きこもりやぼやき、中盤で父親の影をとらえ、人生観に言及し、最後には病という幸福にたどり着く。
    構成がカフカの人生をなぞっている。
    そしてあとがきにおいて、マックス・ブロート、フェリーツェ、ミレナ、ドーラ等々カフカの身近な人々が、彼の手紙を「守り抜いてきた」と気づかせてくれる。
    いや、いいね。

  • 「ぼくはしばしば考えました。閉ざされた地下室のいちばん奥の部屋にいることが、ぼくにとっていちばんいい生活だろうと。」---将来に、世の中に、自分の身体に、心の弱さに、親に、仕事に、夢に、人づきあいに!絶望しまくっているのは『変身』の作家、カフカです。とことん後ろ向きな弱音に共感したり笑ったり。不思議と元気になれる名言集。

  • 「ぼくの人生は、自殺したいという願望を払いのけることだけに、費やされてしまった。」

    「いつだったか足を骨折したことがある。生涯でもっとも美しい体験であった。」

    「ぼくは終末である。それとも始まりであろうか」

  • まず1ページ目
    『すべてお終いのように見えるときでも、まだまだ新しい力が湧き出てくる。それこそ、おまえが生きている証なのだ。』
    そしてページをめくると、
    『もし、そういう力が湧いてこないなら、そのときは、すべてお終いだ。もうこれまで』
    ここでまず笑ってしまう。

    虚弱体質でもないのに自分をやたらと体が弱いように表現したがるカフカ(しかも、恋人や恋人に宛てた手紙の中で)、決して恵まれていないわけでもないのに仕事にも将来にも絶望し続ける。自殺こそ企てたことがないそうだが、その性格が仇となってか結核となり40歳で亡くなってしまう。
    朦朧としながら看護婦を妹と間違えて「そんなに近くにきてはいけない、うつってしまうよ」と心配したという部分がなんだかニヒリスト以外のカフカの人間性を初めて見たようで印象的だった。
    友人に「君は自分の不幸の中で幸福に生きている」と言わしめたカフカ。自ら切望して3度婚約し、3度婚約破棄し、結婚することを強く夢見ながら結局生涯独身だったカフカ。
    『ぼくは彼女なしでは生きることができない。しかしぼくは、彼女と共に生きることもできない』
    どうしようもないけれどこんなに愛すべきカフカの作品をまた改めて読みたくなった。

  • カフカという人を詳しく知らなかったので、そうなんだ〜ってかんじで読んだ。確かにかなりネガティブ。。

  • 著者が導くひとつのカフカ像として面白い。読みやすいのもあるのでこれでカフカに興味、親しみを持って小説へというのもありだと思う。親しみを持てるきっかけにいい感じのテキスト。

  • 絶望するのも悪くない。

  • 面白かったです。将来に向かって倒れたままでいることがいちばん上手にできるようになりたいかも、と思えました。

全136件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

1883年プラハ生まれのユダヤ人。カフカとはチェコ語でカラスの意味。生涯を一役人としてすごし、一部を除きその作品は死後発表された。1924年没。

「2022年 『変身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

フランツ・カフカの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×